初めてのオーク戦 その2
「大丈夫かな。」
オークを1体倒した後、すぐにアントン達の所に向かった。
戦っている間に少し離れてしまっていたようで、少し離れたところで戦っているのが見えた。
アントンが次々と攻撃を受け流して、そこをシズクとヒカリが魔法で攻撃してるっぽいな。
火力不足なのか、まだ1体も倒しきれてない。
でも、オークの攻撃がなぜかアントンに集中しているな。
攻撃してるのはシズク達だから攻撃がそっちにいってもおかしくないと思うんだけど。
「戻ったよ。」
「おう、じゃあとどめを頼む。」
「了解。」
アントンに攻撃を受け流されて体勢を崩した傷だらけのオークが僕の目の前に来た。
そこをさっきと同じように首を切り裂く。
ザシュッ!
「ブモオォォ…。」
シズク達の魔法でHPが削られていたのか、さっきとは違って1回で倒しきれた。
そういえば鑑定を忘れてたな。
残りも一応鑑定しておこうかな。
名称 オーク
基本情報
LV 10~20
HP 150~300
MP 0
SP 100~250
攻撃力 400~500
魔法力 0
物防力 50~150
魔防力 50~150
回避力 0
スキル ーー
称号 ーー
個体情報
LV 13
HP 106/195
MP 0
SP 79/145
攻撃力 430
魔法力 0
物防力 80
魔防力 80
回避力 0
スキル ーー
称号 ーー
HPがすごい多いな。それに物防力も魔防力も普通に高い。
なかなか倒しきれないわけだな。
それ以外もステータスはこれと同じくらいだな。
……うん?一体だけおかしいのがいるな。
個体情報
LV 14
HP 127/210
MP 0
SP 94/160
攻撃力 440
魔法力 0
物防力 90
魔防力 90
回避力 0
スキル 『身体強化魔法 LV1』『体魔変換 LV1』
称号 『群れの長』
……これってやばくないか。
体魔交換っていうのがよくわからないけど、身体強化を持ってるってことは使うってことじゃないか?
これ使われたらまずい。
そう思って、アントンにその1体を優先して倒そうと伝えようをした瞬間、
そのオークの体から湯気が上がり始めた。
「アントン!やばいっ!」
ドンッ、という音とともにそのオークはアントンにこれまでとはくらべものにならない速さで殴り掛かった。
それをアントンは何とか盾で受け止めたが、盾はその手から離れて遠くに飛ばされてしまった。
「ブモオォォォォッ!!!」
オークが大きい雄たけびを上げる側で、アントンは盾を持っていた右手を抑えたまま動かない。
怪我したのか。
まあ、あの攻撃力に身体強化も乗ったらとんでもない数値になってるんじゃないか?
名称 オーク
LV14
HP 126/210
MP 0
SP 92/160
攻撃力 880
魔法力 0
物防力 180
魔防力 180
回避力 0
スキル 『身体強化魔法 LV1』『体魔変換 LV1』
称号 『群れの長』
……やばいな。物防力と魔防力が高すぎて、攻撃は入らないと考えていいな。
でもあそこまでの身体強化は長くは持たないはず。
なら時間が勝負かな。
身体強化も感覚強化も魔力放射も魔力感知も武器強化以外を全力で使う。
群れの長に向かって思いっきり足元の意思を投げつけた。
コツンっていう音とともに群れの長の当たった。
グルンって音がしそうなくらいな速さでこちらをオークが向いた。
明らかにターゲットをアントンから僕に変えたのがわかった。
「二人はアントンを助けた後、あの煙だらけのやつ以外の対応をして!」
「わ、わかりました。」
「レオはあれと戦うの?大丈夫?」
「大丈夫!アレは勝てる相手だよ!」
ドンッ、という音とともにアントンと同じ感じで僕に殴り掛かってくる。
でもまあ、今の僕はそれを魔力感知と感覚強化でちゃんととらえられてるんだけどね。
後ろに下がって、群れの長の前足を躱す。
次は反対側の前足が来そうだな。
ッ!いや後ろ足の蹴りか!
ジャンプしてそれも躱して首筋を剣で斬ってみる。
スッ…。
オークの後ろに着地しながら手ごたえを確かめる。
……うーん、やっぱりだめか。薄皮しか切れてない。
この感じは回し蹴りかな。
大きく距離を取ってそれも躱す。
攻撃は捨てて、時間稼ぎに集中するか。
攻撃を何回も躱しているうちに何となくパターンをつかめてきた気がする。
でも、そろそろやばいな。
これ以上感覚強化で視覚を強化したら、左目も見えなくなるかもしれない。
だっていうのに、群れの長の速さは落ちることがない。
まったく、どういうことだよ。
感覚強化を切ったら多分攻撃をよけられない。
切らなかったら左目も見えなくなる。
それにこっちの攻撃は入らないと。
クソッ。もうどうすることもできないじゃないか。
「ブモォッ!」
ッ!しまった!反応し遅れた!
右前足の攻撃をかわしきれずに少し受けてしまった。
でも攻撃力がとんでもないことになっていたせいで、ものすごい吹っ飛ばされた。
「レオ!?大丈夫!?」
「ゴホッ、ゴホッ、…あー、頭がクラクラする。」
何とか立ち上がったけど、視界がすごい揺れてる。
これはまずいかな。
「ブモオォォォォッ!」
オークがこれで止め、と言わんばかりに僕に向かって殴り掛かってきたーー。
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次回、決着です。




