47話 仲間はずれは誰だ。
「そんで、ユキって獣人族のお姫様だったわけだ」
「現在の部族長で代表の娘というだけよ。代表が別の部族になればただの族長の娘だし、父が族長継承戦で負ければ、ただの村人になるわ。人族とは違うの」
実力主義なわけか。ユキも十分族長を狙えると思うが、男でないとダメなのかな。
しかし、そうするとだ。
「それじゃあ、アイリスとエレメアもどっかのお姫様だったりするわけ?」
さあ、聞いたぞ? これでもう後になってから、聞かれなかったから言わなかった、なんて言い訳は通用しないぞ。
だいたい、この後も各地でトラブルの原因になるんじゃ、たまったものじゃないからな。
「わたしは、その、サウザンド王国の第6王女ですが、兄も姉も大勢いるので、気にしないでください」
通過済みだったか。
「わたくしはエルフ族の守長の娘になりますわ。族長の娘ではありませんから、姫ではないですわね」
変わんねえよ。やっぱりそうかよ。
なんか、もう、事故が起きる前に帰った方が良いんじゃないかと思えてきた。まあ、シンディが乗ってる時点で今さらか。




