91.第五回クラン会議を始めます!(カイリさん)
休憩が終わった。
まさかナギちゃんよりも先に、俺が休憩に行きたくなるとは何たる不覚! でもトイレに行きたくなっちゃったんだもんしょうがない。最近なんだかトイレが近いような気がするのは年のせいなのか?
いや、俺は不老なのだ最近の出来事なら老化現象ではない。だって老いないのだから!
「カイリさん、お待たせしました。ちょっとトイレを我慢していたもので申し訳ない」
一応謝っておこう、最初に休憩しながらと言っておいたから悪いことはしていないが、盛り上がっていたところに水を差してしまったのだ。謝っておいた方がいいだろう。
「大丈夫だ、みんなの話を聞いて俺も考えた。俺は強くもなりたいが、それ以上にうまいものを作りたい。最近は次々とうまいものが出来て充実しているんだ。それはマスターのおかげだと思っている。 そして昨日、食い物で強くなれたり綺麗になれたりするという話を聞いた。俺はこれからそこに力を入れたい。うまいものを食って強くなれたり、女性なら綺麗になれたりか? そんな料理を作りたい」
それはいいことだ、毎日揚げ物やステーキばかり食べているから俺のお腹がへっこまないのではないのかと最近思ってきたところだ。
「ふふ、マスターが料理に詳しくてびっくりしたの。私も旦那に協力するわ。私を綺麗にしてね」
ナミさんの発言がカイリさんのプレッシャーにならなければいいが……というか、最初の笑いはなんだ? 綺麗になれる食べ物を知っているはずなのに、そのお腹はどういうことだって言うことか? 俺を見ないでクランクさんを見ると良い、彼はあんなにたくましくなったじゃないか!
「私も協力する、二人とも綺麗になれたら料理の効果だってわかるでしょ?」
「あぁー! ずるい、私も入れて!」
エメさんも協力を申し出て、それにトレーラさんも続いた。スピナさんはうつむきながら無言で手を挙げている、きっと仲間に入りたいのだろう。別にみんな同じような料理を食べるのだ、仲間に入れる入れないの話ではないだろう。
「俺もおいしいものが食べたいです。協力するので頑張りましょう。ベイツを食の都にしちゃいましょう!」
「食の都か! それはいいな! それによ、スピナさんがやろうとしていることは、食い物を満足に食べれなくて痩せた人とかを集めて、働ける人材に育てようってことだろ? 弱った人が食べれる料理も考えないといけないな。回復したら筋肉がつく料理が必要だろ? やりがいがあるな!」
「皆さんのやりたいことがクラン全体のひとつの事業になりそうですね。すごくいいことだと思います。じゃあ、私からもお願いしますね。これからクラン全体でやることを、このメンバーだけで終わらせてはいけません。後進を育て、これから先ずっと続けていける組織を作らなければいけません。みなさんはこれから始まるグランディールの事業の先駆けです。大変なこともあると思いますが私もできる限りバックアップします、困った時は遠慮なく相談してください。スピナさんには以前お話ししましたが、組織を潤滑にするには、報告・連絡・相談は必須です。略してホウレンソウっていうんですけど、忘れずに行ってください。やっていれば勝手に身体が行動を起こすようになります。覚えておいてくださいね」
無駄に長い俺の総括を終え、今回のクラン会議は閉会した。
これから忙しくなりそうだ、いろいろ準備しないとなー。その前に釣りをしよう。魚は身体にいいからな! カイリさんの目標のために頑張らなければいけない。




