おかえり、東京テレポーターへ ──「保護者として見届ける義務があります」
夜七時、東京テレポーター。
「あぁ……今日は疲れたなぁ……」
大阪で開催されたサバイバルゲームイベントから帰還した篠巻拓弥は、大きな溜息をついた。
心底くたびれたし、空腹もきつい。
荷物受取コンベアから流れてきたガンケースを背負い上げると、疲れた身体にかなり応える。
たまらず、老人のようなしわがれ声を上げてしまった。
「大勝利したわりには、リアクション薄いですね」
来た時と特に様子が変わりもしない涼しげな顔の天城蓮華を、篠巻は不思議でならないという様子で見つめる。
「賞品にエアーガンを貰ったはいいけど、既に持ってるやつだったからね……」
そのエアーガンは先月発売したばかりの最新機種だったが、わざわざ予約してまで発売日に購入済みであった篠巻にとっては、喜ばしい話とは言えなかった。
その場では荷物が多くて持ち帰れないので、配達で自宅まで送ってもらえる手筈になっている。
「なら、オークションで売ればいいじゃないですか。オークション。それで美味しいもの食べましょう」
「……そりゃできないよ。運営の善意で用意してくれたものだし、流石に悪い。記念に取っておくよ」
「残念ですね。篠巻くんが羽振りよくなってくれれば嬉しかったんですが」
「おいおい……。ちなみに、もし俺が羽振り良くなったら、何が食べたいんだ?」
「ポルシェが欲しいですね」
「食べ物じゃないんだが」
さて帰ろうと思った時、出発時に保安検査場前の手荷物カウンターに預けていた、エアーガン用のガス缶やバッテリーをまだ受け取っていないことに気付いた。
「おっと……行く時に預けた物、全部返してもらわないとな……。この近くで受け取れたりするかな?」
「しないですね。出発用ロビーの手荷物カウンターまで、直接行く必要があります」
「なかなか不便だな……」
「結構そのまま忘れて帰っちゃう人も多いみたいですよ」
わざわざそこまで行くのは面倒だが、バッテリーは特に単価が高く、そう易々と見捨てられるものではない。
「じゃあ、ちょっと取りに行ってくる……。天城はどこかで待ってていいよ」
「いえ、行きますよ。はじめての篠巻くんが、きちんと預け物を受け取れるかどうか、保護者として見届ける義務があります」
「やかましいっての」
ガンケースを背負った二人は、手荷物引き渡し場を出て、出発用ロビーに向かった。





