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ショートショート5月~

ドロップ

作者: たかさば
掲載日:2020/05/19

缶に入ったドロップをもらった。

きらきら輝く、綺麗なドロップ。


一粒口に入れたら、信じられないくらいフルーティーで、幸せな味がした。


赤、緑、黄色、紫、ピンク、オレンジ、水色、白、透明。

全部味が違って、食べるたびに違う感動をくれた。


こんなにおいしいキャンディがあるんだと、大喜びして。



毎日一粒づつ、大切に食べる。



日替わりで楽しむ、15分間。

幸せな、15分。

宿題を終えた後の、お楽しみにした。




毎日幸せに大切に食べてきたキャンディ。




だんだん数が、減ってきた。

毎日の幸せを、二日に一度にする。

だって、なくなってしまうのは、悲しいから。


大丈夫、まだ半分以上残っているから。




だんだん数が、減ってきた。

二日に一度の幸せを、三日に一度にする。

だって、なくなってしまうのは、悲しいから。


大丈夫、まだ半分くらい残っているから。




だんだん数が、減ってきた。

三日に一度の幸せを、一週間に一度にする。

だって、なくなってしまうのは、悲しいから。


大丈夫、まだ半分以上残っているから。




一週間後。


缶を振ると、音がしない。


中で、キャンディが、固まってしまった。

取り出すことが、できない。


缶を、無我夢中で振り続ける。

何度も振っていると、ガコンゴトンという音と共に、固まっていたキャンディがばらばらになった。


缶のふたを空けて、中身を出そうと傾けると。

ばらばらに砕け散ったキャンディのかけらが、ザザッと出てきた。

あんなにきらきらしていた、宝石のようなキャンディが、白くにごって、色が混じって。



私は、なんと言うことをしてしまったんだろう。



手の平の上の、色の混じったかけらを口に入れると。

あんなにおいしかったキャンディなのに、味がばらけてしまって、おいしいけれど、悲しくなった。



半分のキャンディが、本当のおいしさをなくしてしまった。

キャンディに、申し訳なくて。

キャンディのよさを握りつぶしたのは、紛れもなく、私。


おいしいものを食べるなら、時期を見極めないと、だめなんだ。

おいしく食べてあげられる、時間を見極めなければいけないんだ。



「おいしく食べられるうちに、食べないといけないんだって!!」



冷蔵庫に、プリンがひとつ残ってたのよ。

プリンってさ、生ものだから、足が速いでしょ?

だからね、食べといてあげたんだってば。


「ほう、なるほど・・・?」


ヤバイ、娘の顔が、マジモードだ。


「味薄かったよ!!」


「嘘つけええええ!!!」




昨日並んで買ったという限定数100のプリン。

ついついおいしそうで、一口もらおうと思ったら、ついつい全部食べちゃって。



めっちゃおこられてる私がここに。



「何でちょうだいっていわないの!!!」


「ちょうだい!」


「食った後で言うな!!!」



だめだ、ゆるしてもらえそうにない。





明日の予定は、朝一プリン行列に並ぶことが決定した。

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― 新着の感想 ―
[一言] 後出しのちょうだいって。 それはもう怒られちゃうって笑
[良い点] しょーもねw 最後にこれ来るか [気になる点] 途中まではいい話でした。 [一言] ウチの冷蔵庫が勿体なくて腐らせる状態です
2020/05/19 21:50 退会済み
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