表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境伯な女領主は恋を知らない  作者: ゆりあ
煌びやかな世界で
25/27

もう、陛下ったら

「ふたりとも

目立っているぞ?」


「そうそう、喧嘩ならさー

別の場所でやってくれないかなー?」


「そうですよ、リュディ姉様、メリッサ!

かなり目立っていますよ?」


「………あらあら、貴方たちが集まってくると、さらに、目立つのではなくて………?」


「お兄様たちの方が目立ちますわ…!」


お兄様のアルフレッド王太子殿下に

ガイラール第二王子、セルムート第三王子だ。

それぞれ、妻や婚約者と一緒に来ている。


つまり、この場には、フォセット王国の王家の5人兄妹が、全員、揃った。


全員が見目麗しい金髪碧眼の美男美女の王家の兄妹達は、非常に、目立ちすぎている。


会場の皆様からの視線が、ものすごく痛い。


「そうか………?」


「そうー? そうかなー?

僕らは、目立ってないよー?」


「いや、アルフ兄上も、ガイラ兄上も…

いつも、いつも、目立っていますよ…?」


「ああ、お兄様とガイラールは目立つのに慣れてしまっているから、自覚が無いのね。」


「そうですよ、お兄様ったら、私とライアン様の婚約発表なのに、私達より目立ってますわ!」


「その発表に関しては、君たちが目立つように、最後の最後で、発表されるから目立つよ。」


「えっ?ライアンがー、目立つのが苦手だから、最後ってことなんじゃないのー?」


「ガイラ兄上!それが、真実だとしても!

それは、言ってはいけませんよ!」


「セルムート……… あなたのその注意も

何か、ズレていると思うわよ………?」


「お兄様たちったら…!」


「お前たちは、

相変わらず、賑やかだな。」


「えええ? そうかなぁ?

兄上が、真面目すぎるんじゃない?」


「ガイラ兄上は、せめて、夜会だけでも………

夜会だけでも、落ち着いてください………」


「セルムート、あなた、苦労しているのね…。」


「ガイラールお兄様ったら、セルムートが困ってしまったじゃない!落ち着いて下さる?」


「えええー? メリッサの方が落ち着いたら?」


「………なんですって?」


「ガイラール、カールメリッサ

君達は、本当に、落ち着きなさい。」


「あれれ〜? ごめんなさい〜?」


「も、申し訳ありません………」


もはや、この5人兄妹、集まったら集まったでよく分からないことになるのでは?


この5人が、こうして集まっているのは、実に5年振りだから、お兄様と弟達のテンションがご機嫌なのは、仕方がないのかしら?


自由人すぎるはずの弟ガイラールでさえ、面倒くさそうにしながら、会話に入っていますし。


この5人兄妹のそれぞれの夫や妻、婚約者達、養子のマーリックは、どうしたら良いのだろうと、静かに、見守っておりました。





「はっはっはっ!!!」


「もう、陛下ったら、笑いすぎですわよ?」


「いやはや、久しぶりに、子ども達が、5人とも揃うのを見て、嬉しくなってだな!!」


「父上………」  


「父さん………」


「父様………」 


「お父様………」


「お父様………!」


「国王陛下………!」


「王妃様………!」


そう、このド派手な登場をされたお二人こそ、カンドルノ国王陛下&リューメリサ王妃。


わたくし達、5人兄妹のお父様、お母様だ。


「はっはっはっ! 

良い良い! 実に良い!

わたしは、嬉しく思うぞ、子ども達よ!」


「もう!陛下ったら、興奮しすぎですわ!」


「あー、父上、弟妹達が引いていますよ?

もう少し、もう少し! 目立たないように!

大人しく登場してくださいませんか!?」


「ふむ? 良いではないか、アルフレッド!

可愛い子ども達が揃ったのだぞ!」


「父上………」


「陛下………」


こうなると………


お母様も、アルフレッドお兄様も、こうなったお父様を止めることは出来ません。


お母様も、お兄様も、弟妹達も、呆れたようにお父様を眺めております。


王家では、よくある光景ですけれど、慣れてはいない周りの人々は、困惑しております。






「お父様」


「おお! 久しいな!

我が娘、リュディヴィーヌよ!」


「はい、お久しぶりでございます。」


「そなたは、婿殿やマーリックと、うまくやっているようだなぁ!良かった!良かった!」


「はい、ありがとうございます、お父様」


「そちらが、わたしの

義息子となる婿殿かな?」


「ええ、わたくしのお婿様、ゴーリュンです。

辺境伯領立騎士団の、次期騎士団長です。」


「お初にお目にかかります、国王陛下!

ジェルヴェール辺境伯閣下となられたリュディヴィーヌ様の婿で、サムセイト子爵家の三男にあたります、ゴーリュンと申します!」


「うむうむ、我が義息子となるゴーリュンよ

我が娘、リュディヴィーヌを宜しく頼むぞ?」


「はい! 承知いたしました、国王陛下!

ありがとうございます!」


「我が義孫

マーリックよ」


「はい、カンドルノ国王陛下!

お久しぶりでございます!」


「うむうむ、其方も、我が娘リュディヴィーヌを養母として、宜しく頼むぞ!」


「はい! 承知いたしました、国王陛下!

ありがとうございます!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