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美少女男子高校生の日常  作者: くろめる
第一章 春
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トリプルデート3

さぁて、どこ見て周ろうかな〜。

あたりを見回すと、可愛い小物がいっぱいあってついつい目がいってしまう。

・・俺こんな趣味あったっけ?

と思うのだけど、これも女体化の副次効果だろうか。


「おー、コウにーちゃんそれ可愛いねぇ」


俺が手に持ってたのは複数の小さい花が重なった髪留めだ。

花の部分はつるっとしたプラスチックでカラフルな色違い。花の中心にはイミテーションだろうか、ピンクの宝石のようなものが埋め込まれている。


「その中心の石はスワロフスキーのガラスなんです。光にかざすと綺麗ですよ。」


店員さんが教えてくれる。ほう、このピンクの石はスワロフスキーというのか?なんだっけ、どこぞのメーカー名だっけ?

手に持って店内の光にかざしてみる。

するとキラキラと内部で光が反射してとても綺麗だ。これがガラスなのかー。


「どうです、彼氏さん、彼女さんにおひとつプレゼントしてみては?」


なんて店員さんがアキツグに向かって言う。

って、彼女じゃねーですけど。


「・・それ気に入ったのか?」


ん、あ、ああ。まぁ。可愛いと思うけど。

お前訂正しないのかよ。


「じゃ、これください。」


「お買い上げありがとうございます〜。優しい彼氏さんですねぇ?」


ええええ、何?買ってくれるのか・・?


「わ〜、コウにーちゃんいいな〜。兄貴が誰かにプレゼントなんて滅多にないぜ〜」


そうなのか、あ、そういえば俺お前たちに誕生日プレゼント貰ったばかりじゃん。

なのにアキツグからまたプレゼントなんて。ていうかアキツグ彼氏じゃないですけど。


「まぁ、気にすんな。もらっとけ。」


ラッピングされた髪留めを店員さんから受け取って、俺にぽいっと放ってくる。

おとと。


「・・じゃ、ありがたく貰う。。ありがと。」


照れ臭い。思わずちょっと上目遣いになってしまった。

ふーん。髪留めのプレゼントか。。

べ、べつに嬉しくなんかないんだからねっ!

・・嘘です、結構嬉しいです。


へへへー。


「じゃ、じゃあ俺もなんか買ってやるよ!姉貴欲しいものない?」


お、ユウも随分気前がいいなぁ。ありがとう気持ちだけ受け取っとくよ。

それにこの間ちゃんと誕生日プレゼントをお前からも貰ったしな。


ユウが渡してきたプレゼントはよくわからないご当地ゆるキャラのぬいぐるみだったけど、まぁありがたく頂戴した。

マグロとアボカドを掛け合わせたような、アボグロとかいう名前だ。

なんでその名前にした。そもそもその掛け合わせはなんだ。


そもそもうちの地元はF市なんだからFっしーがいるじゃないか。何故それにしない。

うちの弟は昔からよくわからないものが好きだったな。。おにーちゃん理解なくてごめんな。


今度誕生日が来た奴にはちゃんとお返ししないとな。

お金貯めとこ。。あ、アルバイトとかしようかな?うちの家計も助けたいし。

今回の一件で結構散財しちゃったしなー。


「じゃあ、ユウ、あたしになんかくれよ。」


「・・なんでお前に買ってあげなきゃなんねーんだ。」


「いいじゃねーか、将来好きな女の子にプレゼントする練習だと思ってさ」


「しかたねーな、、じゃあ、これな」


ユウが選んだのはトロネギというこれまたよくわからないご当地ゆるキャラのチャームがついたストラップだった。

おまえ、それ。。ハルカが微妙な顔してるぞ。気づけ。


「これください」


もうお会計済ませやがった。ハルカに手渡している。


「まいっか、ありがと!」


ふうっと一息ついてお礼を言っているハルカ。結構嬉しそうだな。

案外気に入ったのかも?


さって、買うもの買ったし、次行くか次っ!



俺たちはショッピングモールをぐるぐると見て回った。

アクセサリー屋に入ったり、ペットショップを見たり、クレープ食べたり、ゲームソフト見たり。

そう。欲しいゲームあったんだよな。

けど今回は見送ろう。。バイトしてお金が溜まった時にまだ欲しかったら買おう。


化粧品コーナーでは店員さんがお化粧してくれたりした。

化粧なんて一生することないと思ってたのにな。

ハルカもやってもらっていて、結構雰囲気変わってた。もともと素材がいいだけに、化粧するとより一層際立っていた。可愛い。。


ユウもそんなハルカの様子にちょっと見惚れてたみたいだ。

へー。この間まで姉貴姉貴言ってたのになぁ?なんてニヤニヤしてからかってやった。


折角なのでメイクは落とさずこのままで行くことにした。

何も買わなくてすまんな店員さん。


「あ、コウにーちゃん、プリクラあるよ〜。一緒に撮ろうぜ!」


「えー、俺プリクラって苦手なんだよなぁ。どんな顔していいかわかんなくて。。」


「まあまあ、折角だし撮ろうぜ姉貴」


「そうだな、ほれ入れ入れ」


「あれ?兄貴たちも映るの?」


「「・・・」」


「冗談だって。」


仕方ない。観念して映ることにするか。

この女体化の記録が確かなものとして残ってしまうな。。とほほ。


「と、その前にー、折角だからさっき兄貴に買ってもらった髪留めつけようぜー」


む、そ、そうだな、折角買ってもらったしな。手に持っている紙袋から髪留めを取り出す。

キラキラ光って綺麗だ。つけてみる。どうだろ?似合ってるのかな・・?

