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設定、その1


 先日感想に強さや環境についての投稿があったので、いい機会だと思い話のキリがいい所で設定の回を入れることにしました。


 ただ、全ての設定を書くとかなりの量になってしまうので、取り合えず今回は世界の成り立ち、物語の舞台周辺の簡単な説明、あと強さと冒険者のランクの話を。



■世界の成り立ち


 この世界は創造神ビシュナが他の世界の神から助言を受けてある世界のゲームを基に作られました。


 そのゲームとはテーブルトーク版ドラゴン&マジックと、そのオンラインゲームであるドラゴン&マジック・オンライン。


 主人公のルディーンは前世でドラゴン&マジック・オンラインをプレイしていたのでそちらが元になっていると思っていますが、実はこの二つをあわせた物に独自のアレンジを加えて作られています。


■周辺地理


△アトルナジア帝国


 物語の舞台であるモンターニュテーレ大陸最大の国。


 帝国の名が示す通り元々は周りの国を侵略して大きくなった国ですが、150年ほど前に聖公国ウィンダリアへの侵攻を計画し、豊穣の女神ラクシュナの怒りを買って滅亡の危機に瀕した事がきっかけで他国に侵攻する事がなくなり、また大国ゆえに他国からも攻められる事も殆ど無いので今では戦争の無い平和な国となっています。


 しかしその頃の名残なのか未だに武を尊ぶ気質の国であり、多少弱体化はしたものの国全体の軍事費は未だ多く、各地へと延びる街道はその兵士たちの巡回により他国より安全に通行できるので商業が盛んになり経済も安定しています。


△魔の草原


 アトルナジア帝国の東端から更に30キロほど進むとそこにはこの大陸最大の魔力溜りがあり、その周辺の魔物は小型でも20レベル中盤、大型のものの中には40レベルを超える個体も居て人が踏み込む事ができない事から魔の草原と呼ばれています。


 この為アトルナジア帝国の東側には人の国は無く、またその魔物たちが万が一帝国の脅威になった時にはすぐさま対応できるよう帝国の東端周辺地域は武門で知られるカロッサ子爵家が治めており、何かがあればそこからすぐにイーノックカウ及び帝国府へと知らせが届くことになっています。



 因みに、この物語の舞台となっているグランリルの村や衛星都市イーノックカウは、この国の最東部に位置します。



△グランリルの村


 主人公が住んでいるこの村はアトルナジア帝国の東端から120キロほどの位置にあり、その東には東部最大の都市イーノックカウが存在します。


 また近くの森には中央に強い魔力溜まりがあり、そのせいで外縁部まで魔物が生息する為にとても危険な場所となっているので、そこから魔物があふれるスタンピートと言う現象に備えて村の周りには木製ではあるが頑丈な柵が設置してあります。


 この様な近くに魔物が出る森や平原がある村はその収入が他の村よりもはるかに多い為に、領地内に魔力溜りが発生したなどの特殊な場合を除くその殆どが帝国直轄になっており、このグランリルの村も年に2度徴税官が訪れて帝国に直接税金を治めています。



△衛星都市イーノックカウ


 アトルナジア帝国で最も東にある衛星都市で、領主はエーヴァウト・ラウ・ステフ・フランセン伯爵。


 領主の趣味が高じて芸術と美食の街としても知られており、帝国中から観光に訪れる者も多い。


 人口は4万人ほどでこの国の中でも大都市と呼べる規模であり、その周りは近くの森からのスタンピートに備えて頑強な石造りの壁で守られています。


■この世界の住人の強さ


 ゲームを基に作られているものの、色々な制約があってこの世界の住人はそれ程強くありません。


 その理由は幾つかあって、まずこの世界では蘇生魔法を使える者が少ないうえに魔法を使うには触媒として金貨1000枚分ほどの魔石か宝石が必要となるのですが、それにもかかわらずその成功率は70パーセントと信頼性にかけ、その触媒も魔法発動時に消費される為に魔法が失敗した場合でもその全てが消えてなくなってしまします。


 この様な理由から死を恐れて無理をしないよう強い魔物と戦おうと考える者が少ないうえに、ゲームのように動物や魔物が無尽蔵に湧く訳でも無いのでゲームで言う所の経験値に当たる魔力を吸収する機会が少ないと言うのがまず一点。


 次にレベル上限がそれぞれ違うので運よく同程度の上限の者と組めればいいのですが、差がある相手と組んでしまうと上限が低い人の強さに合わせなければいけないために成長がし辛くなります。


 そしてもっともこの世界の住人がゲームと違うところは、彼らがプレイヤーキャラクターでは無いということでしょう。


 ゲームではただの村人のはずのプレイヤーキャラクターがいきなり魔物と戦えますが、この世界の住人は村にいるNPCと同じ存在なので、訓練しなければ当然武器は使えません。


 現実なのでゲームのように装備に制限は付きませんが、代わりにただ手にしたからと言って使いこなす事が出来なくなっているのです。


 その為、我流で強くなれるのは才能がある者たちくらいで、その他の者たちの多くはジョブの前段階である見習いジョブさえ持っていないのがこの世界です。


 因みに才能がある者たちと言うのはレベル制限が高い者たちの事を言います。


 加護つきと言うのは、実はここから生まれた言葉だったりするんですよね。


 ただルディーン君のようにジョブ取得下限である8歳になると同時にジョブを習得した場合はそのジョブ準拠になるので、初めからそのジョブにまつわる能力を使えると言う例外になっています。


