唐宮人
唐宮人――唐小娥――は雒陽の生まれである。
地皇四年十月、長安は叛乱軍によって陥落して〈新〉は滅び、洛陽は〈漢〉軍の手に落ちた。その時、彼女は十六歳で、洛陽に入城する〈漢〉軍を見た。元は緑林の賊と呼ばれる、ならず者の集団。髭面のむくつけき将軍たちは、しかし、どこかで略奪してきた鮮やかな色柄の女物の桂衣を着て、派手派手しい衣を旗指物代わりに槍の穂先に結びつけていたりと、傾奇いた盗賊そのものだった。
ただその中に、武官の大冠に臙脂の武官の袍、黒漆塗りの鎧というマトモないでたちで、漢の赤い旌旗を靡かせた一群があった。率いるのは、まだ若く、容姿端麗な一将軍。
『あれが南陽は舂陵の劉文叔将軍……例の、昆陽で百万の大軍を破った男だよ』
隣の見知らぬ男が指さす先には、馬上に姿勢を正し、まっすぐ前を見つめる姿が凛々しく、武神のような威厳に溢れた美丈夫。
『なんとまあ、死ぬ前にもう一度、〈漢〉の威儀を見られるとは思いもしなかったよ』
年老いた祖母の呟きを聞きながら、唐小娥は目の前を通り過ぎていく、劉文叔将軍の横顔をずっと眺めていた。
唐小娥が後宮に入ったのは、建武二年(西暦二十六年)の八月。
初めての算人(戸籍調査)が行われ、十三歳から二十歳までの、容姿端麗の女子は名前を留め、場合によっては後宮に推挙する。唐小娥はこの選に入ったのだ。
実は、唐小娥は一度結婚していた。生活に困った父親が、娘を金で老人の後妻に売ったのだ。ところが――。
若い娘との初夜に備え、怪し気な丸薬を服用した夫は、胸を掻き毟って息絶えた。
唐小娥はたった一夜で未亡人となり、そして処女のままである。
戦争が起こるまで、唐家は洛陽でそこそこの商家だった。しかし、戦争によって物資の流通が止まり、商売は傾き、さらに包囲戦で極限まで困窮した。唐小娥が後妻に入った縁で得た僅かな金品も、すでに尽きている。このままでは、もう一度金持ち親父の小妻あたりに売られかねなかった。
後宮入りを、もちろん父親は反対した。後宮は伏魔殿だ。まともな女の入るところじゃない。
皇帝・劉文叔は六月に皇后・郭氏を立てたばかり。郭氏にはすでに二人の皇子がいて、その地位は安泰。雒陽の小娘の割り込む場所などない、と。
だが唐小娥は父親に言い返す。
――そもそも最初に、金であたしを売ったのは、父さんじゃないの。もう、まともな結婚なんてできやしない。だからあたしは、自分の力でのし上がってみせるわ。
父親は一言も言い返すことができず、唐小娥は、一日だけとはいえ結婚していた事実を隠し、入宮する。雒陽の県の官衙も混乱しているから、調べられることもなかった。後宮で生きることに、迷いはない。脳裏に浮かぶのはあの日目にした、今は皇帝として君臨する、劉文叔の凛々しい姿。
もう、貧乏暮らしはうんざりだった。金持ち親父が大金をはたいてまで買おうと思うこの美貌、もっと有意義に使うべきだ。
(……あたしは絶対、後宮で成り上がってやるんだから!)
