バトルフィールド (4) ──「クソォオオオオオオ!!」
発砲炎と共に銃口を旅立った銃弾は、つい一瞬前までバリアーが展開していた空間を容易く撃ち抜いて飛翔する。
そして視界と聴力を奪われ叫ぶミイへ、非情に襲い掛かった。
と、思った。
────────!!
ショットガンの弾丸が、肉を突き破る音。
灰色の血が飛び散り、宙を舞った。
だが、銃弾を喰らったのは、ミイではなかった。
ミイの後ろに居た、背が高い女だ。
発砲される寸前、咄嗟にミイを後ろに押し退け、自ら彼女の盾となったのだ。
くそっ────!!
栗沢は叫びながら、フォアエンドをジャキリと後退させる。
排莢口から、空薬莢が白煙を上げながら落ちた。
フォアエンドを押し戻し、ガチャリと薬室に次弾を送り込む。
全員の射撃が始まった。
大量の銃弾が、バリアーを失った彼女の部下たちへ浴びせられ、彼らは次々と地獄送りのダンスを踊る。
ミイは視力を失い苦しみながらも叫び、死神の鎌を振りかざした。
空気に溶けて透き通りながら細長く伸びた刃が、栗沢めがけて猛スピードで迫る。
首を狩りに来たと読んだ栗沢は、咄嗟に身を低くし、照準を補正、引き金を絞った。
────と、いきなり、強い衝撃と共に銃の狙いがガクンと逸れた。
発射された弾丸は、ミイの隣にいた男の右腕にぶち当たり、その腕を骨ごと吹き飛ばす。
栗沢は、身体を支える足の感覚がなくなってバランスを崩し、後方へ倒れた。
そして、自分の足を見て、その理由をようやく知った。
両足が、無い。
栗沢の足は、脛の上から綺麗に切断され、床の上にぴたりと立っていた。
……ああ。
「永友さん……」
死を悟った瞬間、無意識に、その名前が零れた。
血を吸った刃が、宙で糸を割くようにフワリと枝分かれして、それらは竜巻のように大きな渦を作りながら、栗沢、そして三条を包み込んだ。
「くっ……────クソォオオオオオオオ!!!!」
三条があらん限りの声で吠える。
次の瞬間、無数の刃の糸が縦横無尽に暴れ、二人の全身を一気に引き裂いた。





