スキルレベルって何ですか?
「おいおい、そんなにふてくされるなよ。みんな鑑定スキルを獲得できたんだから結果的にはよかったじゃねぇか。」
エドガーさんとの話も終わり、アカサ商会の本店から出てきた。
「ふてくされてない!」
そう、昨日の夜いろんなことを考えて獲得できた鑑定のスキルを、三人はスキル獲得の神紙という魔道具を使うことであっさり獲得してしまったのだ。
「まあ、私もわからなくもないですね。必死で練習して収納魔法を使えるようになったのに、それよりもたくさん入るアイテム袋っていうのをさくっともらえたわけですし。」
「でも、レオはもう一つ何かのスキルの神紙をもらえるって言われたじゃん?」
僕はもうすでに鑑定を持っていたから、エドガーさんに特別に何か欲しいスキルがあったらその神紙をあげるって言われている。
でも、今欲しいのがあんまりないんだよね。今あるスキルで手一杯というか。
予定通り一回孤児院に帰ってから、いつものおばちゃんの所に向かった。
「おばちゃーん。きたよー。」
家の中からおばちゃんが出てきた。
「はいはい。今日も元気だねぇ。
昨日渡したしおりの中に書かれている秘密の言葉が分かったかい?」
「いや、わからなかった。でも鑑定のスキルを獲得できたんだ。」
そう、鑑定で見てみても中のものまでは見えなかった。
「ほお、もう鑑定を獲得できたのかい?
ならそのしおりは上げよう。暗号を探してみるといい。」
「わかった。」
「じゃあ、頼んだよ。」
魔力放射と魔力感知を使って、庭掃除を目が見えない状態で行った。
今日は魔力が残り八分の一になるくらいまで使ったけど、目が見えない状態で掃除を終えることができた。魔力感知できる範囲が若干広がっているような気がする。
「おばちゃーん。終わったよ。」
また家の中からおばちゃんが出てきた。
「そうかい、お疲れ様。これは、お小遣いだよ。」
「ありがとう。」
う~ん。今日は早く終わったなぁ。
孤児院の裏庭で魔法の練習でもするか。
でも何属性の魔法を使えるようにするべきかな?
これも三人と要相談だな。
……魔力切れまで魔力を使うのは寝る前って昨日決めたっけ。
結局、魔力循環と剣を振ることくらいしかすることがなかった。
毎日のように同じことをしていたからか、冒険者カードを見るとスキルは結構なことになっていた。
名前 レオ
種族 人
ランク Ⅾ
LV 4
(HP 456/456)
(MP 52/406)
(SP 415/415)
攻撃力 216
魔法力 110
(物防力 65)
(魔防力 44)
(回避力 117)
(スキル『片手剣 LV1』『両手剣 LV5』『火属性魔法 LV1』『水属性魔法 LV1』『風属性魔法 LV1』『身体強化魔法 LV5』『武器強化魔法 LV3』『感覚強化魔法 LV2』『魔力制御 LV6』『魔力把握 LV3』『魔力放射 LV3』『魔力感知 LV2』『鑑定 LVMAX』『身体苦痛耐性 LV1』)
称号(『剣の道を進むもの』『魔の道を進むもの』『復讐者』)
うーん、このスキルのレベルって何なんだろう?鑑定はなぜかマックスだし。
鑑定で見れたりしないのかな?
すると、
『片手剣 LV1
剣を片手で持っているとき、攻撃力をほんのちょっと増加させる。』
と、頭の中の情報が入ってきた。
なるほど、鑑定で見れるのか。なら全部見てみるか。
結果としてはレベルが上がるにしたがって、上がる攻撃力が少しずつ増えていっていた。
LV5で攻撃力を増加させる、っていう風に変わってたな。
ほんのちょっと、とほんの少しの違いはよく分からないけど。
称号はどうなってるのかな。
『剣の道を進むもの
剣の道を究めんとするものに与えられる称号。』
『魔の道を進むもの
魔の道を究めんとするものに与えられる称号。』
『復讐者
この世界を焼き尽くさんばかりに憎悪の感情を高ぶらせたものに与えられる称号。』
う~ん、やっぱりわからないな。まあ、気にしてもしょうがないのかな。
三人が裏庭に来た時はわりと遅い時間だった。
それでも夕飯ぎりぎりまで、いつも通り魔力循環とか身体強化の練習をしていた。
そして、魔力切れになれるように修行をする時間になった。
「ねえ、何属性の魔法を練習すればいいと思う?」
「私は風属性がいいと思います。レオは身体能力が高いのでそこを伸ばすべきです。
それに風属性は攻撃魔法もそれなりに強いですし。」
「そうだね。アントンは火力重視の火属性魔法がいいと思うけど、レオは風属性一択だろうね。」
「そいうものなのか…?でも確かに盾で受け止めて、効果力の攻撃を叩き込むスタイルなら火属性か。」
ということで、みんなで魔力切れになるまで魔法を空に向かって打ってみた。
案の定すぐに魔力切れを起こしたけど、昨日よりは多少慣れてきたかな?
剣を軽く振ると思ったよりもちゃんと振ることができた。
次回から本格的に魔物討伐に入ります。
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