いくつかの関門を通過して、唐小娥は「采女」にはなることができた。つまりは嬪御――お手つき――の候補者である。嬪御となれば「宮人」となり、さらに寵愛を受けるか、あるいは子を産めば「美人」になれるという。
「その上が皇后?」
唐小娥の質問に、同輩が笑った。
「まさか。その上には『貴人』がいるわ。そして正妻である皇后は一人だけよ」
「貴人? 今はいないの?」
「陰貴人様は今、陛下の行幸についていかれた。片時も手放さないのよ。つまり、寵姫ってやつ?」
実は第二子を妊娠して以来、郭皇后には夜のお渡りはなく、もっぱらご寵愛は陰貴人が独占しているという。
「郭皇后があたしたち『采女』を集めたのも、陰貴人に対する牽制よ」
以前から後宮にいた器量自慢の女が教えてくれた。陰貴人は南陽の富豪の娘で、雒陽に来た途端に皇帝の寵愛を独占し、本来ならば後宮の一殿舎を得てそこから皇帝の居宮に通うべきなのに、皇帝が自身の部屋に居続けにさせているのだという。
「まあ、後宮では『清涼殿の方』って呼んでるわ。『後殿の方』って呼ぶのが癪に障るからでしょうね」
ただ、半年以上、皇帝の閨を独占しているのに、一向に妊娠したと聞かない。郭皇后としてはその弱みを狙い、新しい女を送り込んで、陰貴人を追い落としたいところなんだろう、と。
「とにかく、陛下は現在、陰貴人様しか目に入らないみたいだから、化粧や仕草を陰貴人様っぽくするのが後宮の流行りなのよ。『清涼殿風』って言ってね」
だがそう言う女も陰貴人を間近で見たことはほとんどないらしく、ただおっとりと首を傾げたり、驚いた時に両手を胸に当てたりするのが、〈それっぽい〉と言われて流行しているらしい。
(何よそれ、バカバカしい。ただのぶりっ子じゃないの……)
見たこともない〈清涼殿の方〉のモノマネをするなんて、美貌を誇る唐小娥にとっては屈辱だ。しかし皇帝は行幸中も陰貴人だけは手放さないほど、ご寵愛だという。つまり、唐小娥が後宮で成り上がるためには、陰貴人を蹴落とすことが絶対条件なのだ。
待ちに待った皇帝の帰還。皇后が設定した重陽の宴で、唐小娥はようやく、皇帝・劉文叔の姿を目にする。
いつかの騎馬姿よりもさらに端正さを加えた美しい立ち姿。自信に溢れた仕草。ただでも美丈夫だが、皇帝だと思えば、凛々しさが七割増しに見える。
仕事中毒で、滅多に後宮には来ないという皇帝の目に留まるために、十二人の采女は皇帝に突進する。唐小娥も酌をして話しかけたいと機会を狙う。だが――。
何杯かの酒を呷ったところで、皇帝は逃げ出してしまう。皇后のところではなく、寵姫・陰貴人の膝へと――。
〈清涼殿様〉こと、陰貴人。たしかに美形だ。顔の造作は完璧。肌は抜けるように白く、頬はほんのりと薔薇色に染まって、内側から輝くよう。二十歳は過ぎているというが、清楚で初々しく、何より儚げで、少しの風にも耐えなくて、天に昇ってしまいそう。皇帝は陰貴人の膝枕のまま、時折、下からうなじを抱き込むようにして、顔を近づけて囁き合っている。黒髪を一房指に絡めて口づけたり、膝やら太ももやら、撫でまわしたり。……それを見ないようにして横目で見ている、郭皇后が発する空気はまさしく、厳寒の河北の氷吹雪。なのに、皇帝は全く気づいていない。
そう、皇帝の視界には陰貴人しか入らない。いくら化粧や装いを凝らしても、得意の楽器を弾き鳴らしても、皇帝は滅多に後宮にも来ず、陰貴人とほとんど同棲状態である。
「それで懐妊しないって、どう考えても〈うまずめ〉でしょ」
「それがさあ、ちょっと聞いたんだけど――」
陰貴人は、皇帝との閨の行為を拒んでいる、との噂が静かに広まっていた。
「まさか! いったいどうして?!」
思わず身を乗り出す唐小娥に、別の采女が声を潜めて言う。
「ほら、今、南陽で叛乱を起こした鄧奉って将軍。陰貴人の幼馴染なんですって。本当は結婚するはずだったのに、陰貴人の兄が無理に後宮に入れて……それで、鄧奉は陰貴人を取り戻すために叛乱を起こしたそうよ?」
「何それ、恋愛劇か何か? いくらなんでも嘘でしょ!」
「親戚で家が近所なのは間違いないらしいわよ? 陰貴人は恋人に操を立てて陛下を拒み、なのに陛下は執着して手放さない……」
本当だったらとんでもない話だ。そもそも後宮の女というのは、皇帝の御寝に侍って子を産むためにいるのだ。皇帝と寝る気がないなら、他に譲りなさいよ!
