依頼達成!
1章のサブタイトルをすべてつけなおしました。
アントンとシズクはそこまで遠くには行ってなかったのですぐに見つけることができた。
「おーい、どんな感じ?」
「おう、俺は2匹倒したぜ。盾も少しコツがつかめてきたぞ。」
「私は3匹倒したよ。私も魔法を試せたから今日は満足だよ。あ、これの収納頼んでもいい?」
「いいですよ。それと、明日はシズクと組んでみたいです。試したいことができたので。」
「あ~、あれね。いいんじゃない?」
試したいことって、たぶん魔法力を上げる支援魔法だろうな。あれで攻撃魔法を得意としてるシズクを強化したら、すごいことになりそうだな。
「ちょっと待て。さすがに後衛二人だと危ないだろう。近づいてくるまで気づけなかったら魔法も間に合わないかもしれないだろう。」
「あ~、確かに。焦ってると私も魔法うまく打てないかもしれないし。」
「じゃあ、アントン手伝ってあげてよ。僕は多分一人でも大丈夫だし、そこまで離れるつもりはないからさ。それに試してみたいこともあるし。」
「なんだ、お前も試したいことがあるのか…。じゃあ、明日だけそれでやってみるか。でも危険なことは絶対するなよ。」
「分かってるよ。」
「では分かれる前に私が支援魔法をかけておきましょう。」
「それなら、安心だね。」
「シズク、支援魔法ってどんなのがあるの?」
「それは明日教えてあげます。今は内緒です。」
「えー、けちー。」
「あははは、きっと驚くと思うよ。めちゃくちゃすごかったし。」
「そんなにだったのか?」
「うん、それはね。明日感想を聞くのが楽しみだよ。」
帰り道は魔力量を心配する必要はなかったので、身体強化をしながら帰った。4人の中でヒカリが一番強化率が低かったので、みんなでその倍率で強化した。まあ、収納で魔力が圧迫されてるから当然だけど。最近倍率の制御にも慣れてきたので、僕は簡単に調整できた。シズクとアントンは調節に苦労してたみたいだけど、きっとすぐできるようになるでしょ。何回か魔物に遭遇しかけたけど、走っていたので戦闘することなく振り切ることができた。
門についたときには、昼過ぎごろだった。魔力消費量も、…四分の一くらいだね。これからおばちゃんの所にも行けそうだね。ほかの3人もそこまで疲れてはいなさそう。明日はもうちょっと頑張ってみてもいいかもしれないね。
出てくる時と同じ衛兵さんが立っていた。
「お願いします。」
4人で冒険者カードを渡した。
「…はい、確認しました。今日は初めての討伐依頼だったんですか?」
「そうなんですよ。なので余裕をもってすぐに帰ってきました。」
「それがいいですよ。討伐依頼を初めて受けて街の外に出かけて行ったのに、帰ってこなかったっていうことも何回かありますから。自分の命は大切にしてくださいね。」
「はい。ありがとうございます。」
「「「「ふぅ~~~。」」」」
街の中に入るとようやく討伐依頼を達成したと実感できた。それと同時に緊張感が切れたのか、足から力が抜けそうになる。命の危険はなかったとは言え、やっぱり予想以上に身体的にも精神的にも疲れていたみたいだ。
「一応、冒険者ギルドによってみる?魔物の売却はしないにしても一応先生に報告ぐらいはしておいた方がいいかもしれないし。」
「そうだな。どれくらいで売れるのかとかも確認しておきたいし寄ってみるか。」
「賛成~。先生とも、会ってしゃべりたいこともあるし。」
「そうですね。私もあります。…そういえば、アントンとシズクも魔物を倒した時、変な感覚に襲われませんでしたか?そのことについて先生に聞こうと思ったんですが。」
「そんなことあったか、シズク?」
「ん~、覚えていないよ。多分なかったと思う。そんなことがあったの?」
「はい。真っ黒の大きいウサギを倒した後に、体の奥深くから何かがあふれて体中に広がっていくような感覚がしたんです。」
「…そんなことがあったのか。それは聞かないとわからないな。それより今真っ黒、って言わなかったか?」
「はい。レオと協力して何とか倒せました。」
「…今回は怪我もしていないみたいだからいいが、次からはちゃんとその時俺たちにも知らせてくれ。大丈夫だとは思うが万が一ってこともある。」
「分かりました。すいません。」
「レオもだぞ。」
「わ、わかった。ごめん。」
「よし、頼んだぞ。」
「じゃあ、冒険者ギルドに行こっか。」
冒険者ギルドにつくと、まだ冒険者は一人も来ていなかった。
「すいません、先生。聞きたいことがあるんですが。」
「はいはい。おかえりなさい。あとここでは先生、ではなくアナと呼んでください。」
先生ってアナっていう名前だったんだ。
「分かりました。じゃあ、アナさん、レオとヒカリの二人が魔物を倒した時に違和感というか異変を感じたって言ってたんですが…。」
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