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人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
ダンジョン攻略
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強くなるために

「エドガーさん、久しぶり。ちょっとやっちゃったかも。ごめんなさい。」


「今日は仕方なかっただろう。

大方その4人がアリスに絡んできたのだろう。

前にもそんなことがあったと聞いていたからな。

それと、人が集まってきてるから場所を移そうか。

確か2階の会議室が空いていたかな。」


 周りに目を向けると、確かにちらちらとこちらを見ている人がたくさんいる。


「はい、今日は使っていなかったはずです。」


「なら行こうか。そこの4人もついてきてもらおうか。」



 魔道エレベーターに乗って2階に向かった。

これ乗るの3回目だけどまだ慣れないな。なんか上から何かがグワッてのしかかってくるみたいな感じがするんだよ。でも一気に全員が移動できるって言うのは素晴らしいね。広さも十分にあるし。


チーン。


 2階について前に行ったことのある部屋の前にたどり着いた。


「じゃあ、レオ君たちと4人は中入って。オリビアはアリスを頼んだ。」


「分かっています。……少しだけ二人で話しましょ、アリス?」


「……分かった。」


 泣き止んだアリスがオリビアさんに連れられてほかの部屋に入っていった。

それを見送ってから皆が入っていった会議室に入った。


 部屋の中ではもう話が始まっていた。

っていっても一方的だけど。


「さて、君たちはどうしてこうなっているかわかっているか?」


「「「「…………。」」」」


「いや、もうそんなことは聞かなくても分かるからいい。

なんでアリスにあんな行動をとったのか、言ってもらおうか。」


「「「「…………。」」」」


「何もいわないのか?言わなければ何も伝わらないが?」


「「「「…………。」」」」


 まあ、しょうがないよね。今エドガーさんは普通に商人としての独特な雰囲気をまとっているし。

それは僕がさっき放った威圧とはまた種類が違うものなんだよね。

僕がさっき放ったのを火と例えるなら今エドガーさんが放っているのは氷のそれだ。

冷ややかだけど、その目の中には答えるまで帰さんと確固とした決意が浮かんでいる。

 ……はあ、早く終わらせたいし少しだけ助け船を出してあげようか。


「さっき、なんか言ってなかった?ずるいだとか、魔法のこととか。」


「そんなこと言っていたのか?」


「……だってそうだろ。俺だってお金があればあいつと同じくらいできたはずなんだ。」

「そうだ。俺たちは安物の剣で何とかやってきたっていうのに、金にものを言わせて強くなるとかずるいじゃないか。」

「俺たちだって、もうDランクからCランクに上がってもおかしくないはずなんだ。なのに、まだDランクでも真ん中あたりで止まっちゃってる。」

「私だって、もっと強い魔法を撃てるもん。もっとしっかりした装備があれば。」


 はいはい、そういうことね。でもわかってないのかな?

どんなに装備がよくても、大して変わらないのに。だって、変わるのは耐久値だけで攻撃力とかは変わらないし。それが、魔法剣とか魔法杖とかじゃない限り。

いや、もちろん重さとかで威力が変わることはあるけど、それを含めた最高の攻撃力が冒険者カードに書いてあるわけだし。

 だから、お前たちが言ってることは間違ってるんだけど、どう説明したものかね。

多分そのまま説明してもわからないでしょ。


「……そんなはずがないのは分かっているでしょう?

どうしてそんなことを言うんですか?」


 ……え?


「それに、たとえそうであったとしても私たちは彼女よりも強いです。

それをどうやって説明するつもりですか?」


 ヒカリが怒ってる。久しぶりだな、ヒカリが怒ってるのを見るのは。

でも、そりゃそうか。僕達の中でもヒカリが特に強くなろうとしてたし。

本人曰く、支援魔法はある程度強くないと意味がないらしいし。

それに、そもそも回復魔法を使えるようになるのにもすごい練習が必要になるっていうのは有名だし。

だから努力量も人一倍なんだよね。


「それは、あんたたちが天才だったってだけだろ?」


 あ。やばい。それは割と禁句だ。特にヒカリには。


「……天才?私が?どうなったらそんなことが考え付くんですか?

あなたたちは私がどれだけの努力をしていたのか知らないのにそんなこと言うんですか?

あなたたちは本当に強くなるために行動を起こしていたんですか?」


「そうだよ。俺たちだって毎日欠かさず剣を振ってた。」

「私だって魔法の練習を欠かした日はなかったのに。」


「その程度ですか?その程度であれば当然でしょう。

私たちは毎日剣と魔法の練習をしていましたよ。それこそ体力と魔力が尽きるまで。

それだけやって初めて強くなれるんです。

あなたたちは知らなさすぎます。強い人が何をしているのか。

正直まだ嫉妬していい段階まで行っていませんよ、お前たちは。」


 まあね、4人からしたら努力しているつもりだったんだろうけど、それは努力じゃないんだよね。

実ったものが努力で、実らないものは努力に似たほかの何かなんだから。

でもまだこれからやればいいんじゃないかな。ヒカリも暗にそう言ってるし。

嫉妬するならもう少しくらいやれることをやってからにしろって。

 さて4人はどうなるかな?

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