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661 積み木を投げちゃ危ないんだよ

 私のもう一つの作品、「魔王信者に顕現させられたようです ~面倒なので逃げてスローライフをしようと思ったらNPCが許してくれませんでした~」もよろしくお願いします。


https://book1.adouzi.eu.org/n1737jf/


 テイストは少し転生0と違いますが、基本ほのぼの路線で進みますのでよかったら読んでみてください。


 みんなが遊べるように、ふっとい薪をもう一本使って積み木作り。


 それが終わると、今度は僕くらいの子たちのおもちゃを作る番だ。


「何作ろうかなぁ」


 僕が村で作ったことがあるって言ったら、ちっちゃな三輪車のおもちゃくらいだよね。


 でもあれ、みんなで遊ぶには向かないんだ。


 それにグランリルだと、みんなが集まるのはお外で遊ぶ時くらいだもん。


 だから他にお家の中で遊ぶおもちゃなんて、うちの村には無いんだ。


「前の僕は、どんなので遊んでたっけ?」


 そんな訳で、前世のおもちゃのことを思い出してみたんだけど……。


「お部屋で遊んでたの、僕じゃ作れないのばっかりだ」


 前世の僕は体が弱かったから、お部屋の中で遊ぶことが多かったんだよ。


 でも、その時遊んでたものと言ったらドラゴン&マジック・オンラインだもん。


 そんなの作れるはずないよね。


 それに他のおもちゃを思い出しても、やっぱり僕じゃ作れないものばっかり。


「硬い紙が作れたら、いろんなのが作れるんだけどなぁ」


 でも僕が作れたのって、お尻を拭くのに便利な柔らかい紙だけでしょ。


 そんなのじゃ紙のおもちゃは作れないから、あきらめることにしたんだ。


「そういえば、お部屋以外だと何してたっけ?」


 だから僕、他にどんなとこで遊んでたかなぁって考えたんだよ。


 そこで思いついたのが近所のお祭りだ。


「近くにあった神社って言う神殿みたいなところで、ちっちゃなのがよくやってたっけ」


 おっきなお祭りだと屋台とか出て人がいっぱい来るけど、そのお祭りは近くの人たちだけでやるちっちゃなものだったんだ。


 だからそこでやった遊びも、そんなにすごいもんじゃなかったんだよね。


「前の僕が小さいころ好きだったのは、やっぱり的当てかな」


 的当てってのはね、まぁるい的のいろんなところに数字が書いてあって、そこにくっつくボールを投げる遊びなんだ。


 点数でもらえるお菓子が変わったから、おっきな数字にあたるとすっごく嬉しかったんだよね。


「でも、的にくっつくボールなんて作れないんだよなぁ」


 くっつかないと、ほんとにその数字に当たったのか解んないでしょ。


 それに木のボールだと、勢いよく投げて他の子に当たったりしたら危ないもん。


 だからこの遊びはダメ。


「ってことは、弓矢もダメだよね」


 お祭りではおもちゃの弓と先っぱに吸盤って言うくっつくのが付いた矢で的を狙う遊びもあったんだよ。


 でも僕、吸盤なんて作れないからこれもダメなんだよねぇ。


「どうしよう。ちっちゃなお魚がいないから、金魚すくいってのもできないし」


 僕が作った紙はお魚をすくう時に使うのによく似てるから、道具は作れそう。


 でも、すくうお魚がいないからやっぱりダメ。


「いいのがないなぁ」


 思いつくのが作れないのばっかりだったから、僕、困っちゃったんだよね。


 そんな時、離れたとこからこんな声が聞こえたんだ。


「なげちゃだめ」


「あぶないでしょ」


 何だろうって思ってそっちを見てみると、どうやらちっちゃな子が積み木を投げて遊んでたみたい。


「こらこら、ほかの子に当たったらどうするの」


「ごめんなさい」


 でもイザベルさんがすぐに止めてくれたから、積み木が当たっておケガをした子はいなかったみたいで一安心。


 でも、投げて遊んでた子の気持ちも解るんだよね。


 僕だってお外だったら、ちっちゃな石を拾って投げたりするもん。


 積み木は石よりおっきいけど、軽いからちっちゃな子でも投げられるんだよね。


 それに何個か積んでから当てたら、ばらばらになるでしょ。


 多分それがおもしろくって積み木を投げちゃったんじゃないかな。


「でも当たったらおケガをしちゃうかもしれないから、やっぱり投げちゃダメだよね」


 前世にあった柔らかいボールとかが作れたらよかったのに。


 僕はそう思ったんだけど、あんなの何で作ったらいいか解んないもん。


 ん、ちょっと待って。


「そっか、投げても危なく無いのを作ればいいんだ」


 クリエイト魔法なら、中が空っぽの木のボールも作れるよね。


 あっ、ダメだ。軽くなるほど薄くしたら割れやすくなって危ないもん。


 だったら、他の材料で作る?


