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東京バトルフィールド <東京を奪還せよ。異世界の魔法使いの手から>  作者: 相山タツヤ
STAGE:02 THE GATEWAY OF HELL 「地獄のゲートウェイ」 ── 異世界の使者と対峙せよ。
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バトルフィールド (1)  ──「撃て!!」



 無垢な殺意。

 永友は背筋を凍らせた。

 

 彼女の笑顔の下で、凶悪な殺気が動く。


 ミイの身体の輪郭が、一瞬だけ、ピントを外したように滲んだ。



 ……何だ?



 目を凝らした刹那、強烈な風を肌で感じた。


 それは鋭く急速に迫った。

 永友の首へ、狙いを定めて。



 ──────!!



 永友は叫び、後ろに飛んだ。


 そして、その瞬間を見た。

 虚空から現れた透明なブレードが、蛇のようにしなりながら、永友の右腕を切り裂き、血に染まる瞬間を。


 切断された永友の右腕が、痙攣し、PM5ショットガンの引き金を絞った。

 重い銃声が轟き、発砲炎が銃身から噴き広がる。


 反動に払われた右腕が、鮮血を散らせながら宙へ投げ出された。


 射出された八発のダブル・オー・バック散弾が、正確に、ミイの顔面めがけて飛翔した。


 だが……彼女は、笑顔を浮かべていた。


 


「撃て──────!!」




 栗沢が、腹の底から叫ぶ。


 SAT隊員と銃器対策部隊の銃が、一斉に砲火を上げた。

 火薬が炸裂する凄まじい銃声が一挙に重なり、巨大な爆発音となって搭乗ホールを荒れ狂う。


 MPXサブマシンガンの鋭利な連射音の間に、M870PやKSG、PM5ショットガンの重厚な砲声が織り交じり、夥しい数の薬莢が地を軽やかに叩く音が追随する。



「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



 悲痛、絶望、憤怒、畏怖、混沌。

 多くの負の感情を押し込まれ心を食い破られた永友は、吼える。


 血を吸って歓喜するようにうねる透明なブレードが、再び永友の首を狙い高速で迫り掛かる。

 素早く、左手に握っていたPM5ショットガンを掲げた。


 飛翔する刃の先端とショットガンが衝突し、宙に火花を散らす。

 軌道が逸れたブレードは永友の眼前を過ぎ去り、搭乗橋の手すりに当たって弾けた。


 壊れたショットガンを手放し、その左手を後ろ腰に回して、バックサイドホルスターに差したグロック26ピストルを引き抜いた。


 一瞬でミイの眉間を照準し、発砲。


 9ミリパラベラム弾が発砲炎と共に回転しながら銃身から射出され、空を切り裂きながら彼女の眉間に一直線に迫る。




 しかし────弾丸は、その手前でぴたりと停止した。



 弾丸はそこに浮いたまま高速回転し、やがてパワー失って、虚空で静止する。



 着弾の瞬間、はっきりと見えた。

 ドーム状の赤い薄膜が光り、一人一人を包んでいる。

 その『バリアー』に、放った弾丸の全てが防御されている。


 ミイと十三人の取り巻きには、一発たりとも届いていない。


 永友は右腕から夥しい血を流しながら、力なく笑った。



 ……勝てるわけないだろ、こんな相手。



 ミイの手に握られた日傘が、黒色の死神の鎌へと姿を変えていた。

 その大鎌こそ、ノアズ・アークの乗客たちを殺戮した凶器の正体であった。


 大振りの刃が色を失い、透き通って空気に溶け込むと、疾風が永友に迫った。




 傘宮中隊副長が無線越しに叫んだ声は、もはや永友に届かない。


 永友の首は宙を舞い、小野寺たち仲間の首のすぐ側へ、無力に転がった。



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