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人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
称号『復讐者』
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謎の男、襲来!

もうサブタイトルがネタ切れです。

「ちょっと待ってください。ジークさんが伝えてないということは考えられません。

何かあったと考えるべきでしょう。」


ヒカリが沈黙を破った。すごいな。もうギルマスが頭を抱えちゃってるし、話ができるような状況ではないと思ってたんだけど。


「そうだね。一番に思いつくのが情報がギルマスに伝わる前に何者かによって潰されたか、だよね。でもそれをしてもいいことなんてなんもないのに、誰がしたんだろ。」


「うーん。あれじゃない?何だっけ?…アレ?アラ?何とかっていうの。」


「アラ・デレチャ、な。確かにそうかもしれないな。あの商会の元商会長の部下だったやつらだったなら、誰も気づかないように情報を握りつぶせるかもしれないしな。」


 その時、


コンコン。

アンさんが入ってきた。


「失礼します。ギルマス、客人がお越しになりました。」


「はあ!?まだ時間ではないはずだが?」


「すまないな、ゴルド。緊急の件だったから早めに来させてもらった。

で、そこの4人がオークロードを倒した冒険者か?」


 アナさんの脇から、一人の男性が入ってきた。

艶やかな青い髪を七三に分け、白い肌が碧眼を際立たせている。

少し高い鼻も薄い唇も、総合的に中性的な見た目をしている。

来ている服も一目見ただけで高価なものだとわかるほどだ。

……なんだ?アレは同じ人なのか?


「そうですが、時間は守ってくださいね。

こちらにも予定というものがあるので。」


「今回はしょうがないだろう。

じゃないと、4人から率直な意見が聞けなくなってしまうだろう?」


「まさか。失礼のないように言うつもりでしたが?」


「そうか。なら、そういうことにしておこう。

では早速本題に入ろうか。」


 そういいつつ、腰のアイテム袋から一人用の椅子を取り出してそこに座った。

いや、なんだこの人。

アナさんはその後ろに立ってるけど仕事いいのかな。


「昨日の夜にこんな手紙が見つかってな。

一回読んでみろ。」


 そういって、こちらに渡してきた。


「はあ、わかりました。

……………、これって本当のことですか!?だとしたら……。」


「ちょっと貸して。」


 なんか考え始めそうだったアントンの手から手紙を奪うと、


“ブラッディ・ベアは我々が掌握した。

街を守りたければ、よそ者を処刑しろ。

期限は1週間だ。”


 こんなことが書いてあった。


「……へぇ。なるほどね。

まあ二人も読んでみて。」


「分かりました。」


「うん。」


 手紙を二人に渡す。

でもブラッディ・ベアを掌握した、か。仮にできていたとしてもどうでもいいけどね。

僕達に敵対するのならば、どっちも殺してしまえばいいんだし。


 読み終わった二人は特に何も言うことなく、それをギルマスに渡した。

文章は短いからか、すぐに読み終わったようで、それをすぐにやたらにきれいな男に返した。


「全員確認したな?

この場ではお前ら4人を守るか、ブラッディ・ベアを討伐するかどちらを選ぶかを決めるぞ。」


「その前に少し確認したいことがあります。

ブラッディ・ベアが出現したことをあなたは知っていましたか?」


「ああ、知っていた。

だがジークから聞いていた話ではもっと後になるはずだった。

具体的には1年ぐらいだな。」


「つまり、ジークは討伐はできなかったが、傷をつけることができたっていうことですか?」


「報告ではそうだったな。

いくら剣聖でもソロで倒すのは難しかったようだ。」


……なるほど。ジークさんはギルドじゃなくて、この人に伝えていたのか。

じゃあ、この人っていったい何者だ?

ギルマスが敬語を使ってるっていうことはそういうことなのかな?


「では次の質問です。

本当にブラッディ・ベアを掌握することができるのでしょうか?

ギルドではそんなことができる魔道具は知りませんが。」


「可能、だな。

あくまで一時的なものになるだろうが。

ダンジョンでその手のものが何回か見つかっているし、別にやつらがそれを持っていたとしても不思議ではない。」


「やつら、ですか?」


「そうだな。

確か“アラ・デレチャ”、だったか。そんな懐古主義者で無法者の集まりだ。

正直私は興味のかけらもないが、お前たちからしたらそうじゃないだろ?」


 ……なんでこっちに話を振ってくるんだ?

しかも僕に目を合わせてくるし。

ギルマスもなぜか必死そうな顔でこっちを見てくる。


「……僕からしても興味はないよ。

ただ、僕達に傷をつけようとするなら、容赦しないっていうだけだよ。」


「ふふふ、それは私でもか?」


「当然。」


「そうかそうか。面白いな、お前。」


「はあ、不思議な人だね。」


 ちらっとギルマスの方を見ると、顔が真っ青だった。

なのに、目は血走ってる。こわ。

3人はやれやれ、とでも言いそうな表情をしていた。


「いやいや、君は面白いぞ。名前を聞いておこうか。」


「レオだよ。」


「そうか、レオだな。覚えたぞ。」


「まだこのものは子供でわかっていなかったのです。

今日は見逃してもらえないでしょうか!?」


 おおう、ギルマスはどうしたんだ?

いきなり立ち上がって頭を下げたぞ。

覚えたって言ってたからなんかされると思ってるのかな。


「いやいや、レオは私が誰かもう気づいてるだろう?」


「そうだね。この街の領主様でしょ?」


「そうとも。

私はこの街の領主、バンケア・デ・イースターだ。」


 だろうね。思ったけど口には出さなかった。

こういう時は邪魔しちゃいけないって酒場で教えてもらった。

それに、声を上げることは許さんとでも言いたげな目で睨まれたからね。

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