27話 王都へ行こう。
そんなわけで、王都まで行かなくてはならなくなった。
西の街道をまっすぐに、馬車で3日。騎馬で駆ければ、途中で馬を代えて、なんとか夕刻には着けるらしい。
そうすると、100kmくらい?。
で、俺はどうやって移動しようか、という話だが。
プラン1。馬車での移動にしてもらう。
先行隊に追い付けないので面倒になるらしい。
プラン2。シンディとタンデム。
速度が落ちると二日必要になる。先行隊には王都内で合流できるが、途中で野宿の準備が必要になるので嫌、とのこと。
全部そっちのワガママじゃねえか。
プラン3。アイリスとタンデム。
落馬の危険あり。
プラン4。ユキとタンデム。
刺される危険あり。
プラン5。エレメアとタンデム。
焼かれる危険あり。
でもって、プラン6。明日までに俺が乗馬を習得する。
無理に決まってるだろ。
と、なるわけだ。
でもって俺は今、我が研究所へとやってきた。
世間ではゴミ捨て場と呼ばれているらしいが。
とにかく、明日までには何とかする、と言い残して。
準備をするのはタイヤ。馬車と同じ感じでいいだろう。材質は石で、強度アップすれば何とかなるだろう。壊れたら直せばいい。
鉄材で板バネを作ってクッションにして、座席を設置。石なので固い。荷物袋でも下に敷くか。
極小サイズの車というか、大きめのカートというか、でっかいミニ四駆というか、そんな感じ。
で、ここにエンジンを載せる。
スターリングエンジンというやつだ。ピストンの中はただの空気だが、暖めると膨張し、冷めると縮小する。その動きが動力になる。
熱源にするのはアースクリエイトしたマグマ。タングステンの容器に入れて、常に温度を維持できるようにクリエイトし続ける。
何となれば、蒸気機関という選択肢もあったけれど、あれは内部に水をいれないといけないからな。収納するには一度全体を石化させなければいけなくなる。それでは人前で使えない。
タイヤの角度を変えるハンドル、動力の接続切断ができるクラッチ、負荷に合わせて回転数を切り替えられるレバー式のギア。車輪を止めるブレーキ。
乗馬経験はなくとも、車の免許なら持っていたんだよ。
ヘッドライトや方向指示機は流石に付かないが、要らないだろ。




