051 ”夢”の中へ <04/05(金)AM 11:37>
※※※ 注意 ※※※
これからしばらく、[夢の洞窟] のお話となる予定です。
会話などから、薄々と感じられておられる方も居るかな?と思いますが、恐らく想像通りの展開となります。
大量だったり、黒かったり、テカってたり・・・そういうのが苦手な方は、しばらく読み飛ばしていただいた方が良いかと思います。ご注意下さい。
[夢の洞窟]終了まで目印として、無理矢理サブタイトルに”夢”の文字を付けていこうと思います。よろしければ参考にして下さい。
出会いの街[ヘアルツ]に到着して2日目、俺はLV12になりVITを12としたが、しばらくは夜間、深夜の自主訓練(苦行)をしようと考え、”プレイヤーショップ巡り”に繰り出すが、南口2前の広場付近にやって来たところで、[夢の洞窟]探索の募集を見つけてしまい参加を決定する。
その後フィールドモンスターを避けつつ、南口2方面の西(←)の岩山にある[夢の洞窟]入り口前に到着し、準備を済ませた俺達3人は、ついに[夢の洞窟]内へと突入したのだった。
岩山 ━━━┻━━━南門2━━━╋━━━南門1━━━┛
※大体こんな↑イメージです、[夢の洞窟]は岩山の麓の”ほぼ中間地点”の南側”辺りです。
「………」さてダンジョン、洞窟と聞くと、イメージするのは炭鉱とかの”廃坑”みたいな(略 。えぇ、もう思いっきり”テーマパーク”ですよ?、ダンジョンの構造自体は!ですけどねっ(逆ギレ)。
はじまりの街[スパデズ]のダンジョン[山の洞窟]が、そのまんま”廃坑”の様な作りだったのに対し、こちらの[夢の洞窟]は、より洞窟っぽい・・・”アリの巣”みたいな感じをイメージしていただければ良いだろう。
少し”狭い通路”と”少々広めの小部屋”というか、”風船のようにふくらんだ場所?”の組み合わせで構成されていて、[山の洞窟]の時の様に”扉”などがあったりはしない。そしてこの[夢の洞窟]は2層などが無いのだが、その代わり”かなり広め”のダンジョン、が生成される様になっている。
しかし”広い”とは言え”1層のみ”であり、[山の洞窟]で俺達を色々と悩ませてくれた”扉”も無い、またこういう自然系で、”人工っぽく無い”ダンジョンは”罠も少なめ”であるため、ダンジョンとしての難易度は”かなり低い”という訳である。
「うわっ、臭っせぇなぁ、中はいっそう酷ぇな」
ヒイラギが不快そうに声を上げる。
「えぇ、油断すると吐きそうです」
俺も同意する、禿同(激しく同意)だ。生卵が腐った様な、真夏の真ミドリの”ため池”が放つ腐臭の様な、腐乱死体でも近くにあるのでは?と思う様な・・・強烈な臭いだ。ケイも不機嫌そうに周囲を睨み付けていた。
そして・・・「ガササササ・・・・」「バサササ・・・」「キチキチキチ・・・」「ブーン」、[夢の洞窟]に侵入した俺達を歓迎する様に、黒や灰色や茶色のウェーブが起こり、俺達の周囲10mほどだけポッカリと空間が出来る。「いやいや席を譲っていただいて恐縮です」とか言ってる場合では無い。うあぁ・・・帰りたい。
「………」この[夢の洞窟]の外にもいた3種の”非アクティブモンスター”達は、プレイヤーが10mほどに近寄ると、”アクティブモンスター”が”戦闘状態”に切り替えるかの様に、俺達に気付いたモンスターから逃走をはじめる。
つまり”ゆっくり歩いて”移動すれば、どんどん逃走して道を譲ってもらえる、というわけである。まぁそれが、”バルーンラビット”や”シマブタ”などの様に、愛嬌があるモンスターなら何の問題も無いのだ。
何故だろう、奴らは「ただ逃げていくだけ」であるというのに、とてつもなく不快なのである。「プ~ン」「クチクチ・・・」「ガサササ・・・・」「バサーッ・・・」「キチキチチ・・・」「ブーン」「カサカサ・・・・」、俺達が進むのに合わせ、テカテカぬらぬらの黒や灰色や茶色のウェーブが起こり、通路が姿をあらわす。
