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人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
ダンジョン攻略
78/125

世界の神話

 さて、これから話すのは嘘のようだけど本当にあった神々の話。


 世界中にたくさんの神様がいました。

それぞれの生物の生みの親としてこの世界に生きていました。

例えばそれは犬の神。

全ての犬族の始祖となった神。

例えばそれは風の神。

この世界に吹く風を創り出した神。

彼らは等しく世界に生きる生物を慈しみ、愛していました。

全てに生物に自我があって、皆が仲良く暮らしていました。


 しかし、そんな世界にもあるしきたりがありました。

100年に一度、最も優れた生物を生贄としてこの世界の創造神に捧げなければならなかったのです。

世界の中心にいる創造神に。

世界に住むどの神もそのしきたりを嫌がっていました。

でも創造神があまりにも強かったため、逆らえませんでした。

悲しみを堪えながら、愛する子たちを捧げていました。


 そんな生贄に捧げた子の数が10を超えた時、とても強い子が生まれました。

その子は生まれたその時から特別でした。

白い髪は何ものにも染まらない純真さを。

青い瞳は空のように果ての無い好奇心を。

その微笑みは神も赤面するほどでした。

そのため様々な神に好かれました。

その結果、その子はすべての神から教えを授かりました。

その手は万物を砕き、その足は万里をかけ、天候さえも操りました。

神々は色めき立ちました。

もしかしたら、あの創造神もこの子を見ればあのしきたりをやめてくれるのではないかと。


 しかし、創造神はそれでもしきたりを変えませんでした。

それどころか、世界に4つのダンジョンを作り出したのです。

そのダンジョンには恐ろしい魔物がたくさんいました。

そのせいか入ってから出てきた者はとても少なかったそうです。

しかも、神はその中に入ることができなかったのです。

ダンジョンの中にいる者を助けることができなかったのです。

この所業にこれまで従っていた神々も反乱を起こすことに決めました。


 世界は神々同士の戦場になってしまいました。

昼と夜が数時間おきに変わり、天候に至っては数分おきに変わりました。

天は裂かれ、地は割れ、海は蒸発しました。

その間、神ならざる生物はただ神々が用意してくれた岩戸に隠れるほかありませんでした。


 しかし、その戦争は唐突に終わりました。世界各地に傷跡を残して。

創造神は右目と左腕を永遠に失うという痛手を負いましたが、それでも勝利しました。

そして世界から神々が消えました。


 岩戸から出た者たちは世界を見て大きな衝撃を受けました。

彼らの親である神々がいなくなってしまったのです。

その上、不幸は重なってダンジョンの魔物があふれ出てきたのです。

彼らは次第に自我を失っていきました。

そんな中魔物相手に立ち上がった種族がいました。

物理的な力はそれほどでも知力が高かった人間です。

彼らは一人の少女を旗印に群れを作り、策を弄し、魔物を駆逐していきました。

そして、集落を作るまでに至ったのです。


 その集落が成長し、聖都と呼ばれる人間の中心地になりました。

しかし、どれだけ時間が経とうとも誰にもダンジョンができた理由を知りえなかったのです。








「……以上がこの世界の神話です。

以前話したかもしれないものとは、大分内容が違うでしょう?」


「……そう、ですね。

神がたくさんいたとか、神同士で戦争があったとか全然知りませんでした。

でもなんでこれが公開されていないんですか?」


「分かりませんか?

この話だと、創造神は私たちの敵なんです。

この世界を作ったであろう神が敵になってしまうんです。


 もしそうだってなったら、あなたはどう思いますか?

私だったら、自分どころかこの世界にも存在する理由がないのではないかと思ってしまいますね。」


「……確かに。」


 まさかそんな神話があったとは。あとでマサムネにも聞いてみようかな。

何か知ってそうだし。


「知っていいことと知ってはいけないことがあるんですよ、この世界には。

何でもかんでも知ったらいい、というわけではないんです。

隠されていることにも理由があるんです。

もしこの話が広まってしまったら、自殺する人がとても増えるでしょうね。」


 うーん。だとしたら少しおかしなことがあるけどな。


「ねえ、どうしてアナさんはそれを知ってるの?

見たところそこまで強そうでもないから元Cランク以上てわけでもないでしょ?」


 アナさんは魔法使いだとしてもそこまで強くなさそうだよ?

なのになんで知ってんだろ。

あえてアナさんが来たってことは誰でもいいってわけでは無いだろうけど。


「まあ、それは私が領主の娘だからですね。」


「「「「……え?」」」」


「だから私はバンケア・デ・イースターの娘なんです。

だから私は地位が高いほうなんですね。

どこの地方にも私みたいな人はいますから、別に変なことではありません。」


 いやー、そういう問題じゃなくない?

もうなんか考えるのめんどくさくなってきたよ。

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