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73.魔力をギュッとする方法……

引き続きスピナさん視点です。

本日3話目です。

71話、72話をまだ読んでない方はそちらからお願いします。

『死なない程度に強化しただけにゃんだから、自分で強化できるように頑張るニャ』


 トラちゃんは私に、ミノタウロスを倒せる力を与えてくれたわけではなかったらしい……

 ミノタウロスの攻撃をもろに受けた私の身体はすでにボロボロだ、でもしばらくしたら傷が治っていた。もしかしなくてもトラちゃんが治してくれたのだと思う。

 トラちゃんは私に『指導』してくれると言った。ということは、私を鍛えてくれるってことだと思う、間違いなくトラちゃんは聖属性の魔法を使っている。しかもかなり強力な魔法だ。

 トラさん、私頑張ります!


 いつもマスターと一緒に居たトラさんだ。

 きっと私が知らないだけで、トラさんとマスターは会話をしていたと思う。今考えるとそうとしか思えないことがたくさんあった。私はマスターがトラさんに、一方的に話しかけているだけだと思っていたけど、トラさんも理解し返答していたのだろう。


 そう考えるといろいろと納得いくことが出てくる。

 魔力循環の、グルグル廻してギュッとしてドンは、聖魔法スキルを使うのに必要な訓練だったのは間違いないと思う。グルグル廻すのはできるようになった、でもまだギュッとできていない。

 ギュッとできると何かが起きるのだろう……多分だけど、トラちゃんが掛けてくれた強化魔法の、キラキラが出てくるんじゃない?




 とにかく速く、大きく魔力を廻す、これはマスターが教えてくれたことだ。そしてギュっとするのだ。

 マスターの指導で今まで間違ったことはない。何とかギュッとして、キラキラを出したい!


 そこで私は思った、ギュッとするのは一部分にするものだと思っていたけど、トラさんの強化魔法は全身が輝いている……それなら!

 魔力循環で廻した魔力を勢い良く止めてみた……ミノタウロスの斧が直撃した。 痛い……


 それでダメなら、廻した魔力を勢いそのままに逆回転にする。

 これはかなりきつかった。すごい勢いで廻した魔力を逆に回すんだもん、ものすごくつらい。でも、今までやったことがないことを試さないと、いつまでたってもこの状況を打破できない。

 無理やり、本当に無理やりに魔力を逆に回した瞬間、私の身体が大きく輝いた。

 大きく光った瞬間に当たったミノタウロスの攻撃は、全く痛くなかった。痛くないというより、衝撃すら感じなかった。防具は壊れちゃったけど……


 でも、大きく光ったのは、ほんの一瞬。またすぐに元に戻った。


 本当に一瞬だけど、答えが見えた!

 これが正解なら、一瞬で最大に廻して、一瞬で逆に最大で廻すのを繰り返せば聖属性スキルを維持できる!



 ダン!


 右足を大きく踏み込み右回転。


 ダン!


 左足を大きく踏み込み左回転。



 ダン! ダン! ダンダンダンダン!


 ダンジョンが揺れる、揺れの中心にいるのは多分私。


 足を思いっきり踏み込むと、その衝撃で魔力を逆に持っていきやすくなる。


 マスターはダンジョンに来る前、砂浜でこんな風に跳んでいた。

 きっと私たちに魔力をギュッとする方法を見せてくれていたんだね。全然気が付かずに、トラさんにまで指導してもらってようやく気が付くなんて……私のバカ。

 ミノタウロスはものすごく怖いけど、マスターとトラさんの指導で得たこの力を使って早く帰ろう。

 マスターに会ったらしっかり報告するんだ、ギュッとすることができました……と。





 どごぉぉっぉぉぉん!!




 私のパンチ……パンチと言えないかもしれない、魔力をギュッとするために思いっきり走っていたからすごく速くなっていた、だから右手を前に突き出した感じしかしない。

 でも、私のパンチはミノタウロスのお腹を突き抜いた!


「トラさん、ご指導ありがとうございます。無事ミノタウロスを倒せました」


 そういって私は意識を手放した。





『ヤレヤレ、技術も資質もないのに力技でやり遂げたニャ。まぁ……合格ニャ』

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