そして俺達が通りすぎた所には、また黒や灰色や茶色の集団が、ウジャウジャと戻ってきて埋め尽くしていく。あがががが・・・・SAN値が、俺のSAN値がピンチに・・・・(※TJOにSAN値や正気度といった概念はありません)
「お~い、マサヨシ~、大丈夫か~?」
ヒイラギが心配して声をかけてくれた様だ。どうやら強烈な”臭い”以外は、特に気になっていない様子だ。うわ、ひぃらぎつよぃ。
「だ、大丈夫です」
「大丈夫そうに見えないぞ?」
うむぅ~、ミケネコさんの様な事を言われてしまった。
「すぐ・・・慣れます(慣れてくれーという願望)」
「そうか~、それならいいが、ともかく前を見てみろ」
ヒイラギに言われて前方を見ると、入り口から入ってすぐの、うぞうぞと蠢く虫達で出来たこの大部屋?は、直進と右に曲がる通路に分かれていた。うぎぎぎ。
「とりあえず、よくある”右手を付いて進む”~ってので行こうと思うが、それでいいか?」
確かによくある迷路攻略法である。実際に”この気持ち悪い壁”に手をついて進む訳では無く、右側の壁に沿って進んで行くという事だ。ここは”1フロアのみ”であるし、TJOにはワープして進む通路などは無いので有効だろう。(ただしワープ、テレポートさせられる”罠”は存在する)
「そ、そう・・・ですね、良いと思いまス」
「よ~しっ、それじゃケイ、そっちの右の通路へ進もう」
「あぁ、わかった」
ケイも不機嫌そうではあるが、やはり”臭い”以外は それほど気になっていない様だ。「うわっ・・・私のSAN、低すぎ!?」(※TJOにSANという概念はありません)
「………」さて通常のダンジョンだと、人気があり多くのパーティが訪れる場合、やはり”多くのモンスターが討伐される”ため、モンスターが”まばら”にしかいないという事がある。
またダンジョンは「毎月28日のPM11:59に、全てのプレイヤーがダンジョン内から強制退去させられ、その直後の毎月1日のAM00:00に、全てのダンジョンのMAPが新しくなる。」わけであるが、その新しくなった直後は、若干少なめである。
逆に人気が無いと内部のモンスターが、”あまり討伐されない”ため、そのダンジョン、階層で”設定されたMAX生息数”近くが、うろついていたりする。その代わりモンスター同様、宝箱も大量にPOP(出現)している事が期待できるわけだ。
しかし残念ながら、この[夢の洞窟]は、もちろん”人気が無い”のであるが、モンスターのPOP(出現)率が異常に高いため、常時”MAX生息数”近くがうろついているのである。
そのため『MAX生息数近くモンスターが居るのに、宝箱が大量とは限らない』という悲しい事になっている。入ったからには実際に”ダンジョン中を探索してみるしか無い”というわけだ。
さらに”ぱっと見”では、ウジャウジャ、ワサワサと群がる虫に埋もれて”宝箱”が見えない事が多い。10m範囲まで近寄って行っては、虫達に退散を願って、部屋の隅々を調べて回る必要があるのだ。ヤマコウぶん殴りたい。俺の”右手の封印”を解かざるを得ない。
「ケイ、マサヨシ、G竈がいるぞ」
”現実逃避”気味に長考していた俺を、ヒイラギが現実に引き戻す。指差す先を見ると、”G竈”LV16の姿が見えた。フィールドに”あふれていた”3種と違い、こいつはダンジョン内にしか出ない。しかし同じく”非アクティブモンスター”である。
外見は、立派な後ろ足をもった・・・まぁバッタの一種ですよ?、”なんとかコオロギ”でしたっけ?、何か”茶色と黒の まだら”模様の、あまり見たくないタイプの・・・バッタ・・・バッタ、アハハハ・・・。50cmほどの大きさだが、足を伸ばすと1m以上あるのでは無いだろうか、もうどうでもいいよ。
「LV16か、狩ろう」
ケイが振り返って、そう提案してきた。
「そうだな、コイツでさっさと調整を済ませちまえ」
ヒイラギも同意する、まぁ、2人がそう言うのであれば、俺にも異存は無い。あるけど無い。ないアルよ。
「か、回復は、任せて下さイ」
「あぁ、すまんが頼む」