「それ大問題じゃないの? あの女がいる限り、陛下に新たな御子が生まれないってことじゃない。長秋宮様はご存知なの?」
「さあ、でもそれを理由に、嬪御を上げろって、詰め寄る気みたいよ?」
その噂を収束させるためか、ついに皇帝は采女から嬪御を取り立てると決めた。
一人は、陰貴人が薦める彼女の侍女。生活の立ち行かない未亡人ならば抱くが、処女は抱かない、と言い出して、郭皇后は大混乱に陥った。――皇后が集めた采女たちは全員、処女ばかりだ。郭皇后の常識では、皇帝の御寝に侍る以上、当然、純潔でなければならなかったから。
このままでは、郭皇后の息のかかった嬪御を薦めることができない。進退窮まった郭皇后に、唐小娥が自ら申し出る。
「わたくしは処女ですが、未亡人です。嫁いだその日に夫に死なれたのです。ですから、わたくしならば陛下の条件にも合致すると思います」
これは唐小娥にとっては賭けであった。わずか一日の結婚生活とはいえ、未亡人である事実を隠して後宮に上がったことを、咎められるかもしれない。郭皇后も唐小娥が履歴を偽っていたことに眉を顰めたものの、しばしの躊躇の上に唐小娥と、もう一人、侍女上がりの寡婦を、嬪御に推薦することに決めた。
ついに、皇帝の御寝に侍ることができる。
唐小娥は自身の成功を疑っていなかった。
そこから先はサクサクと決まっていった。正式な結婚ではなく、あくまで女官の日常業務に過ぎないからだ。だが郭皇后は臨時の朝請を開いて、三人の宮人を後宮内でお披露目した。郭皇后は慈愛に満ちた表情をしていたが、どう考えても陰貴人への嫌がらせである。
しばらく体調を崩していたという陰貴人は、普段よりも青白い顔で、大きな瞳をさらに見開いている。潤んで揺れるつぶらな瞳は、小動物のように儚げで、庇護欲と同時に嗜虐欲を煽る。右手で左手を握り込むようにして、指先で盛んに銀の指環に触れている。
「あなたが、貴人としての役割に気づいて、陛下のご寵愛を分け合おうと言ってくださって、ホッとしたわ」
郭皇后が艶麗に微笑むが、陰貴人は口元をわずかに引き攣らせただけで、無言で頭を下げた。
「皆にも紹介するわ。唐宮人と、魏宮人、そして許宮人よ。秩序ある後宮を守るため、上の者にはよくよく仕えるように」
ははーと頭を下げる采女たちや、宦官、女官、そして侍女たちを見て、唐小娥は気持ちが高揚するのを抑えきれなかった。堂に群がる采女たちは、これまでは同輩で、ライバルだった。でも、これからは違う。
(あたしは一歩抜きんでたのよ。あんたたちとは違うのよ……)
悔しそうに唐小娥ら三人の宮人を見る采女たちの表情に、唐小娥は優越感でニヤニヤが止められない。それから目線を横に滑らせ、隣に並ぶ他の二人の宮人を見る。
陰貴人が推薦した許宮人は、瓜実顔に泣き黒子が色っぽい、どこか艶めいた女だ。陰貴人とは全然、タイプの違う女。……むしろ郭皇后を庶民的にしたような感じだ。わざわざこういう女を推薦してくるというのは、陰貴人の皇后へのおべっかなのか、あるいは厭味か。敢えて寵愛されないように、皇帝の趣味に合わない女を選んだのかと疑いたくなる。
もう一人も、後宮内で侍女をしていたという魏宮人。彼女も戦争未亡人で、陰貴人に似ていると言われて長秋宮に呼び出されたものの、天子の閨に侍るなどとんでもない、と辞退したのを、無理に言いくるめて宮人の一角に加えたらしい。なるほど、陰貴人をすこしだけふっくらさせたような雰囲気だが、よくよく見ると顔をはあまり似ていなくて、それに何となくどんくさい。
(未亡人がいいだなんて、陛下も遠慮して……本心では処女の方が好きに決まってるじゃない)
例の、唐小娥を買った老人も、処女かどうかをずいぶん気にしていたという。許宮人は皇帝の趣味とは違うし、魏宮人は雰囲気だけが陰貴人似の平凡な容姿。誰がどう見ても、この三人の中で一番美しいのは唐小娥で、さらに正真正銘の、処女。
(あたしはご寵愛を得て、皇子を産んでみせる。そうして――)
壇上の一番高い位置には郭皇后。そして一段下がって、真っ青な顔色をして立っているのがやっとのように弱々しい、陰貴人。
(……まずは、あの位置よ。貴人になるには障壁があるって言うけど、絶対に越えてやる。あの女を、追い落としてやるんだから!)
