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90.第五回クラン会議を始めます!(スピナさん)

「あの、私の話も聞いてもらえますか?」


 スピナさんが手を挙げている。

 スピナさんは初めてのパーティーメンバーだぞ、聞かないわけないじゃないか!


「スピナさんもやりたいことがありますか?」


「マスターは私の目標覚えてますか?」


 モチのロンですよ! 全員分バッチシ把握の助だ!


「聖属性魔法を使えるようになるんですよね」


「そうです、聖属性の魔法はまだですが、聖属性のスキルと同等なことはできるようになりました」


 スキルと魔法は別物なのか? てっきり目標達成したと思っていたけど……トラがなにか教えたのかな?


「でも、スキルで強くなってもなんか違うなって思ったんです。強くなって魔物も倒せるし、自分も守れるようになって、クランの皆も守れるかもしれない。そうなったけど、なんか違うんです。それは私が思っている聖女ではないなって……」


 たしかに聖女のイメージではないな。スピナさんの場合、拳で戦うから、そのうち金色の鎧とか着てしまって聖女っぽさがなくなるかもしれない。


「スピナさんにとって理想の聖女と言うのはどんな人ですか?」


「本来聖女はミノタウロスに対する兵器として育てられます。なので攻撃性の高い聖女は、聖女としての理想でもあります。教会は治療費やお布施で運営していますが、それは聖女を育成するための資金集めです。でも、私は困っている人を助けたり、弱い人を守りたい。お金を得るために治療するのではなく、困っているから治療したい、痛い苦痛を取り除くために治療したい。私はこまっている人に手をかしてあげたい」


 聖女の役割と言うより自分がこうしたいって感じかな? 奇遇だね、俺の聖女像もそっちだ。治療はミドリ草があればできるし、軽傷から重症れべるならクランクさんのポーションでも問題ないだろう。


「シャッドさんはすごいです。芋汁を普及させて、少しでも飢えに苦しんでいる人を減らそうと考えています。私も会議が始まってから、何とか困っている人を救えないか考えました。もしよかったらですが……教会のような組織を起こしてもいいですか?」


 教会のようなことを、教会でない組織でやりたいってことだよね?


「教会と対立するのも良くなさそうですし、教会って名乗らなければいいんじゃないですか? どんな組織にするんですか?」


「困っている人を助ける組織です」


 んー、結構ざっくりしてるぞ。いいんだけど……


「そうですね、シャッドさんが各地から困っている人材を集めてくれるそうです。まずは孤児院というか、困っている人が働けるようになるまで支援する組織をやってみたらどうですか?」


「はい! がんばります!」


 あ、なんかすんなり意見が通ってしまった。シャッドさんが人材を連れてくるのは決まっていたし、やらなきゃいけない事だったからいいんだけど、スピナさんにお任せしちゃってもいいのかな? 魔力循環をみんなに教えた実績もあるから、教育や訓練指導は向いていそうな気はするけど。


「僕はスピナさんがやる組織を守ります! もちろんスピナさんだけではない、スピナさんが助けようとしているすべての人を守る剣になる!」


 ブレードさんがやる気を出している。というか、聖騎士は聖女を護る騎士なんじゃなかったのか? それでは聖女が守りたい人を守る騎士になってるぞ。

 あ、俺が聖女以外の人も守れって言ったからか……黙っておこう。


「俺もがんばる。ブレードさんが剣なら俺は盾だな」


「じゃあ私は杖!」


 グスカートさんとトレーラさんもノリノリだ。立場が弱い人たちが集まるのだ、当然もめごとも出てくるだろう。すべて力で解決できるとは思っていないけど、戦力はあって損はないだろう。なんかいろいろやることが出てきたけど、タケダを釣る時間は俺にできるのか? 心配になってきたぞ!


「俺からもちょっといいか?」


 カイリさんが手を挙げた。


「ちょっと休憩で!」


 そういって俺はトイレに向かった。

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