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美少女男子高校生の日常  作者: くろめる
第一章 春
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恋のライバル1

最近学校にいると妙な視線を感じることがある。


今日も廊下を歩いていたら、後ろから視線を感じた。


なんだかチクチクするな・・

でもこの感じは男ではないかな。


自慢じゃないが俺は結構人の視線を集めてしまうので、見られることに関しては敏感だ。なので視線の感じから、どんな相手が見ているのかはなんとなく想像がつく。


この突き刺さるような憎々しげな視線は、ストーカーなどの類ではなさそうだな。。おそらく俺のことを嫌っている誰かだろう。あまり男子に嫌われるということはないので、女子の可能性が高そうかなぁ。。


うーん、人に恨まれるようなことはしてないつもりなんだけどな。。

女の子に嫌われるのはちょっとやだなー。


数歩進んで、バッと後ろを振り返ってみる。


はっ、隠れたな。今。


また少し進んで、唐突に振り返ってみる。あ、また隠れた。


・・・廊下の柱の影から結った髪の片方がはみ出している。


じー・・・っと柱を見ていると、やがてしびれを切らして女の子が出てきて、走って逃げていった。

ぴょこぴょこ揺れるツインテールが可愛らしい。


なんだろあの子。。ちっちゃい子だなぁ。




次の日、朝学校にくると上履きの中に数個の金平糖が入っていた。


・・・なぜ。


むき出しで入っているわけでなく、ちゃんと小さい透明なビニール袋に入っていた。

プレゼントってわけでもないよな。。入れるにしても上履きの両方に分けていれないだろうし。

ただ気がつかずに上履きを履いてしまったら痛かったかもしれない。

とりあえずもらっとこ。

金平糖を回収してポケットにしまった。



また次の日、今度も上履きに何か入っていた。

T字のムダ毛剃る用カミソリだった。ちゃんとパッケージされたままだ。

これも気がつかずに履いてしまったら怪我をしたかもしれない。

・・気がつかないやつなんていないか。

なんだろう、やっぱりプレゼントなのかな?

それとも暗に「ムダ毛剃り残しありますよ」というメッセージだろうか・・・


うーん、剃るようなムダ毛ないんだけどな。

世の女子に聞かれたら憎まれそうだが、生まれてこのかたすね毛や脇毛といったムダ毛が生えたことがない。

つるっつるである。

・・それ故、下腹部のあそこも、だいぶつるっつるである。。全くないわけじゃないぞ?本当だぞ?


まぁこのカミソリは頂いておこう。使うこともあるかもしれないし。。



さらに次の日、今度は手紙が入っていた。

可愛らしい乙女チックな便箋である。

丸っこい字で「神崎せんぱいへ」と書いてある。

これは、まさか、女子からのラブレターだろうか・・!?


若干ラブレターに嫌な思い出があるが、女子からならば話は別だ。


ドキドキしつつとりあえずポケットにしまって、何食わぬ顔で教室に向かった。

手紙は休み時間にこっそりトイレで開いてみた。


『神崎せんぱいへ、せんぱいに大事なお話があります、今日の放課後、屋上で待っています。

ぜったい、ぜ〜ったいにきてくださいね!』


手紙を閉じて、深呼吸をする。

・・・ふぅ・・・


間違いない。これは告白される。

なんということだ。女子から告白されるなんて・・・!

俺は体は女になってしまったけれども、女子とのおつきあいは未だに夢に見ているのだ・・。

神崎 昂16歳。初めての彼女ができるかもしれない・・・!!


