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17.猫にもわかる、ライトショアジギング講座

2回目の釣り回です。

「薬師を探すか、釣りに行くか……」


 俺は今、人生においてターニングポイントにいると言ってもいい。

 この二つの問題の、どちらかを決断しなければいけないのだから……


『ミドリ草ならわかるニャ、トシオも持っていたはずニャ』


 よし、じゃあ釣りに行こう!


 門番の兄ちゃんに挨拶をし、昨日のサーフに向かう。奥の磯も気になるが、まずは昨日の魚との決着をつけなければならない。




 魚釣りにはおススメの時間帯がある、それは朝マズメと(ゆう)マズメだ。


 この時間帯になると魚の活性が上がり、釣れやすくなる。が、俺はあんまりこの時間帯を気にしない。

 それはなぜか? 混むからだ! 釣り人には有名なマズメの時間帯。釣り人がわらわらと集まり、非常に釣りにくい。近くに人がいると気が散るし、隣の人とラインが絡まったりする。他人のラインがからまった状態を、釣り人はおまつりと呼ぶが、なにがお祭りだ! 全然楽しくないし嬉しくない、お祭りじゃない! お葬式だ! バカ!


 すでに太陽が昇り、朝マズメの時間は過ぎた。


「過ぎ去った過去を気にしてもしょうがない、前を向こう」


『カッコつけてるけど、カッコよくないニャ』


 サーフには今、俺一人。もしかしたらこの世界で釣り人は俺一人なのかもしれない。


 朝マズメを狙っても快適だったかもしれないが、朝食を逃したくはない。せっかくお金を払ってるんだから! だから前を向こう。大丈夫、今までやってきたことと、変わりない……俺には経験がある!


 マジックバッグからジギングロッドを取り出し、昨日クラフトした、100均メタルジグ改タングステンバージョンをセットする。そしてキャスト! 目視できる波の少し奥に着水させる。


 時間帯も大切だが、それ以上に大切なことがある。それは地形だ!

 魚は地形の変化があるところを好む。海底の岩や海藻だったり、急に水深が深くなったり、浅くなったりするところが大好きだ。昨日は着底の振動で地形がわかると言ったが、実はそんなことしなくてもわかる方法があるのだ。


 それは波ができる場所と崩れる場所だ。波が変化する場所は、経験上地形の変化がある。波ができる場所は高確率で海底に段差があるのだ。崩れるところも波の勢いをころす何かがあるのだろう……見に行ってないからわからないけど。

 それを理解できなければ、いくらマズメの時間に釣りをしようとも、魚はなかなか釣れない、なぜなら魚がいない可能性が有るからだ!

 何度も言うが釣りは魚との知恵比べだ。魚は何も考えていないと思うが、こっちはすっごく考えているのだ!


 ジグの着底までは約5秒。そんなに深くはない。昨日もそうだけど大きな波がたちにくい地形みたいなので、遠浅で間違いないのだろう。大きな地形の変化もなさそうだ。

 昨日と同様に大きくしゃくった瞬間、竿が引っ張られる。


「速攻で喰った!」


 昨日同様すごい引きだ。はっきり言ってこのジギングロッドでは力不足なのはわかっている。


 そもそも、28gのジグを投げる竿なんて、ブリサイズの魚を想定していない。しかし俺にはこの世界に一緒についてきたこの竿を使うしか、選択肢はない……いや、選択肢はあった!

 クラフトを使い竿をオフショア用に作り替える。よくよく考えればロッドもガイドも材質は一緒だろう。これなら勝てる! カモーン! ブリサイズ!


 さすがオフショア用ジギングロッド、100gのジグも余裕で扱えるパワーは半端ない!

 相手も疲れてきたのか、だんだんとこちらに顔を向ける回数も多くなってきた。


 残り20m辺りと言った所で、突然魚が飛び上がる。

 ヤバい! とっさに俺は竿先を地面に向ける! あれはエラ洗い的なやつか?


 ということはシーバス系か! シーバスなんて人生で初めてなんだけど!

 エラ洗いはシーバス釣りしている人には常識、水面から飛び出して頭を振るのだ。その様はエラを洗っているように……シーバス釣ったことないから詳しくないけど見えるらしい!

 とにかくそうされるとラインのテンションが緩んでルアーが外れやすくなる。魚が上に向かっているときに竿先が上を向いてると糸が緩んじゃうのだ、だから竿先を下に向けてラインを張らせたままの状態を維持する。釣れたことは無いけど本は読んでいたからね、知っているのだ。


 しばらく格闘を繰り広げていると、銀燐の魚が浜辺に寄ってきた。あとは釣り上げるだけ

 。

 サーフで魚を釣り上げる時はコツがある、それは波を利用して釣りあげるのだ。海は広いし、魚もでっかいのだ。波が引いたところを見計らって竿をグッと引っ張る! あとは波の力を利用し、魚を浜辺に打ち上げる。


「よし! 大物だ!」


 釣りあげたのは150㎝はありそうな、シーバス……だと思う。このサイズがこの世界のアベレージなのだろうか?




「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」


 今、俺は絶賛テンパリ中でございます。


 理由は想定外の大物が連れたから、釣り人は誰でも人生で一番の大物が釣れた時……こうなる。どうしてかというと、そこまで考えていなかったから。釣り人は釣ることは真剣に考えるけど、釣れた後のことはでかいのが釣りたいしか考えていないのだ。

 実際釣り仲間との会話でも釣り方と今までどのくらいの大きさが釣れたという会話は頻繁にしても、どう〆たとか、どう持ち帰ったの会話はほぼない。

 俺はこんなにでかい魚が釣れてくると思っていなかったので、どうやって〆たらいいかとかなんやらで動揺していた。


「マジックバッグの樽を使おう、じいちゃんは風呂にしていたのかもしれないけど、今はそれどころじゃない! あとはどうやって樽に海水を入れるか?」


「水じゃダメニャ?」


「水だと浸透圧の関係だったかで、おいしくなくなる。海水だ、出来ればキンキンに冷えたやつ。えらいこっちゃ!」


 樽はあった! あとは海水を大至急入れなければならない!

 っていうか、陸に上がったシーバスがビッタンビッタン跳ねている。やばい、やばすぎる。絶対に逃がしたくない。

 ひとまずシーバスはおとなしくさせよう! 例の爪でできた〆様ナイフをエラにグサッと刺して切り裂きおとなしくさせ、樽の中にあった桶で海水を掬い桶に入れていく。


 後ろではいまだにシーバスがビッタンビッタン跳ねている。一瞬ピクピクしたがまだ元気らしい……なかなかの生命力だ。

 樽には四分の一ほど海水を溜めれた。何往復したかはわからないが、いい加減疲れた。もうシーバスを樽に頭から突き刺しておけば、血は抜けるだろう。次からは準備してから釣ろう。

 準備すると釣れないのが、釣りあるあるだが毎回えらいこっちゃはしてられない。


 魚がおとなしくなってきたところで、樽にシーバスを頭から突っ込んだ。


「ふぅ~、なんとかなった。」


『なかなかのタケダニャ。オイラにも食べさせてニャ。』


 え?

ショアジギングではイナダ・サゴシが良く釣れます。たまにヒラメ辺りも釣れます。

イナダはジギング、サゴシはスロージギングがおすすめです。

今はジグもフロントフックも100均に売っているのでおススメです。


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