665 お姉ちゃんが寝てるの、忘れてた!
私のもう一つの作品、「魔王信者に顕現させられたようです ~面倒なので逃げてスローライフをしようと思ったらNPCが許してくれませんでした~」もよろしくお願いします。
https://book1.adouzi.eu.org/n1737jf/
テイストは少し転生0と違いますが、基本ほのぼの路線で進みますのでよかったら読んでみてください。
ゴロゴロゴロ、カランカラン
転がるボールが棒を倒すと、やったやったと大喜びするまねっ子ちゃん。
それを見ながら僕もニコニコしてたんだけど、そこにイザベルさんが来たんだ。
「ルディーン君。いろいろなおもちゃを作ってくれてありがとうね」
「僕も、みんなと遊べて面白かったよ」
作りながらだけど、木の輪っかを投げたりボールを転がして棒を倒したりするの、楽しかったもん。
だからそう話すと、イザベルさんはこんなことを言いだしたんだ。
「予算が無いからお金は出せないけど、せめて親御さんにもお礼を言いたいんだけど」
それを聞いた僕は、思い出したんだ。
「そうだ! 僕、お姉ちゃんが起きるまでの間、ちょっとお外で遊んでくるって言って出て来たんだっけ」
「えっ!? ルディーン君がここに来てから、結構時間が経ってるわよ」
みんなと遊ぶのが楽しくって、お父さんたちのこと、すっかり忘れてたんだよね。
もしかしたら怒られちゃうかも?
「イザベルさん。お父さんに怒られちゃうかもしれないから、僕、帰るね」
「ちょっと待って。事情を説明するために、私もついて行くから」
イザベルさんはそう言うと、今孤児院にいる中で一番大きな子のところへ。
僕を送ってくるからみんなをお願いねって頼んで、僕のところへ戻ってきたんだ。
「それじゃあ行きましょう」
イザベルさんはそう言ったんだけど、
「にいちゃ、どっかいくの?」
それを聞いて不思議そうなお顔で聞いてくるまねっ子ちゃん。
だから僕、お家に帰るんだよって教えてあげたんだけど、よく解ってないみたい。
「おうち、ここだよ?」
「ああ、そうか」
まねっ子ちゃんの話を聞いて、イザベルさんは何が言いたいのか解ったみたい。
ここって、孤児院でしょ?
今までここに来た子たちはみんな、そのままここで暮らしてたんだって。
だからまねっ子ちゃんは、僕もここで一緒に暮らすと思ってたみたいなんだ。




