表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
ダンジョン攻略
96/125

風のダンジョン 1層 その3

「どうだった?」


 ちょうど全部拾い終わった時、アントン達が後ろに立っていた。


「うーん。大丈夫じゃない?そんなに強くないし、囲まれたけど普通に全部倒せたし。」


「そうか。ならあと出てくるまだ見てない魔物はオークぐらいか。」


「でも、どうなんだろうね。この調子だと、そこまで強くなさそうだけど。」


「そうかもな。でも油断はするなよ。」


 拾った物を全部アントンに預けた後、また歩き始めた。

次も剣聖技ちゃんと使えるかな?


 でも、その機会はなかなか来なかった。

だって、ゴブリンに群れってなかなか出てこないし、出てきたと思ったら今度はシズクが魔法で倒しちゃうんだもん。

 はぁー。

もっと強いの出てこないかな。


 しばらく歩いてたけど、出てくるのはスライムとかコボルドばっかりで全然手ごたえがないし、レベルも全然上がらない。

しかもどんなに歩いても周りの景色が変わらないんだよ?

正直退屈になってきたんだけど。

壁の石の数でも数えてるか……。

 ……おっ!この気配は!


「ちょっと待ってて。すぐ戻るから。」


 そう言い残して、その気配がした方にダッシュして向かった。

その先には、予想通りガリガリオークがこちらを向いて立っていた。


「ようやく見つけた……。退屈しのぎになりそうかな?」


「ブモオォォ!!」


 ガリガリオークが叫び声をあげるとともに、手に持っていた石をこちらに投げつけてきた。


「あぶなっ!?」


 あまりに急なことに少し驚いたけど、魔力感知でわかっていたからよけることは簡単なんだよね。

おー、でも投げると同時にガリガリオーク本体もこちらにとびかかってきてる。

これは油断すると危ないかもしれないね。

まあ、僕は大丈夫だけど。

大きく3歩ほど後ろに下がってオークを躱すと、ダンジョンの地面にビターンとガリガリオークが激突した。

 もう大丈夫かと思ったら、ガリガリオークが身軽さを生かしてすぐに経ちあがった。

そうか、外のオークだと起き上がるのに時間がかかるけど、ガリガリだからすぐに起き上がれるのか。

なら、もう少し早く動いかないとね。

でもガリガリオークも少し警戒しているのか、すぐにとびかかるようなことはしてこなかった。

 なら、こっちから行くしかないよね。

身体強化を使って、一気に近づいた。


「ブモッ!?」


 ガリガリオークは慌てたように後ろに下がりながら、左腕を振ってきた。

お?下がるんだ。ここも外の魔物とは違うところだな。外の魔物は引くことはしないからな。

体勢を低くしてガリガリオークの左腕をやりすごすと、もう一歩大きく足を踏み込みながら剣を振った。

ザシュッ!

僕の振った剣がガリガリオークの左腕を切り落とした。


「ブモッ!!」


 それなのにガリガリオークはそれに特に反応を示すことなく、残った右腕で攻撃してきた。

それを魔力感知で感知して、大きく後ろに下がってよけた。

パッと前を向くと、ガリガリオークが右腕を地面について飛び蹴りしてくるところだった。


「マジかっ!?」


 それを後ろに飛びながら剣で受ける。

危なかった。あれが直接当たってたら死んでたかもしれない。

でも、


「いいね。お前だったら退屈しのぎになりそうだよ。」


 ふう、と大きく息を吐く。

 意識を集中させろ。

 深く、深く潜っていけ。意識の底まで。

 この一回の剣に意識のすべてを向けろ。


「……剣聖技 夢閃十文字。」


 その一言共に、素早く剣を袈裟に振り下ろす。

 すると、こちらの様子を少し離れたところから見ていたガリガリオークの体に袈裟と逆袈裟の十字の傷が突然生まれた。


「ブモッ!?……オォォ。」


 あまりに突然のことに大きく目を見開いているが、もうその傷が治ることはなかった。

最後にうめき声を上げてその体を消滅させた。

さっきまでガリガリオークが立っているところに行ってみるとそこには塊で魔物肉が落ちていた。

軽く鑑定してみると


名称 魔物肉

所有者 レオ

種類 食材


耐久値 100

攻撃力 0


効果 耐久値が減るほど生で食べた時体を壊しやすい。


とのことだった。


「さっきのが最後のオークってやつか。

レオ、一人は危なさそうだったがどうだ?」


 声のした方を見るとアントン達が立っていた。

待っててって言ったのに。


「うーん。どうかなこれが複数体いたら危ないかもしれない。

でも一体だけだったら、一人でも普通に勝てるんじゃない?」


「結構危なさそうだったけど?攻撃も一回食らってたし。」


「いや、魔法も使えば楽勝だったよ。さっきは剣聖技っていうやつの練習をしてたからね。」


「その剣聖技っていうのは何なんですか?さっき剣が当たっていないはずなのにあのオークに攻撃が入っていましたが、それがエドガーさんにもらったスキルなんですか?」


「剣聖技は剣のスキルレベルがMAXになったら使えるようになる剣の技だね。

これはまだよくわからんないんだけど、剣が届いていないところにも攻撃できるんだよね。

だから、これはエドガーさんにもらったスキルじゃないよ。」


 そうだった、そっちの練習もしておかないと。

そういえばあのガリガリオークの鑑定結局しなかったな。

今度してみようかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