大漁だぁー
「今日はどれくらい狩れると思う?私は魔力を八分の一くらい残す感じでやるけど。」
アントンとヒカリとは途中で別れて今はシズクと二人だ。
アントン達は川の反対側に行ったのかな?
「そうだね。レベルアップの分とかも考えると結構な数を狩れると思うよ。
でも、魔力はもう少し残しておいた方がいいと思う。またあれと遭遇するかもしれないし。」
「あー、そうだね。
アントンは殺すなって言ってたけど、もしもの時はしょうがないよね。」
「まあそれが来ない方がいいんだけど。面倒くさいし。
でも、村でも言われてたからね。
ふっ!
僕達が同い年で一緒に行動していることが多かったからかもしれないけど。」
「ファイヤーボール。
あのうるさい村長の小言が今では懐かしいもんね。
特にレオと私はたくさん怒られたし。」
うーん。いいね。たくさんグレイ・ラビットがいる。
歩きながら倒して、それを拾って収納する、って言うのを繰り返す。
順番に倒してるけど、こっちに近づいてくるから攻撃するのが楽だな。
ステータスは前のやつとほとんど違いがないな。
そして鑑定にも変化があった。
名称 グレイ・ラビット
基本情報
LV 2~5
HP 10~20
MP 0
SP 5~10
攻撃力 50~100
魔法力 0
物防力 5~15
魔防力 5~15
回避力 0
スキル ーーー
称号 ーーー
個体情報
LV 4
HP 18
MP 0
SP 9
攻撃力 70
魔法力 0
物防力 13
魔防力 13
回避力 0
スキル ーーー
称号 ーーー
こんな感じに鑑定で見れる情報が増えた。多分、これはたくさん鑑定したら見えるようになるのかな?
シズクにはまだ見えてないみたいだし。
二人で、歩きながらこっちによって来るグレイ・ラビットを倒してると大きな木が見えてきた。
「ちょっとあそこで休憩する?もう50匹くらい倒したんじゃない?」
「そうだね。疲れたしそうしよっか。
でももうそんなに倒したんだね~。レベル上がってるかな。」
「自分を鑑定してみなよ。そうしたらわかるんじゃない?」
「それがまだできないんだよね。まだレベルが1だからかな。
レオはできるの?」
「うんできるよ。さっきもレベルが1上がったんだ。
鑑定は最初からレベルMAXだったし。」
「え!?そうなの!?」
「その話はあとで。疲れたー。」
大きな木の側についたので、幹を背もたれにして休むことにした。
シズクはそのまま横になってるけど服汚れないのかな?
水属性魔法で水を出してそれを飲みながら、周囲の景色を眺める。
おー、街を囲む壁が見えるな。遠くから見ると結構大きいな。
上流の方には山とその麓に広がる森がある。
木の側は風が適度に川の湿度を運び、木漏れ日も心地よかった。
そのまま眠れてしまうほど快適な空間だった。
でもそれは、僕達だけに言えるものではなかったようで…。
「っ!ヒカリ!起きろ!
大群だ!」
「えっ!?」
ガバッ、と音がしそうなほどの勢いでシズクが起き上がった。
そう、グレイ・ラビットの群れがこちらに向かってきていた。
数は20匹って感じか?それに少しばらけてるな。
「近いのは僕がやるから、後ろの方のから魔法で倒していってくれ!」
「了解!遠くだから、ファイヤーアロー・連撃!」
魔力放射と魔力感知を発動して、こちらに向かってくるグレイ・ラビットの位置と動きを把握し、近いのから倒していく。
後ろから攻撃されそうになっても、魔力感知でわかってるからあわてる必要がない。
でも、身体強化は発動できたけど、武器強化まではまだ難しいな。
シズクの魔法は1つの魔法で1匹を確実に倒せてるけど、一回の魔法で3~4匹しか倒せないみたい。
まあ、一気に全部倒されちゃったら僕の出番がないんだけどね。
全部倒すのに1分くらいかかった。
こんなに一回の討伐にかかったのは初めてだな。
「ふう、倒しきった。弱かったけど、思ったよりも疲れたね。」
「そうだよー。休んでるところに攻撃仕掛けてくるとか卑怯だー。」
そういいながら、シズクはその場に仰向けに倒れる。
「まあ、横になってる方もダメだけどね。
ここ街の外で魔物がいるから危険だし。」
「だって、レナさんが街の外の平原で横になるとすごい快適だって言ってたんだもん。」
あー、レナさんならいいそうだな。
「それはもうちょっとレベル上げてからにしよう。
レナさんのレベルがどれくらいかは知らないけど、僕達よりも絶対に高いし。」
「まあ、そうだね。ちょっと休憩したらアントン達と合流しようよ。
もう結構倒したでしょ。」
「えーと、アイテム袋に入ってるのは…。
グレイ・ラビットが74匹だって。もう十分だね。」
「よし!じゃあ、5分くらいたったら教えて。」
「分かった分かった。
…ん?でも大丈夫か?また群れで来たりとかしないか?」
「だいじょーぶ。さっき倒したんだしもう来ないって。」
「ほんと?来たらどうするの?」
「私が一人で全部倒してあげるよ。」
「もう来ないって言ってなかった?」
「…言ったね。」
「あれこっち向かってきてない?」
「…来てるね。」
「しかも、さっきよりも倍くらい多くない?」
「…そうだね。」
「「「「シャァァァァ!!」」」」
「一人でいける?」
「…無理です。手伝ってください…。」
「はぁ…。」
5分くらいかかったけど、何とか倒しきった。
鑑定してみるとレベルが上がってた。
……なんか釈然としない。
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