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17話「折れた骨と折れた剣」ざまぁ

「貴様! ローザに何をした!」 


「ローザが倒れたときあなたがそばにいたそうじゃない! あなたが来るまで侯爵家でこんなことは起こらなかったのよ! あなたがこの家に厄災を持ち込んだのよ! この悪魔!!」


侯爵と侯爵の母親が私を罵る。


侯爵の母親おしい! 私は悪魔ではなく魔女だ。


ローザとメイドの苦しむ声に気づき、執事が駆けつけて来たのは、ローザが倒れて三十分後のことだった。


部屋に運ばれドレスを脱いでアクセサリーを外されたローザは、頭痛と胸を締め付けられる痛みから解放されたようだ。


だがすっかり怯えてしまい、部屋に閉じこもっている。


メイドはまだ心臓の痛みと、手の痒みに苦しんでいるようだ。


私は居間に呼び付けられ、侯爵と侯爵の母親からお仕置きを受けている。


「貴様がローザに何かしたのは分かってる!」

「これだからいやしい身分の女は!」


侯爵が私の頬を殴り、侯爵の母親が頬を平手打ちにした。


ハエが止まるほど遅い動きだったが、避けずに攻撃を受け入れた。


「うぎゃぁっ……!」

「ひぃぃっ……!」


私は自身の体をオリハルコンより硬くすることができる。ついでに攻撃を受けるとオートで電流が流れるので、二人の腕は焦げていた。


ちなみに相手が死なないように、電流は少なめに設定してある。


「僕の手が……手がぁぁぁ!」

「いやぁぁ! 痛いィィっっ……!」


侯爵と侯爵の母親が右手を押さえ、その場にへたりこんだ。


私を思いっきり殴った侯爵の右手はおかしな方向に曲がっている、おそらく骨が折れているだろう。


侯爵の母親も真っ青な顔で右手を押さえている、こちらは骨にヒビでも入ったかしら?


回復魔法を使えば簡単に治せるが、こんな奴らに回復魔法を使ってやるつもりはない。


「執事長! エミリーを捕らえろ! こいつは人間じゃない! 殺してもかまわん!」


侯爵が執事長に命じる。


執事長帰って来ていたのね。


執事長は昨日の朝、王都に婚姻届を出しに行った。奴が婚姻届を出して帰って来るのを待っていた。


執事長がエミリーと侯爵の婚姻届だと思って出しに行った婚姻届には侯爵とローザの名前が書かれている。


執事長には侯爵とエミリーの名前が書いてあるように見えるよう、呪いがかけてある。


これで侯爵とローザは晴れて夫婦となった。


執事長は壁に飾られていた剣を取り、私に刃を向ける。


そんななまくら刀で私に向かって来るなんて……良い度胸ね。


執事長が私に向かって剣を振り下ろした、私は剣を避けずに受け止める。


剣は真っ二つに折れ、折れた切っ先が侯爵の前に飛んでいき床に刺さる。


「ひぃぃっ……!」と侯爵が間抜けな声を上げた。


剣はオートで発動した電流により、まっ黒焦げになっていた。


執事長は何が起きたか分からないようで、剣を構えたまま呆然と立ち尽くしている。


「そちらから攻撃してきたのだから、これは正当防衛よ」


執事長に向かって風魔法を唱える、執事長が後方に吹き飛び、壁に体を打ち付け白目を剥いて倒れた。



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