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美少女男子高校生の日常  作者: くろめる
第二章 夏
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合宿2

最終回まで書きました。そんなに長くないです。1日1話投稿していきます。

「「おぉ〜〜〜〜〜〜ッッ!!」」


大型バスに乗り込むと、野太い歓声とともに俺たちは迎え入れられた。


「まさか、女神がこの合宿に参加してくださるとは…!」

「ああっ、コウさん、ねむたんと一緒に一つ屋根の下で過ごせるなんてぇぇっ」

「これは練習に気合が入るぜ」

「神崎先輩っ、練習サボって一緒に海に行きませんか!?」


練習サボんな。


これからこのバスは千葉県の南端にある沿岸の合宿施設へと向かう。

なぜこんなバスに乗り込んでいるかというと、バスケ部の合宿に臨時マネージャーとして参加するためだ。


うちのバスケ部は全国でも強豪校なので部員の数も多い。だが、それをサポートするためのマネージャーは男バス女バス合わせて1人ずつしかいない。

なのに合宿ではご飯を用意したり、ドリンク作ったり、ユニフォーム洗ったりタオルを用意したりとやることが多く手が回らない。

そのため毎年臨時マネージャーとして部員の家族などにも手伝ってもらってたりするのだ。


今年はうちのユウがバスケ部に入部したので、俺が手伝いに来ているというわけだ。


「なんで私たちも参加してるのかしらね?」

「まあ、いいんじゃないか?出かける予定がなくなったってぼやいてたわけだし」

「夏休みの思い出作りだと思いましょうよ」

「何故ワタシと雪次まで…」

「僕帰宅部なんですけど……」

「すっはぁー、コウくんが参加するなら僕もついていくよ!」

「お姉さまがいれば百人力ね!」

「かほちゃん落ち着いて」


青山、アキラ、香織姉、黒居、富岡、マコト、ついでに彼山も巻き込んでやった。

まぁ、アキラは剣道部の合宿が同じ場所、スケジュールだっただけでマネージャー要因ではないのだけど。

彼山はもともとマネージャーをやるつもりだったそうなので丁度良かった。なっちゃんは彼山に強引に連れられてきた。合掌。


「それよりもコウ、お前もバスケ部じゃなくて剣道部の合宿に参加していいんだぞ?」

「うっ、それは、そうなんだけど…」


こっそりとアキラが話しかけてくる。

女体化してから俺は剣道部とは疎遠になってしまっている。

顔を出すタイミングを逸してしまってなかなか行くに行けない。


「そのうち、顔を出しに行くさ」

「ああ。大会に参加できるのもあと僅かだからな。俺たち2年も」

「わかってる」


そう言ってアキラはバスを降りて、隣の剣道部のバスへと移動していった。

このバスはバスケ部のバスとなっている。

男子バスケ部、女子バスケ部合わせて100人という大所帯だ。

一台のバスでは45人までしか乗れないので3台構成になっている。

一台は完全男子部員のみの車両

一台は完全女子部員のみの車両

残る一台はマネージャーや部員の家族と関係者、残りの男女のバスケ部員が乗せられている。

俺たちはこの混合車両にいる。


ハルカやアキツグもこの車両にいる。


「アキツグに会うのも久しぶりだな?」

「おう、部活が地獄すぎてな……まじで休みねぇ……」


御愁傷様。

レギュラーの宿命だな。


「コウにーちゃ〜〜んっ!ああ柔らかいっいい匂いっ〜」

「こらこら」


辛抱たまらなくなったハルカに抱きつかれる。

苦笑しつつハルカの頭を撫でる。


「へへへ〜。あ〜やっぱいいなぁ〜。コウにーちゃんうちの兄貴と結婚してあたしのお姉ちゃんになってよ」

「「ぶっ!?」」


俺とアキツグが同時に吹き出す。

いやいや、何言ってんのさ!おかしいでしょ!?

今はこんなだけど俺は一応男だっての!


「いい案だと思ったんだけどな〜」

「だめに決まってんだろ、これは俺の姉貴だ」


ずいっとユウが割り込んで来てハルカと俺を引き離す。

そんでひょいっと俺のことを持ち上げて自分の膝の上に乗せる。


「ちょ、ユウ?やめてって、恥ずかしい!」

「えー、いいじゃん。ハルカと抱き合ってたんだから俺ともスキンシップとってよ」


なにそれ!?どういう理屈だよ!こらっ、後ろから腰に腕を回すな!

大体一緒の家に住んでるんだから、スキンシップならいつもとってるだろう


「ざわ…」

「神崎弟と姉のスキンシップ……」

「毎日どんなスキンシップを……」


周囲がなんだかざわついている。

どんなって、別にちょっと、元気のないユウを励ましたり……?


「ど、どうやって……!?」


富岡がなぜかグイグイくる。

なんだお前。


「え、っと、ぎゅーって抱きしめたり?」


実際には抱きしめられているというのが正しいんだけど。


「けしからんっ!こら、神崎!こ、こ、こんな綺麗なおねーさんに毎日抱きしめられているのかっ!?」


バスケ部の先輩部員がユウに詰め寄る。


「そっすよ。だって姉貴は俺のモノですもん」


ちょ、お前まだそんなこと言ってんのか!?

俺はお前と兄弟だけど、お前のモノではないぞっ!?

変な誤解されるからやめろーー!


「そ、そうだぞユウ!コウにーちゃんに変なこと言うのやめなよっ」

「ハルカだって似たようなこと言ってるじゃねーか」

「あ、あたしはいいのっ!ほらバス出発するから降ろして!」

「へいへい」


ハルカの言うことはわりと聞くんだな……。

俺の言うこともちゃんと聞いておくれ。


ぐったりしつつおれは席に着いた。

隣の席にいるのは青山だ。


「お疲れ。相変わらず愛されてるわねー」

「まぁ……そうだな……ウチは家族愛が凄いからな……はは……」


愛されてはいるのだろう。

それは素直に嬉しいのだけど、なんだろう、もう家族愛じゃないような気がする。

あれ?もしかしてユウって本気で俺のこと狙ってたりするの?

……ははは、ないない。

いくら性別が変わったと言っても俺たちは家族で、兄弟なのは変わらない。


とりあえず疲れたので目的地に着くまでゆっくりさせてもらおう。

ふと視線を上げると黒居が斜め前の席から俺のことを見ていた。


「ー」

「え?」


何かつぶやいたように見えたがすぐ視線を戻された。

なんだろう?まいいか。


バスはゆっくりと走り出した。

ここからだと3時間程度で着くという話だ。

今日は朝も早かったからな、寝よう。おやすみなさい。


◇◇◇


ひとしきり騒いだ後、バスの中は静かになった。

朝も早かったことだし無理はない。


そんな中一人目を覚ました人物がいた。

コウの方を一瞥すると口元を醜く歪め、また何事もなかったかのように眠りについた。




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