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人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
称号『復讐者』
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不穏な影

 3人を街に案内すると、衛兵さんに連れていかれた。

事情を聴かないと街の中に入れることができないんだって、当然だけど。


「あと今日はどうする?まだ時間は十分にあるが。」


「もう1回戻って魔物探そうよ。もし()()と戦うことになるとしたら、少しでも強くならないと。」


「そうですね。どれくらいアレが強くなってるかわかりませんからね。」


「私も賛成ー。こればっかりは絶対に負けられないからね。」


「じゃあ、行くか。でも一応冒険者ギルドにもよって情報も集めたいから早めに帰るぞ。」


 その後魔物討伐に戻って、グレイ・ウルフやグレイ・ラビットを中心に討伐した。こっちの方にもグレイ・ラビットはいるんだな。

その結果レベルは1上がったから普通にうれしかったけど、少し心配なことがあった。

って言うのもオークを1匹も見かけなかったんだ。

誰かが倒しつくしちゃったのかな?

 そろそろアイテム袋の中のオークもなくなりそうだから、今日のうちに倒しておきたかったんだけど。


「じゃあ、そろそろ帰るぞ。あの3人の話もギルドに行けばわかるかもしれないからな。」


「「「了解。」」」



「そういえば、ちゃんと剣の手入れしてるか?」


 冒険者ギルドに向かっている途中でアントンに話しかけられた。


「いや、血が付いたら拭いてるくらいかな。手入れの仕方とかわからないし。」


「そうか。まあ、それだったら鍛冶師の所にもっていくのが一番だな。この後、俺が普段雑用で行ってるところに連れて行ってやるから、じーさんに頼んでみるといい。」


「分かった。ありがとう。

そういえばみんな普段どんな事やってるの?」


 聞いたことなかったなぁ、とか思いながら聞いてみると


「私たちは魔物や動物の皮をきれいに洗ってから乾かすとかですかね。」


「あと大きさを分けるとか。装備によって大きさが違うからね。」


「なるほどな。俺の所じゃ、だいたい事前準備が大半だな。

剣の材料になる金属を運んだり、炉に火をつけたりといったところか。

あとたまに剣の鋳型に鉄を流し込むの手伝ったりだな。」


「剣を打ったりとかしないの?」


「できないな。俺はあくまで手伝いだからな。

レオはどうなんだ?」


「僕はおばちゃんの庭掃除だったりお使いだったりそんな感じかな。

昨日全部雑草抜いたと思っても、次の日にはもうボーボーだからね、結構大変だよ。」


「じゃあ東の商業地区の方にも行ってるんだ?」


「うん、いろんなお店があって面白いよ。お使い以外で行ったことないけど。」


 そんなことを話していると冒険者ギルドについた。


カララーン。


 ギルドの中にはあんまり冒険者がいなかった。

昨日お酒を飲みすぎたのかな。


「アナさん、少し聞きたいことがあるんですが。」


「どうしたんですか?今日は皆さん酔いつぶれてるので暇なんですよ。」


やっぱりそうなんだ。


「ブラッディ・ベアの目撃情報とかってないですか?」


「ないですよ。そんなに魔王種は生まれませんからね。

冒険者に倒されるっていうのもそうですが、魔物同士も殺しあっているので現れることは稀ですよ。」


「そうなんですか。先ほど街の外で村を魔物の大群に襲われたって言ってた3人組を見つけたんですが。」


「それは……。」


「レオ、アントン、ヒカリ、シズク。すまないが奥まで来てくれるか。」


 アナさんの後ろにいつの間にかギルマスが立っていた。

どうしたんだろ。昨日の宴会でも姿を見なかったし。


「ギルマス!?

今日は来客があるから仕事を早めに終わらせるとか言ってませんでしたか?」


「それどころじゃなくなった。少し、4人に聞いておかないといけないことがあるから借りるぞ。」


「はあ、まあ私は構いませんが。皆さんは時間は大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ。3人とも大丈夫だよな。」


「まあ。」


「はい。」


「うん。」


「じゃあ前回と同じ部屋で話すぞ。ついてきてくれ。」



 そして、場所は変わって前回と同じ部屋に通された。

そこにある椅子とかは全然違う一目見ただけで高価なものだとわかるものに変わっていたけど。


「適当に長椅子の方に座ってくれ。」


 言われた通りに座る。……やっぱり座り心地いいわ、これ。

僕達が全員座ったところでギルマスが話し始めた。


「さて、まず聞きたいことなんだが、オークロードをどこで倒した?」


「えっと、街からそこまで離れていないところでした。だいたい歩いて5分かからないくらいでした。」


「……そうか。となると、やはりあれは正しい、ってことになるのか。」


ギルマスが頭を抱えてしまった。


「あれって何ですか?」


「……ああ、それはな、ブラディ種が生まれたかもしれないってことだ。

それもかなり強い。ウルフ族やオーク族でもない、おそらくベア種のな。」


「「「「え?」」」」


「お前たちが倒したオークロードは準魔王種なんだ。オーク族の魔王種はブラッディ・オークと呼ばれる。だが、オークロードとブラッディ・オークは同時に生まれることはない。

ブラッディ・オークはオークロードが進化した後の姿といわれているからな。

だから、多分今回は最恐最悪の魔王種のブラッディ・べアが現れたって考えるべきだろうな。」


「「「「………。」」」」


「お前たちも資料室に行ったから知っているだろうが、ブラッディ・ベアはほかの魔物を操ることができるほどの知能を兼ねそろえている。だから本当に危険なんだ。

それに今この街にはBランク以上の冒険者はいない。

あれを討伐するのにどれだけの犠牲が生まれるか、そもそも討伐できるのかさえもわからない。」


 いやいや、ちょっと待ってよ。


「それ、俺達に話してもよかったんですか?結構な情報では?」


「うん?ああ、かまわない。あの3人を保護したのがお前たちだったって聞いたからな。だったらちゃんと教えて、そのうえで他言しないように言うつもりだったからな。

遅れたが、ここで聞いたことは正式に発表があるまで誰にも言うなよ。」


「……いや、その前にまだ知らなかったの?」


「?どういうことだ?」


「僕達の生まれた村がブラッディ・ベアに燃やされたって話をジークさんあたりから聞いていないの?」


「……は?」


「だから、ジークさん達にブラッディ・ベアが生まれたとかきいてないの?」


「……聞いていないが?」


「そうなんだ。」


 どういうことなんだろ。おかしいな。ジークさん達はそういう情報はギルドに伝えてると思うんだけど。

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