ケイはそう言うと、背中の”鉄の大剣”は”そのまま”で、”戦闘状態”に切り替え、”G竈”に向かって走りだした。戦闘BGMが流れはじめる。
「一応、調べとくかな・・・探知:罠[トラップディテクション]」
ヒイラギは”斥候”である。”みならい”が外れるだけの”正ルート”での”昇格”であるので、俺と同様スキルなどに変動は無い。つまり”みならい斥候”だったシノブさんと”スキルだけ”なら同じという事だ。
「おしっ、大丈夫だ、半径15m範囲に罠は無いぞっ」
「わかった」
「了解です」
走りながら、そう答えたケイは、そのまま”G竈”LV16に近付いて、後部(尻?)を”青銅のブーツ”で蹴り上げた。なんとも雑な初撃(FA)だ。
「ギチギチチチ・・・」
歯軋り?にも似た音を出して、”G竈”の憎しみ(ヘイト)が、FAを取ったケイに集中する。俺とヒイラギは”G竈”を3角形の中心にして、囲む様に位置取る。こうする事で、3人の10m範囲に他の虫が居なくなり、他の大量のモンスターへの誤爆を防ぐのだ。
ケイは蹴り上げてFAを取った後も、特に何もせず突っ立っている。そんなケイに対し、G竈は”後ろ足”の”キック”による攻撃を繰り出してきた。
ガンッ、と鈍い音を立てて、ケイの腹部”鉄の鎧”にヒットした。15%?ほどのダメージだ。”キック”なので、当然?打撃、衝撃系である。いくらか防御力を無効化(貫通)してダメージが入っただろう。
「・・・治癒魔法[ヒーリング]」
すぐにケイのダメージを回復する。1回で全快した。
「ふん、大した攻撃力じゃ無いな」
そう言いながらケイは”鋼の兜”を外し、インベントリに戻し、代わりに取り出した”青銅の鉢金”を装備した。さらに”青銅のブーツ”も外して収納してしまう。
そこへG竈がもう一度、後ろ足のキックによる攻撃を繰り出してくる。
ズガッ、と鈍い音を立て、またもケイの腹部”鉄の鎧”にヒットした。28%?ほどのダメージだ。
「・・・治癒魔法[ヒーリング]」
同じ様に すぐにケイのダメージを回復する。これも1回で全快した。
「あ~惜しいな」
「ちっ、足りなかったか」
ケイはそう文句を言いながら、”レザーグローブ”も外してインベントリに収納した。少しして再びG竈が、後ろ足のキックによる攻撃を繰り出してくる。
ドガッ、と鈍い音を立て、今度もケイの腹部の”鉄の鎧”にヒットした。32%?ほどのダメージだ。
「・・・治癒魔法[ヒーリング]」
すぐにケイのダメージを回復する。これも1回で全快する。
「よし、OKだ」
そう言いながらケイは背中の”鉄の大剣”を右手で掴むと、そのまま”スッ”と抜いて、真っ直ぐ天に向かってつき上げ・・・
「おらっ」
そんな気の抜けた声を出しながら、無造作にその”鉄の大剣”を”G竈”目がけて振り下ろした。その瞬間、
ドガガガーーーーンッ、と何かが爆発したかの様な、爆音と衝撃音が響き渡り、G竈は真っ二つ、文字通り”一刀両断”されて、霞んで消えてなくなった。後には、”624G”と”竈汁”が落ちていた。
LV:12(非公開)
職業:みならい僧侶(偽装公開)(僧侶)
サポートペット:ミケネコ/三毛猫型(雌)
所持金:4,961G
武器:なし
防具:布の服
所持品:10/50 初心者用道具セット(小)、干し肉×21、バリ好きー(お得用)90%、樽(中)90%、コップ(木)、サクランボ×1、鋼のナイフ、鉄の斧、青銅のブーツ、賞金首の首輪[†カムイ†]懸賞金:94,000G、鬼王丸×2
探知:罠[トラップディテクション] 半径15m範囲の罠の存在、形状、名称を探知し、罠LVを半減させる(小数点以下切捨て)
「ね~、ご主人さま~だいじょうぶ~?」
「あ、あぁ・・・ダイ、大丈夫だ、問題ナイ」
「だいじょうぶそうにみえないよ~?」
「なにぃ?・・・1+1= 田、11+11= 両・・・大丈夫、俺は”正気”だ」
「だから、だいじょうぶそうに見えないんだよ~」
「ハハハ・・・何を馬鹿な、冗談キツいですよ?、イン?、なんとか??、サン?」
「ご主人さまが~・・・」




