664 ボーリング?をつくろう!
私のもう一つの作品、「魔王信者に顕現させられたようです ~面倒なので逃げてスローライフをしようと思ったらNPCが許してくれませんでした~」もよろしくお願いします。
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テイストは少し転生0と違いますが、基本ほのぼの路線で進みますのでよかったら読んでみてください。
すべり台が大人気だからもういいかな?
そんなことを思ったけど、すぐそばに立ててある棒と木のボールを見たらやっぱり作らなきゃって思ったんだ。
「でもすべり台とおんなじだと、みんな勘違いしちゃうよね」
ってことで、なんかいい形はないかなって考えたんだよ。
「そうだ! ボールが通るくらいの筒にしたらいいんじゃないかな?」
木のボールはおっきめに作ったけど、それでもまねっ子ちゃんたちより小さいもん。
ちょうど通るくらいの筒だったら、その中に入って遊ぼうなんて考えないよね。
そんな訳で、早速作ってみることに。
「ボールよりもちょっとおっきな穴にしてっと」
みんなが遊んでるのを邪魔しないように、端っこに移動してからすべり台を作ったのとおんなじくらいの薪を持ってクリエイト魔法発動。
「うん、ちゃんとできたね」
これで遊ぼうと思ったら支える台を作んなきゃダメだけど、今はとりあえず筒だけで実験。
輪っかを入れる棒を何個か並べて、そっちに筒を向けてボールを入れてみたんだよ。
そしたらちゃんと転がってったんだけど……。
「あっ、途中で弾かれちゃった」
すぐ近くから狙ったから、最初の3本くらいはちゃんと倒れたんだよ。
でも勢いが足りなかったのか、途中で弾かれて全部は倒せなかったんだ。
「もっと急な坂にすれば全部倒れると思うけど、それだとちっちゃい子が遊べなくなっちゃうし」
今やったのは、まねっ子ちゃんたちが遊んでるすべり台くらいの坂だったんだ。
それをおっきな子たちが遊んでるくらいの角度にすれば、多分全部の棒は倒せると思う。
でもそれだとボールを入れるとこが高くなりすぎちゃうから、ちっちゃい子が筒に入れられなくなっちゃうんだよね。
だから僕、腕を組みながら頭をこてんって倒したんだ。
「そうだ! 筒を短くして急な坂にすればいいんじゃないか!」
そう思った僕は、早速短い筒を作って再挑戦。
でもね、うまく行かなかったんだ。
「ボールが出るとこでごつんってして、うまく転がってくれない……」
ゆるい坂だとボールはそのまま転がってくれるんだけど、坂を急にすると飛び出た瞬間に床に当たって跳ねちゃうんだよね。
これが重たいボールならそのまま転がってくんだろうけど、僕が作ったのは中がくり抜いてあるでしょ。
だから変な方法に転がってっちゃったんだ。
「これだと遊べないよね」
そう思った僕は、また考えたんだよ。
なんかいい形のもの、無かったかなぁって。
「急な坂なのにすべっても危なく無いの、何かなかったっけ?」
前世の僕は遊んだことなかったけど、確かテレビってのでそんなのを見たことがある気がする。
そう思って一生懸命考えたらね、すっごいのがあったのを思い出したんだ。
「そうだ! 急な坂をすべってってお水の中に飛び込むすべり台があったっけ」
前の僕がいたとこにはね、森に生えてる木よりももっと高いとこからすべり降りるすっごいすべり台があったんだよ。
それは最初真っすぐ落ちてくくらいすっごく急な坂なのに、途中でぎゅいんって曲がって最後は平らなとこをすべってってお水の中にバチャンって落ちちゃうんだ。
僕ね、あんなとこからすべったらすっごく怖いはずだから絶対やりたくないって思うんだよ。
なのに、思い出すとすべってる人たちはなんでかみんな楽しそうだったんだもん。
もしかしたら前世の人たちって、みんなすっごく強かったのかも?
「あんなすべり台は作れないけど、ボールを転がす筒なら作れるよね」
ってことで、その形を想像しながらクリエイト魔法。
おっきな輪っかを4っつに切ってその片っぽをちょっと伸ばしたみたいな、全体が大きく曲がった筒に作り替えたんだ。
おかげで転がすっていうより上の穴からボールを入れるって感じになっちゃったけど、これならちゃんと転がってくれると思う。
「今度はちゃんと倒れてくれるかなぁ?」
僕はそう思いながら筒を棒の方に向けると、ボールを穴の中へ。
そしたらさっきよりも勢い良く転がってったボールが、並べといた棒に当たってもそのまままっすぐ転がってったんだよね。
「やった! これならちゃんと遊べそうだね」
ってことで、今度はこの筒の土台作り。
でも普通に足を付けただけだと動かせないから、狙いが付けられないよね。
だからちゃんと考えたんだよ。
「僕、知ってるもんね。足の下にボールをくっつければ動かせるんだ」
まずクリエイト魔法を使って筒をのっける4本足の台を作ったんだよ。
でね、腰のポシェットから鋼の玉を4つ出して、それをクリエイト魔法で真ん丸にしたんだ。
「これを台の足につければいいんだよね」
次に土台の足をクリエイト魔法で変形させて、その鋼の玉の下っ側だけがちょっと出るくらい埋め込んだんだ。
「当たるとこが硬くなるように木をギュっとして硬くしたし、玉よりちょびっとだけおっきな穴が開くように作ったからこれで大丈夫なはず」
筒を置く前に実験ってことで台を動かしてみたら、すーって動いたんだ。
うん、これだったらちっちゃい子でも簡単に動かせるはず。
そう思った僕は筒を台に置いて、もういっぺんボールを入れてみる。
そしたらちゃんと転がったから、僕は安心してクリエイト魔法で筒と台をくっつけたんだ。
「遠くに棒を並べて、ちゃんと狙って倒せるかやってみよ」
さっきは実験だったからすぐ近くから当てたけど、今度は遊ぶつもりで離れた所に棒を並べる。
「確か10本並べるんだよね」
上から見て三角になるように棒を立てると、僕はボールを転がす筒のところへ。
全部倒しちゃうもんね。
そう思いながらしっかり狙って、筒の上からボールを入れたんだ。
筒から飛び出したボールは、ごろごろ転がってまっすぐ棒の方へ。
カランカラン。
ボールが当たって倒れてく棒、でも5本くらいは立ったまま残っちゃったんだ。
「ああ、残っちゃった」
そう言えば前世のボウリングって遊び、確か変な形の棒を使ってたっけ。
もしかしたらあんな形をしてないと、ボールが当たっても全部は倒れないのかも?
そんなこと考えたけど、これって最初に作った棒を何かに使えないかって考えた遊びだもん。
「このままでも面白いからいいか」
そう思って、ボールを拾いに棒のところへ。
それを拾って次は絶対残った棒も倒しちゃうぞって思いながら筒の方を振り向くと、いつの間に来たのかその横にはまねっ子ちゃんが。
「つぎ、わたち!」
遊ぶ気満々なまねっ子ちゃんを見て、次も僕がやるなんて言えないでしょ。
だから倒れた棒を元に戻して、僕はボールを持ってまねっ子ちゃんのところに歩いてったんだ。