 これは誰でもそうなので、ルディーン君が特別だった訳ではありません。



 一見チートっぽい賢者のジョブですが、ルディーン君と同じように魔力枯渇状態でも体調を壊さずレベル上限も30以上の4歳児を見つけることができれば、ルディーン君と同じ生活をさせることによって賢者を取得する事ができるようになります。


 ただステータス閲覧や魔力操作に関しては前世の記憶が関係しているので、これに関してはジョブを得ても使えないのである意味チートのようなものだったりします。


 まぁ同程度の能力を持っている人がこの世界に居ない訳ではないので、チートと呼べるかどうかは微妙ですが。



 チートの話しが出たのでネタ晴らし。


 ルディーン君が教えた探知魔法ですが、実はきちんとした手順を踏めばレンジャーのサブジョブが付く前段階くらいの性能でいいのなら魔力操作を人に教える事ができるほどの腕があれば覚える事ができます。


 ただ彼はこれを探知”魔法"と呼んでいますが、実は探知スキルなんですよね。


 それなのに魔法と呼んでしまったのとサーチと言うよく似た魔法があった為に、魔法が使えれば誰でも習得できると勘違いしているのが他の人ではつかえないと考えられてしまった理由です。



 最後にこの世界の兵士の強さ。


 これは街の巡回している兵士は大体見習いジョブの5レベル以下で、街道を巡回している兵士はたとえジョブを持っていても2レベル以下です。


 これは町のごろつきや野盗などは力は強いものの、碌な訓練などしていないから見習いジョブさえ習得していない者が殆どで、それに対応するだけならこの程度の実力で十分だからです。


 また、騎士とも成れば子供の頃から剣の練習をしているために少し上がって4レベル以上で、近衛になるとやっと7レベル以上と言ったところでしょうか。


 これにはちゃんと理由があって、この世界では命を狩らない訓練では見習い系のジョブのレベルは上がるのですが、これがジョブに昇華すると殆ど上がらなくなるからです。


 だから兵士は基本訓練はしますが巡回中の遭遇や大規模演習以外では魔物と戦う事はあまり無いので全体的にそれ程強くなく、戦争に借り出された農民などは当然見習いジョブも持っていないのでもっと弱いと言う訳です。


 また兵士の中には一部実力で冒険者から遊撃部隊として召抱えられた者たちも居て、そのような兵たちの中には15レベル以上の実力を持つ者もいます。


 因みに、神官や魔法使いに関しては例外で、彼らは魔法を使う時にMPを消費するので、それを回復するのに空気中の魔力を吸収します。


 ですから魔物を倒すほど早くはありませんが、マジックキャスターは魔法を使えば使うほどレベルは上がっていきます。


■冒険者のランク


 実際はここまで厳密には決まっていませんが、物語の都合上冒険者のランクには大体の基準が決めてあります。


 パーティーを組んでいるメンバーの平均が以下の基準を満たしてるとそのランクのPTになっていると考えてください。


 因みにソロだとこれに2~3レベル足したくらいでしょうか。


S 20レベル以上

A 15レベル以上

B 11レベル以上

C 7レベル以上

D 3レベル以上

E 1レベル以上か一定以上の武器の基礎が身についている

F 見習いジョブ9レベル以下

G 採取や街の下働き依頼専門


 これはあくまで目安で、評価ポイントがたまらないとランクは上がらないので当然グランリルには20レベルを超えているにも関わらずEレベルの人が居ます。


 これを見てもらえば解る通り、ルディーン君の兄弟はディックやテオドルでもすでにDランクの資格を取れる強さになっていますし、ヒルダにいたってはPTでAランク、ソロでもBランクの冒険者の実力を持っているわけです。


 若者でさえこの強さ、一見するとグランリルの村ってちょっと異常ですよね。


 ですがルディーン君の話題に良く出てくる通り、この世界にはレベルキャプが30を超えた人ばかりで構成され、なおかつ回復魔法や蘇生魔法を使えるメンバーが居るおかげでこの世界ではありえないほどのレベルに達して英雄と呼ばれる冒険者たちも居ます。


 そんな彼らからすれば、グランリルの村人もそれ程強い存在ではなかったりするんですよね。


 なにせ魔物との戦いで全体的に強くはなっていますが、レベルキャプに関して言うと他の村に住んでいる人たちよりも高いと言うわけではありませんから。


 平和な地方で一番強い、それがグランリルの村と言うわけです。


 最後に、この世界では一部の特殊なスキルを生まれ持った人以外でレベルキャプに達した人は歴史上でも殆ど居ません。


 これは高レベルほどレベルアップに必要な魔力が多くなるのに、それを得る為に必要な魔物の数が足りて無いからです。


 まぁ、もしそれほど高レベルの魔物がたくさん居たら、この世界は滅んでるでしょうけどね。



 さて、今まで物語に出てきた設定をつらつらと並べてみましたが、どうでしたでしょうか?


 物語の展開上初期とは少し変えているところもありますが、この様な設定でこの物語は動いています。


 そしてこの他にも魔法とか他国の情勢、魔族の動きなどの詳しい設定は当然あるのですが、それはまた別の機会にでも。


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