表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/157

108.異世界仕様?

 集団穴開け会は無事に終わった。


 これからは誰かにお任せしたいが、誰が適任だろうか?

 やっぱりお医者さん的立ち位置のクランクさんではないだろうか? 今度クランクさんにお願いしてみよう。

 希望者には全員軸を刺しておいたので、あとはキャッチと頭の部分の大量生産が必要だ。今回集まったメンバーで頑張って欲しい。作っていればだんだん技術も向上するだろう。自分たちで教え合いながらできるようになるまでは定期的に見回りを行った方が良さそうだけど。


「サラさん、カーボロッド商会に金属の仕入れをお願いしたいのですが大丈夫ですか?」


 よくよく考えると、俺は今までずっと金の力でごまかしてきた。結構な貨幣が道具に消えてしまったことになるが、今は商人がいるのだ、ここからはちゃんとした素材を使わないとダメだろう。


「大丈夫ですわ、なにがご入用ですか?」


「んー、鉄・銅・銀・金……あとはなにか種類ありますか?」


「ミスリルはいかがですか? 金よりも少しお高いですが人気がありますわ」


 ミスリルがあるのか! ミスリルの特性がいまいちわからないけど試しに欲しいな。


「じゃあミスリルもお願いしようかな。支払いはどうしたらいいかな?」


「それなんですが……ピアスをカーボロッド商会へ卸していただけないでしょうか?」


 別にいいけど、それだけでいいのかな?


「別にいいけど、クランの変わりに商会で売ってくれるってこと?」


「そうですわ、ピアスは素材にもよると思いますが高く売れそうですわ。クランに損はさせませんのであんしんしてください。売上金額の一部も納めますわ」


 売ってくれるならいいか……正直言ってベイツの街だけでいっぱいいっぱいだ。任せられるところがあるなら任せよう。


「それとお願いがありますわ。あの宝石でできた動物を売って欲しいのです……」


「あー猫じゃなくてもいいの? 今度エヴァさんに希望の型を作ってもらいなよ。あ! 王様に献上するならドラゴンがいいかもね」


 前に借りっぱなしにしていたゴールドカードをサラさんに見せた。


「え……ありがとうございます。いい考えだと思います」


 ゴールドカードにビックリしたのか、書いてあるドラゴンにビックリしているかわからないけど納得したらしい。良かったよかった。


「別に宝石じゃなくても、金でもミスリルでもできると思うからいろいろ考えてね」


 そうお願いして俺は海に向かった。




 たくさん働いた! 今日は釣りを満喫するぞ!


 クランハウスから近い海は磯場だ。秋にはイカが釣れるのだけれども、この時期は何が釣れるのだろうか?

 あっちの世界だと豆アジが良く釣れた気がする。よし、アジを狙おうかな?

 異世界のアジはでかい、だからアジングロッドでは異世界豆アジは釣りあげることができないだろう……あ、こっちではイッテって名前だったな。豆イッテもアジングロッドでは太刀打ちできないだろう。


 そういえばミスリルがあるってサラさんが言っていたな? 釣り具に使える素材だったら嬉しいんだけど、どうなんだろう?

 俺的にはミスリルとういう素材は魔力が通りやすく、硬い金属のイメージがあるのだが、魔力循環できない俺には釣り具利用は厳しいか? いや、魔力循環できれば問題のないんじゃね? できる気しないからな。


 ひとまずショアジギングロッドでアジを狙う。

 ジギングしながらアジングをするのでよくわからない状態だが、今の最適解がこれなのだ。

 そしてアタリがきた! グンッと竿が持っていかれそうになるのをグイっと引っ張り合わせる! あとは丁寧にリールを巻いて回収だ。アジの口は非常にもろい、あまりにも力任せに引くとアジの口が切れれてしまい逃げられてしまう。

 口がなくなったアジは長生きできるのだろうか? もし生きれないなら釣り人が責任をもって食べてあげるのがいいだろう。丁寧に釣りあげようとして、それでも逃げられてしまったらしょうがない。海の大型魚にお願いするしかない。


 そんなことを考えていたらアジっぽい魚が釣れてきた。見た感じイッテの口は丈夫そうだ! あまり気にしなくてもいいのかもしれない。




 数匹釣りあげたところで俺は気が付いてしまった。

 俺の釣り道具でリールに巻かれたラインは無限に使えるらしい、無限と言うとちょっと心配なのだが、ラインが減っているのを見たことがない。ということは……大遠投しても問題ないということだ!


 釣り人ならわかると思うのだが、釣り人は遠くにキャストしたがるのだ。特に友達と釣りに行くと、釣れない時間にどっちの方が遠くに飛ばせるか競争をする。

 ちなみに俺は遠くに飛ばすのが苦手だ。同じ釣り道具を使っていないので同じ条件でやればどうなったのかはわからないが、皆俺よりも遠くに飛ばせちゃうのだ。


 俺の方が釣り歴が長くても……俺が釣りを教えた人にも……皆よりも遠くに飛ばなくて悔しい思いをしてきた。しかし、異世界は身体強化も有り、ラインに制限がない! これはどこまで飛ばせるかチャレンジしなければならない! いや、しないと絶対にダメだ!


 ひとまず治具は持っている中で一番重い40gにした。もちろん針とかアイはクラフトし直した。これである程度の大物にも耐えれるスペックになっただろう。


 飛距離を稼ぐには、竿を長く、ラインは細く、ルアーは重くする、ただしラインを細くしすぎるとルアーの重さでラインが切れてしまうのでバランスを考えなければならない。今回はPEライン(異世界仕様)なので大丈夫だろう。心配なのがリーダーなのだが……よく考えれば今までタケダを釣っているのに切れたことがない……これも異世界仕様だったのか?


 俺は大きく振りかぶった!

 そしてギュッとした魔力を利用して、思いっきりキャストした!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