実を言うと過去に何度か女子から告白を受けたことがあったのだが、免疫のまるでない俺は何もしゃべれず、口をパクパクとしていた。その結果相手が勝手に振られたと勘違いして、お付き合いに至ることはなかったのだ。。やがて、この外見と、ずっと男ばかりとつるんでたせいで、「神崎はホモ疑惑」が流れ、、女子とのお付き合いなど夢のまた夢となってしまっていたのだ。。。


大丈夫だ、俺はもう女子に免疫がないなんてことはない。なんせ俺が女子になったんだからな。

完璧だ。これなら告白されても口をパクパクして終わるなんてことにはなるまい。。


ふふふ。放課後が楽しみだ。。



終始ニヤニヤしていたらアキツグに「キモいぞ」と言われてしまった。

うるさい。モテ男くんにはわかるまい。このドキドキは。


ようやく放課後になった。俺はよしっと気合を入れて席を立つ。

いざ決戦の地へ。念のためトイレで歯も磨いたし、ミントの香りのスプレーもかけたから汗臭い匂いもしないだろう。手鏡を見ながら軽く髪の毛を整える。


「神崎さん気合入ってるね。もしかしてデート?」


いやいや木嶋さん、違いますとも、ええ違いますとも。

ですが今後そういうことになるかもしれませんな?はっはっは。

じゃ、私は行くところがあるので。


「そ、そう・・いってらっしゃい。」


行ってきます。


屋上への階段を登り、鉄製の重たい扉を開く。

日差しが春から夏へと変わりかけている。眩しい・・。


そこには一人の女子生徒が両手を胸の前で重ねて、不安げに立っていた。

俺の存在に気がつくと、ぱぁああっと花の咲くような笑顔を向けてきた。

か、かわいい。


「神崎せんぱい、来てくれたんですね・・・!」


ええ、来てあげましたとも。

で、その、お話があるとか・・?ごほんごほん。


「あ、そうです、せんぱいにお話があるんです!」


頭の両脇で結った髪を振りながら彼女が近づいてくる。

・・・ん?どっかで見たような。



「せんぱい。あんたアキツグせんぱいにちょっかいだしてんじゃないわよ!!!」



ドスの聞いた声でそう言われた。



・・・んっ?



えっとアキツグ先輩?俺がアキツグにちょっかい出してる?


「そうよ!あんたアキツグせんぱいの何なのよ。ぽっと出の新キャラのクセして、アキツグ先輩に近づいてんじゃないわよ!」


ぽっと出の新キャラって言われても。。付き合いは小学校からなんだけど。

あ、でもこれは男の頃の話だから、女になってからは、まぁ確かに1ヶ月程度になるか。

それに別に近づいてるわけでもないぞ?どちらかと言えばアキツグの方から寄ってきてるような。。


「・・な、なんですって・・!そんなわけないじゃない!アキツグせんぱいは、あんたみたいなチンチクリンに興味を持たないわよ!」


ち、チンチクリンですと・・?

おいおいお嬢さんそれは流石に聞き捨てならないなぁ。。

俺は別に女子としての自分に自信があるわけでもないが、周りの評価を聞く限り、結構いい線いってる部類だぞ・・?

そ、それにほら胸だって結構ある。


両手で胸を押し上げふふんとドヤ顏をしてみる。


ツインテールはハッと自分の胸を抑えて憎々しげに睨んできた。


「女は胸じゃないのよ!そんなこともわからない頭空っぽのあんたにはアキツグ先輩はもったいないわ!」


こ、こいつ。。。何、喧嘩うってんの・・・?

ピクピク


「へぇ〜〜〜〜〜、じゃあアキツグはどんな女が好きだっていうんだ?」


「それは、その、私みたいなスレンダーな、可愛い女子が好きなのよ。そうに決まってるわ!あんたみたいなちびっ子、およびじゃないのよ!」


お前だって十分小さいだろうが!

多分俺と身長変わらないか、低いくらいのはずだ。


「な、なによ・・、そんなことないもん!アキツグせんぱいは私のことが好きなんだもん〜〜〜!!」


泣きながら出て行ってしまった。

そのまま俺は一人ぽつんと屋上に取り残され、呆然としていた。


・・なんだったんだアレは。。。

また一つ悩みの種が増えてしまった気がした。











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