 でもなぁ、布がいっぱい使えればそれでボールを作ればいいけど、高いからみんなが遊べるほどの数買えないし。


「使えるのって、やっぱり薪くらいだよね」


 投げても危なく無い木のおもちゃ、そんなのあったっけ?


 僕は胸の前で腕を組んで、頭をこてんって倒したんだよ。


 そしたらさ、ある物のことを思い出したんだ。


「そうだ! あれだったら危なく無いかも」


 そう思った僕は、また薪が積んであるとこに行ったんだよ。


 そしたらそれに気付いたまねっ子ちゃんが、こっちに向かってとことこ歩いてきたんだ。


「なになに、またなんかつくうの?」


「うん。投げても危なく無いのを作るんだ」


 僕が教えてあげると、まねっ子ちゃんは興味津々。


 横にちょこんって座って、ニコニコしてるんだ。


 だから僕もつられてニコニコしながら、ちっちゃめの薪を一本手に取る。


「どれくらいの重さがいいかなぁ」


 あんまり重たいと投げた時危ないけど、細すぎると折れて危ないかも?


 とりあえず一個作ってから考えた方がいいよねって思った僕は、クリエイト魔法を発動。


 薪の先っぽをほんのちょっとだけ切り離してから、それを変形させたんだよ。


 カラン。


 床に転がったのは、木でできた直径10センチくらいの小さな輪っか。


「わぁ、まあるいのができた」


「う~ん、ちょっと太く作りすぎちゃったかなぁ」


 でもこれ、小さいから軽いんだけど、ちょっと太いから頭とかに当たると痛いかも。


 ってことでもう一度クリエイト魔法を発動、材料の木をちっちゃなサイコロくらい取り出して輪っかを細くしてみたんだ。


 それを床にコンコンしたり、頭に軽く当ててみたりしてどれくらい痛いかを試してみる。


「もうちょっと細くした方がいいかなぁ? でもあんまり細くすると折れやすくなっちゃうし」


 そう思いながら床にコンコンしてたらね、横で見てたまねっ子ちゃんが私もやりたいって言いだしたんだ。


「たのしそう、わたしもやる!」


「ダメだよ、これはコンコンして遊ぶものじゃないもん」


 僕がそう言うと、まねっ子ちゃんは不思議そうなお顔で聞いてきたんだ。


「こんこん、すうんじゃないの?」


「うん。これはね、こんな風に投げて遊ぶものなんだよ」


 僕はそう言うと、その輪っかを円盤のように軽く投げたんだ。


 くるくる回りながら飛んでく木の輪っか。


「わたしも! わたしもやる!」


 それを見たまねっ子ちゃんは、すっごく楽しそうに飛んでった木の輪っかのところへ。


 拾うとすぐに、えいって投げたんだ。


 でも輪っかはそんな投げ方じゃ飛ばないでしょ。


 その場にぽてって落ちちゃったもんだから、しょんぼりしちゃった。


「これはね、こうやって投げないとダメなんだよ」


 だからまねっ子ちゃんの手を持って、こうするんだよって言いながら投げさせてあげたんだ。


 ひゅるひゅるひゅるって回りながら飛んで行く木の輪っかを見たまねっ子ちゃんは、私にもできたって大喜び。


「やった! とんでったよ」


 両手をあげながらそう叫んだもんだから、他の子も何があったのか気になったみたい。


「なになに?」


「ぼく、みたよ。わっかがくるくるってとんでった!」


 みんながやりたいって言いながらこっちに来たもんだから、僕は大慌てだ。


 だって取り合いになんかなったら、輪っかが折れちゃうかもしれないもん。


「ちょっと待って、みんなで遊べるように作るから」


 一度作ったものなら簡単にできるから、僕は体に魔力を循環させてクリエイト魔法を発動。


 さっきの薪から同じ輪っかをどんどん作っていって、それをみんなに渡していったんだ。

 読んで頂いてありがとうございます。


 木の輪っかを作ったということは当然あれも作るのですが、ちょっと用事があるのと文字数も目標に届いたということで今日はここまで。


追記

 すみません。10月中の更新日だけしか書いていませんでした。

 今月いっぱい忙しいので、申し訳ありませんが11月1日の更新もお休みします

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