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人と神様の国取り合戦  作者: きりきりきりたんぽ
称号『復讐者』
36/125

事件の真相

今回は説明パートです。

読みづらいかもしれません。

「今日は事情をすべて皆さんに話すつもりだ。何も隠すつもりはないが、疑問に思うことがあったら何でも聞いてほしい。」


 エドガーはそう前置きすると、話し始めた。


「まず事情の説明のためには私が生まれた時のアカサ商会そのものについての説明をしなければならない。

 そもそもアカサ商会がこの街で一番大きい商会になったのはつい最近のことなんだ。それまでは商会というものは存在しないで、引退した冒険者が開いた武器屋や防具屋、親から引き継ぐ形でこの街に昔からあった八百屋や肉屋などの食料品店などが乱立する形だった。ほかの街との交易は領主様が主導して、取引した商品を各店舗に売るといった形でこの街に食料品が入ってきていた。

 しかし、私の父である前商会長はその状況をよく思っていなかったようだ。何せ、北や東、南の中心にある最大の街だけでなく、それなりの大きさがある街にはたいていその街で一番大きい商会がほかの街や村との交易できる権利を持っていたからな。

 だが、この西方面、オエステ地方と呼ばれるが、にはそこまで大きな商会はなく、交易権を領主様から託されるような商会はなかったんだ。だから前商会長はこの街にオエステ地方を代表する商会を作ろうとした。」


 それは、そこまで悪い話じゃないんじゃ?オエステ地方?って言うのが今いるこの街とかなのだとしたら、他の所にないものがこっちにないって言うのは確かになんか気に食わないし。


「そう、そこまでは悪いことではない。実際他の地方はここよりもはるかに進んでいる。

 例えば東のエステ地方には、剣に似た刀という武器を使うらしい。南のスル地方は冬になるとかなり寒いところだが、その代わり保存食がかなり進んでいる。少しだけ見たことがあるが、お湯を入れて温めるだけで食べられるようになる。北のノルテ地方は一年を通して暖かいところで、甘味、言い換えればお菓子がかなりおいしいところだ。

 今あげたものも聞いただけのもので、実際はもっと発展してるだろう。もし行くようなことがあったら、何かお土産を買ってきてほしいところだ。」


 おお、そうなのか。目標を達成して、やることがなくなったら世界を旅してみるのもいいかもしれないな。しかもカタナ、か。面白そうだな。

 しかもエドガーさんの目が孤児院の子供みたいにキラキラしてるし。


「…すまない、話がそれたな。

 でだ、前商会長はこのオエステ地方にも代表できる商会が必要だと思って、そして行動した。

だが、これまで存在しなかったものを作ろうとしたら、何かしら反対が出るものだ。想像ができなかったら、初めてこの街に来た時のことを思い出してもらえればいい。目新しいものはきっと怖いのだろう。

 だから最初はかなりの反対があったし、今でもアカサ商会を小さくして交易権をなくそうとする動きはあるんだ。

 そんな状況で、前商会長はその反対の声をなくすことに全力を尽くした。

まずは、この街の外からの移民に対して攻撃的なことを言うようになった。生まれてきた時から税を払っているのに、後から入ってきたこれまで税を払っていないのと同じ扱いを受けるのはおかしいと言ってな。これには同調する人も多かった。」


 この街に初めて来たとき、孤児院に入るまで異常なまでに嫌われてたのはそういうことだったのか。


「だが、それだけだった。つまり、街のみんなに担ぎ上げられるわけでもなく、ましてや反対の声が消えたなんてこともなかった。だから、次の手を打たねばならなくなった。

 簡単に言ってしまえば、汚いことをし始めたってことだ。この街の有力者の弱みを握ったり、普通に暴力で脅したりな。これが今回領主様の所に行ったから、前商会長は捕まったんだが、今は割愛しよう。

 ここで問題なのは汚いことをしていたやつらだ。当然だが、商会長たる父が直接そんなことをするはずもないからな。」


 へえ、自分では手を下さないで見てるだけなんだ。()()と同じだね。まあ、()()は単体でも強かったけど。


「そして、その組織の名前は“アラ・デレチャ”という。

 こいつらはそれだけじゃなく、父の悪行を領主様に報告しようとした私を監禁して、アリスの姉であるオリビアに私の影武者をさせた。末の妹のアリスを人質にすることでな。」


 はあ、噂は本当だったのか。なら少しひどいことをしたかな。


「そして、アラ・デレチャの連中はまだ半分くらい捕まっていない。全力で探しているが、まだ見つからない。まだこの街にいるのかどうかもわからない。やつらはそこまで強くはないが、討伐依頼で街の外に出るときは気を付けてほしい。」


 そんなに強くないんだ?なら、大丈夫じゃない?


「強くはないが、取る手段はかなり陰湿で危険だ。それに、経験まで積んでしまってるから余計に危ない。Cランクの冒険者にソロでたどり着いた私が、不覚を取るくらいだ。」


ははあ、変に慣れちゃってるってことか。それは厄介だなあ。

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