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155.第六回クラン会議を始めます

「それでは、第六回クラン会議を始めます! 皆さん拍手~~~~!」


 パチパチパチパチ!!


 盛大な拍手ともに第六回クラン会議が開催された。


 参加メンバーは、カイリさん、ポッパーさん、スピナさん、クランクさん、シャッドさん、リサさんである。


「とりあえず、領主様のおもてなしお疲れさまでした。いろいろトラブルはありましたが、大成功だったと思います」


 そう、領主様夫妻は晩御飯を食べた後、一泊して帰宅した。帰り道もペレさんが護衛をするということなので問題はないだろう。

 守護龍のヘラヴェーラ様もクランクさんとシャッドさんに、いろいろ注文を出していろんな料理を何処かわからないところに収納して帰宅した……ん?帰宅っていうのか? 山に帰っていった。


「さて、今回の議題ですが。これからの方針が見えてきました。皆さんは目標は継続して達成できるように頑張ってくださいね。個人の目標とは別に今回はクランのこれからの方針のようなものの共有です」


 みんな真剣に頷いている、もちろんこの中に居眠りしている人なんてどこにも……トラは寝てるな。猫だからいいか……


「みなさんの目標がものすごく難易度が高いことは把握しています。しかし、今回の方針はその目標にも関連することがあると思いますのでご協力お願いしますね」


「マスター、公共事業をしていくということですが、道の整備をしなくても護衛さえしっかりしていれば問題ないと思うのですが」


 スピナさんからの質問だ、たしかに護衛が付いて怪我無くたどり着くのは大前提。だれもリスクを取りたくはない。

 というか、ベイツ周辺は魔物も居ないというし、すでに安全だからこその質問だろう。


「そうですね、ベイツ周辺は今でも十分安全ですので、なかなか必要性を感じないですよね。例えばですが、道を舗装し、道幅も馬車がすれ違えるようにしてみると、どのようなメリットがあると思いますか?」


「舗装されれば、割れ物などの輸送が容易になりますわ」


 リサさんの意見だ。商人目線だね。


「そうですね、馬車の揺れで行商中に割れる心配がない、または割れないのなら割れない分、安く仕入れができるようになるかもしれませんね。または、割れないんだから大量に仕入れても安全ですし、交渉も有利になるかもしれません」



「道幅が広いなら、魔物や盗賊の発見しやすくなるんじゃないか?」


「あぁ、それに魔物討伐依頼があった場合、大人数でも早く駆けつけれるな!」


 カイリさんにポッパーさんの冒険者目線。


「そうですね、それに起こってほしくありませんが、守護龍様の件もあります。救援もですが、避難という点でも舗装されれば馬車も馬もスピードを出せますし、護衛もしやすくなるんじゃないかなと考えています」



「あ、看板を立てればベイツに移住したい人が歩いてこれるんじゃないですか? それにコブ汁を運ぶときに道があると楽ですねー。ベイツ周辺と言わず、大陸中が整備されれば最高ですねー」


 シャッドさんはたまにスケールがでかいことを言う気がする。まぁ、これから大陸中にコブ汁や大豊作の野菜も届けることになるかもしれないし、シャッドさんの目標にも関わるもんね。


「そうですね、まずは領内を整備、それで結果が出れば国内に広まればより良くなっていくでしょう」



「人の出入りが増えれば、それだけリスクも増えるという考え方もできますね」


「あぁ、クランクさんそいう考え方もできますね。しかし、人を拒んでは発展はできません。秘密にしなければいけない事はこちらで対策を行い、何が起こっても大丈夫なように対策を練っておくのも公共事業と同時に必要かもしれませんね」


「毒に関しては任せてください! 順調に進んでいます」


「頼りにしてますよ」



「あ、私も最近オーラの説明のコツを掴みました。遅くても1週間もあればみなさんオーラを発現できるようです」


「それは心強いですね」


 なんていうか、スピナさんはなにか引継ぎ的なスキルが発言してるんじゃないだろうか? いや、その前に俺の『引継ぎ』スキル発動しろ! 本当にあるの?


「俺もようやく鉄板剣を扱えるようになってきた。ランドももうちょっとだな。近い将来ランド『さん』と言わなきゃいけないかもしれないな」


「俺の料理で身体を作っているからな! 成人前には越されているんじゃないか!」


 ワハハと笑いながらカイリさんとポッパーさんが笑っている。



「公共事業もこの感じなら問題なさそうですね。すみませんが皆さんご協力お願いすね!」


 第六回クラン会議は和やかに終了した。

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