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81.一番役に立ってなかったの俺だったりする?

 俺は今、ギルドマスターの部屋なのか応接室なのかよくわからないところに居る。


「それで、どの辺の話をするんですか?」


 さっきから、ポッパーさんとギルドマスターさんが『そこら辺、そこら辺』言っていた。一体どこら辺の話なのかさっぱり分からない。


「まずはダンジョン攻略についてた。ボス部屋を攻略したと聞いたが本当か?」


 あそこはボス部屋なのか? 扉はあったけど、スピナさんとトラしか入れてないけど……


「俺は中に入れていないのでボス部屋かどうかわかりません。ここにいるスピナさんが単独撃破したので全員で無事帰ってきました」


「単独だと……それは本当か?」


 ギルドマスターさんがガバっとスピナさんを見た。スピナさんもビクッとなっている。ちょっと圧が強いね……


「はい、扉の奥に入れたというか、扉に触れたら違う扉に転送されたようです。その扉奥にある魔物を倒したら、ダンジョン1層目に戻ってきていました」


「なるほど、中に入るにはなにか条件があるのか……それで、ボスはなんだった?」


「ミノタウロスです?」


「それで、ボスはなんだったんだ?」


「……ミノタウロスです」


「「……」」


 沈黙が流れた……お互い現実を受け止めたくないのだろうか? いや、ギルドマスターさんが受け止められないのか?


「……ドロップ品はあるか?」


 質問を変えたらしい。


「倒した後気を失ったのでドロップ品はわかりませんが、今着ているこの白いローブの生地が私に掛けられていました。今はマスターに加工してもらいローブになっています」


「ふむ……布か……わかった。もしまたボスに挑戦することがあったら、ドロップ品を教えてくれ」


 布にはあまり興味を持ってもらえなかったらしい。俺的にはかなりの上出来なローブになってると思うんだけどな。


「ギルドマスターさん、ダンジョンボスの話聞きたかったんですか?」


「ベティだ!」


「いや、ギルドマスターさんですよね?」


「ベティと呼べ」


「じゃあ、ベティさんで。うちのクランの決まりで成人には『さん』付けが決まっているんですよ。逆に言うと、うちのクランメンバーが『さん』付けをしてない人は、成人にも満たない幼稚な人間だとして扱っていることになりますね」


「だからさっきからポッパーが私に『さん』付けしているのか! なにか悪い物でも食ったのかと思ってたわ!」


「ベティさんはポッパーさんにも認められている、立派な方なんですね。安心しました」


「ポッパー、ありがとう!」


 なんだかベティさんが嬉しそうにしている。それとも褒められ慣れていない人なんだろうか?


「ルイーダさんにもこのことは説明してるんですけど、報告が上がってきてないんですか?」


「ルイーダからは報告は上がっていた。しかし、冒険者と言うのは気性が荒いのが多い、舐められない様にと乱暴な言葉を使うものが多いのだ。それに、ギルドとしても舐められないように言葉遣いを多少乱暴にするようアドバイスすることもある」


 冒険者ギルドも冒険者同士のトラブル回避の為にいろいろやってるのね。俺が今までこの話し方で何も言われなかったのは、ベイツに冒険者が居なかったからなんだろうなぁ。


「別になめられても俺は構わないんですけどねぇ」


「いや、アタルが構わなくても、絡んだ冒険者が可哀そうなことになるんじゃないのか?」


 いやいやいや、俺は平和主義ですよ? 暴力で解決なんてしません。

 あ、こういう時は笑顔だ! にやっとしておけば、相手は勝手に勘違いしてくれるだろう。


「……それでは今回の本題だ。ブルーブルのドロップ品と、レイスのドロップ品、どちらもB級相当になる。ミノタウロスはS級なのだが、確認ができない以上判断できない。そしてグランディールにはB級の冒険者が所属していない。というか、魔法使いも一人しかいないのだが……」


「確かにグランディールで一番のランクが高いのが、ポッパーさんとカイリさんでしたね。今回ダンジョンに参加した俺を抜いて7名は単独でレイスを撃破できます。俺は残念ながら倒していません。ブルーブルは1頭だけ倒せましたが」


 そう、俺はブルーブルを倒した後、戦わせてもらってないのだ。ずっと守ってもらっている。

 やってることと言ったら、ブルーブルの肉を焼いたり食べたり食べさせたり、ハンバーグにしたりだ。ダンジョン攻略の報酬を減らされたりしないだろうか? ちょっと不安になってきたぞ。あ、でも分配するの俺だった。なら大丈夫か!


「そうか……今回参加したメンバーを全員Bランクまで上げてやりたいところだが。Bランクにあげるにはいろいろ決まりがあってな。ひとまず、ポッパーとカイリを上げよう。Cランクの時に護衛任務もこなしている。あとは私の推薦があれば合格だ。他のメンバーはCランクまで上げよう。それに、スピナはあまり高ランクにならないほうが良いだろう」


 なんだかスイスイ話が進んでいって何が何やらだ。ひとまず、今回のダンジョン組はCランク確定か。嬉しいんだか、簡単に上がりすぎて困るやらだな。

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