ハルカもさっきもらったストラップを取り出してスマホにつけて、前に掲げている。


「うん!似合ってるよ!さあさあ、顔作ってー!」


こ、こう?


「はい次ー!」


えええ、早い!どこ見ればいいんだ!?

パシャ!パシャ!


ほんっと手早く終わらせられるな!

あっという間に撮り終わってしまった。

回転良くするためなんだろうけど、息つく暇もないな。。俺みたいな慣れていない人には難易度高いぞ。


ハルカとユウが手書きコーナーでプリクラをデコってる。

おじさんはああいうの難しくてわからんのじゃ。ユウも詳しいわけじゃなさそうだけど、結構女子に誘われてプリクラ撮らされてたみたいで、なんとなく覚えてるらしい。


「・・・そういえばさ、」


「ん?」


なんとなく隣にいるアキツグに話しかける。


「アキツグは何で彼山と付き合わなかったんだ?可愛い子なのにもったいないぞ」


彼山がアキツグに振られたというのは知っている。

でもアキツグがなんで振ったのかは聞いてなかった。

そんなことを聞くのは野暮だなと分かっていたけど、何故か口をついて出てしまった。


彼山は客観的に見てもかなり可愛い子だ。

性格はちょっとアレなところがあるが、基本的には友達思いの優しい良い子だ。

もったいない!


そういえば俺、アキツグに彼女ができたところ見たことないな。

かなりの数の告白をされてたと思ったんだけど。


「・・好きな奴がいるから」



お前、好きな人いたの!?

お前が!?


「・・なんだその言い方、俺だって好きな奴くらいいるさ。」


ふんっとそっぽを向いてしまう。

へー、、アキツグ、好きな人いるんだ。。ふうん・・。

アキツグが好きな人ってどんな子だろ?

こいつ好みとか全然教えてくれないしな。


「悪かったよ。・・・で、誰なんだ?俺の知ってる子か?」


なんか緊張するな。

アキツグが好きな人か。。相手はその気持ちに気づいているのかな?

もし、気づいてたら、アキツグがその相手に告白したら、、

その二人が付き合ってしまったら。


そう考えたら、胸の奥がズキリと疼いた。

アキツグが誰と付き合おうが、それはアキツグが決めることで、俺がどうこう言うものではない。

なのになんで胸の奥がもやもやするのだろう。


「俺が、俺が好きなのは・・」


アキツグの視線が忙しなく動き、少し顔が紅潮している。

あちらもどうやら緊張しているみたいだ。

まるで、好きな子に告白でもするような・・・

意を決したように息を吸い込んだ。


「俺が好きなのは、、おm「「おまったせー!」」


シャッとプリクラ機のカーテンを開いてユウとハルカが出てきた。

デコレーションが終わったみたいだ。

1,2分程度のことだったのに、随分長く感じる。


あ、アキツグの好きな子聞き損ねた。

戻ってきた二人に意識を持って行かれてしまった。

でも、どこかホッとした自分がいる。聞けなくてよかったような。そうでもないような。


アキツグは両手を床についてうなだれていた。おい、どうしたんだ。


「・・なんでもねえ。。」


印刷の終わったプリクラをハルカがはさみで切り分けて、均等に渡してくれる。

お〜、意外にちゃんと撮れてる。目線もバッチリじゃないか!

髪留めもちゃんと映るように撮れてた。よかったー。


「あれ?どうしたの兄貴」


「さぁ・・?」


俺にもわからん。


その後俺たちは適当なカフェでお茶をして、他愛のない会話をして、じゃあ帰ろうかとなった。

そろそろいい時間だしな。日が伸びてきてはいるけれども、18時を回り日が暮れてきた。


あ、帰る前にちょっとお手洗い行っておこう。お茶のお代わりが自由だったのでつい貰いすぎた。

・・貧乏性なんだ。。


「ごめん、ちょっとお花摘んでくる」


席を立ち、店の外にあるお手洗いへ。

途中大きな清掃用のカートを引いた清掃員のおじさんとすれ違う。

あれ、トイレ洗浄中かな?あ、大丈夫そう。終わったとこかも。


トイレで用を足す。こんな姿になった初日はてんやわんやしたものだが、

さすがに2ヶ月近く経つと慣れるな。


それにしてもアキツグの好きな人って誰だったのかなー?

手を洗いながらぼーっと今日のアキツグの様子を思い出していた。

俺に髪留めなんてプレゼントしてくれたりして、好きな子に知られたら勘違いされちゃうんじゃないのか?

それともアキツグが好きな人ってもしかして、、、、

ってんなわけないか。そもそも俺は男なんだし。そういう恋愛の対象外だろう。


鏡に映る少女はどこかしょげた顔をしていた。


ふと目線をずらすと鏡越しに俺の背後に人影が映った。

・・ん?掃除のおじさん?終わったんじゃないのか?

掃除のおじさんは何故かじっと俺の方を見ていて、突然勢いよく近づいてきた。

振り返ろうとしたところ押さえ込まれて、口に何かの布を押し当てられる。




とそこで俺の意識は刈り取られた。





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