表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正しい土魔法の使い方 ~理系おじさんの異世界生活~  作者: 麻鬼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/87

2話 選んだ先は。

「不老不死でお願いします」


それが俺の選択だ。輪廻転生で生まれ変わりなんていらない。俺は生きたいんだから。前世の記憶とかより、自分がそのままで居続けられるほうが良いに決まっている。


「無理です」


なのに、あっさり否定するとか?


「ちょっと? さっきと言ってること違わない?」


「不老か不死かどちらかになりますね」


む、ここでも選べと?


「先程も言いましたが、あなたの国の神様の加護を与えると言っているわけですから、あなたはその神の使徒として異世界に赴くことになります。なので神様の名前をおっしゃっていただければ、その神様の加護が得られ、結果としてそれがあなたを守る力になるわけです。力の弱い神であればともかく、不死が可能になる神というと……」


日本神話で不死の神っていたっけ? いや、神様はみんな不死なのかもしれないけど。


「伊邪那美でしょうかね?」


わー、そりゃ大御所だぁ。


「しかし、黄泉の主の使徒となるわけですから、・・・」


「はいはい、それくらいは知ってます。見た目が腐っちゃうんですよね、わかります」


アンデッドじゃん、モンスターじゃん。


「なので、不老の方を選ばれることになるのかと思いますが」


「はい、もうそれでいいです。でも不老ってだけでは身の危険がありそうなんですけど、なんとかなりませんか?」


「神の加護ですから、不老はあくまで加護の一面でしかありません。身を守る程度であれば問題ないかと」


まあ、別に世界最強とかになりたいわけではないし、のんびりできれば、それでいいかなあ。


「で、なんて神様なんです? それ」


「石長比売になります。永遠の命と、岩に関する加護が得られることでしょう」


岩。つまり、土魔法っぽい何かってことか。

あんまり聞いたことのない神様だけど。


「そうですね。あとは向こうに行ってみなければ判りません。石長比売であれば性格は良い方ですから、それなりの加護をくれることでしょう。それによって与えられた力が神通力となります」


なんか引っ掛かる言い方だな。性格はって、性格以外は何か悪いのか?


「選択は以上でよろしかったでしょうか?」


む、ここが最後の回答か?

いやまあ、選び直すとしたらどうするか? 不老よりも良い選択肢っていっても思い浮かばないかなぁ。

このまま三日くらい悩ませてもらえば、なんか思い付くかも?


「……」


「はい、大丈夫です! 以上でお願いします!」


危ない、今一瞬命の危険を感じた。

背骨がまるごと凍りつくかのような予感。

これが、絶対強者から向けられる殺意なのか。それとも、避けられない死を恐怖したというのか。


やはり、死なないのが絶対だ。この選択に間違いはない。


「はい、ではこれで確定いたします。後のことはこちらで行いますので」

そう言うと、それまで薄かった光が徐々に強くなって行く。

そして、光に包まれて何も見えなくなった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
サクヤヒメの姉だっけな? 婚姻の時にチェンジされたんね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