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88.第五回クラン会議を始めます!(シャッドさん)

「第五回クラン会議を始めます。皆さん拍手ー!」


 パチパチパチと賑やかだ、1回目のパーティー会議と比べると雲泥の差だな。俺のクランも大きくなったものだ。ちなみにクランの食堂にはメンバー全員が集まっている。

 今回はクラン活動事業についてを話し合うことになる、みんなに来てもらったのだ。


「今回は大きな議題です。ちょっと長くなると思うので休憩を挟みながらいきましょうか」


 皆がうなずくのを見てから俺は議題を切り出した。


「まずはシャッドさんですね、シャッドさんが新しい活動を始めたいそうなので皆さんに聞いてもらいたいです。シャッドさん、自分で説明できますか?」


 俺はシャッドさんに説明できるか確認した。シャッドさんはまだ成人したての若者だ。成人と言っても、この世界では15歳、前の世界では高校生だろ? ムキムキマッチョマンが数名いるところで話すのは厳しいかもしれない。その時は俺が変わりに説明しよう。


「は、はい。皆さんにも食べてもらった芋汁のことです。僕が考えていた以上の味にマスターのおかげでできました。僕はそれを世界中に広めたいです。そ、その、できればギルドの芋汁ではなく、グランディールの芋汁として提供したいです」


 緊張しながらも、シャッドさんは自分がしたいことを言った。シャッドさんは度胸もあるのかもしれないな!


「それで、どのようにして世界中に広めて行くか考えましたか?」


 必殺オウム返しだ!


「まず、人手が足りません。食材確保や料理人、販売員を含め確保しなければいけないと考えています。ミソも肉もギルドと同じ価格にするにはクランメンバーの協力が必要になります。儲けも少なくなると思うのですが大丈夫でしょうか?」


「儲けが少ないということは、黒字にできる計画ですか?」


 必殺オウムオウム返しだ!! いや、オウム返しでいいのか……


「クランの芋汁として売り出したいと考えていたのですが、ギルドの力を借りないと世界中に広めることは多分難しいです。そこで、ギルドにコンブ汁を安く提供し、今の芋汁に使ってもらうように交渉しようと考えています。そして、大きな町ではブルーブルの肉とクランのミソを使用して、本当の芋汁をギルドよりも高値で販売する店を開けたら良いと考えています」


「それは良いことだ、至急各ギルドマスターに通達しよう」


 なんでベティさんがしれっといるの?


「なんでベティさんが居るんですか? ギルドマスターって暇なの?」


 そういえばベイツの街には冒険者はうちのクランメンバーだけだったな。そりゃあ暇だ、だってその冒険者全員がここに集合しているんだもん!


「暇ではない、ただ私はギルドマスターとしてベイツのクランを守る責任がある。どんな活動をするのか把握しておくのも悪くないだろう? それとも、こそこそ嗅ぎまわったほうがいいか? 諜報は得意だぞ?」


 王様に依頼されてるのって内緒ごとなのかな? ちなみに釣法なら俺も得意だぞ? ギルドマスターの力も借りれるなら話が早いからいいか。


「いえ、別に隠すことでもないのでいいんですけど、魔力循環は教えませんからね?」


「それはいい、それが漏れて悪用するやつが出てきても困る。ちゃんと管理しておいてくれ」


 そこなんだよな、人材を増やすのはいいけど人を選ばないと大変なことになりそうだ。


「ギルドのことはなんとかなりそうですね。ただ、コンブ汁の名前で流通させると原材料がわかるかもしれません、名前を変えましょう。『うまい汁』なんてどうですか?」


 米沢には『うまいたれ』という醤油がある。あれはものすごくうまい。煮物でも芋煮でもなんにでもあうし、あれを開発した人は天才だと思う。


「ハハ! あれだけ飲んでも全然うまくないぞ」


 カイリさんが笑っている。まぁ、あれだけ飲んでもおいしいものではないからなぁ。でも、そのおかげで芋汁以外に使おうと思わないと思うし、いいんじゃないかな?


「コンブがバレるとクランで確保できなくなる可能性がありますね。値段が釣りあがってしまうと大変ですし、マスターの意見に賛成です」


 シャッドさんも賛成してくれた。


「あとは人材と材料ですか? シャッドさん、人材はどうやって集める予定ですか?」


 シャッドさんが考えているならそれを参考にするし、考えてないなら何か考えなければいけない。


「まず、うまい汁は僕が各地へ配達しようと思っています。魔力循環のおかげで馬車よりも早く移動できます。そして、各地で芋汁に興味がある人や、仕事で困っている人などを勧誘してこようかと考えています」


 考えているというのは、その人がしたいことだ。いうなれば会話の中に出てきた意見、そこを拾って上司は計画を練らなければならない。


「人材は誰でもいいってことにはできないので、必ず俺が面接しますね。『働かざる者食うべからず』です! シャッドさんの方でも人選をお願いしますね、最終判断を俺がするだけです。あ、あとA級になればみんな光れるそうなんで魔力循環で光るのは見られてもいいでしょう。習得方法は秘密で!」


 最終面接は俺がしたほうがいいだろう、万が一雇った人が悪事を働いた場合は、決定した俺の責任にできる。若い子に責任を押し付けるわけにはいかない……こんな大事業を成人したての子に任せている時点で矛盾しているが……


「わかりました」


 ひとまずシャッドさんの話はここら辺だろうか? あとは皆の意見かな?


「皆さんからは何か意見はありますか?」


「マスター、俺が話してもいいか?」

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