子ウサギのようにか弱く頼りない陰貴人など、蹴落とすのはたやすい。だが、頂点に立つ郭皇后は身分、家柄とも別格で、かつ皇太子の母親。その位置に成り代わるには、最低限、皇子を産まねばならない。
(皇太子と言ってもまだまだ赤ん坊じゃない。あたしがこれから産む皇子の方が優秀なら……)
郭皇后や陰貴人が纏う、豪華な衣服に煌く宝石たち。特に陰貴人の耳を飾る真珠の垂珠は、皇帝が拘って交阯から取り寄せていると言う、逸品だ。
(ご寵愛も富も権力も――全部、手に入れてやる! 絶対に!)
唐小娥は見果てぬ夢を心に描き、両手を強く握りしめると、まっすぐに郭皇后と陰貴人を見て、傲然と胸を張って言った。
「かならず、長秋宮様と清涼殿様のご期待通り、陛下のご寵愛を得て御子を産んでみせますわ!」
さすが、郭皇后は余裕の微笑みで頷いてみせたが、陰貴人の方は黒い大きな瞳をさらに見開き、両手を胸に当てて息を呑んだ。もうすっかり涙目である。
(なるほど、あれが〈清涼殿様風〉の!)
「本当に頼もしいこと。ねぇ、清涼殿の方?」
「……え、ええ……」
辛うじて、長い睫毛を伏せて頷く、その仕草がまた儚く、唐小娥は舌打ちしそうになるのをギリギリで堪えた。
(ええでも、あんたがそうやってあたしの上に立っていられるのも、あと少しのことよ。絶対に、成り代わってやるんだから!)
唐小娥は心の中で、宣戦布告した。
唐小娥は運よく、宮人の中では一番最初にお渡りを受けることになった。
もし、噂通り陰貴人が皇帝との閨の行為を拒んでいるのだとしたら、陛下はかなり長い期間、禁欲を強いられているはずだ。禁欲明けの最初の閨の方が、陛下のお心も射止めやすいし、妊娠の可能性も上がるだろう。
宦官から閨の作法についての講義を受けながら、しかし唐小娥は心ここに在らずだった。皇帝は三十二歳の男盛り。男児を二人産んでいる郭皇后が、「すべては陛下に任せておけばよい」と太鼓判を押したし、心配はいらないと思っていた。
湯浴みを済ませ、絹の襦衣に身を包み、絹の褥の上で皇帝の訪れを待つ。回廊からざわめきが聞こえて、皇帝がやってきたのだと気づき、唐小娥は唇を嘗めた。いよいよだ!
いつも通り、足早に入ってきた皇帝は、帳台に座ったままの唐小娥を見て、形のよい眉を顰めた。唐小娥は慌てて臥牀から滑りでて、磚敷きの床の上に跪く。
「……唐宮人、か。面を上げよ」
「はい、陛下」
精一杯媚びを含んだ表情で見上げるが、皇帝は端麗な顔色一つ動かさなかった。
「私は忙しい。とっととヤって、とっとと帰る。早くしろ」
「ええ?」
早くしろ、と言われても、処女の唐小娥はどうしていいかわからない。
「……というか、お前、処女なんだよな?」
「は、はい! わたくしは純潔で……」
チッと皇帝が舌打ちする。
「面倒くさいな、なぜ私が一から教え込まなきゃならんのだ……話は聞いてないのか?」
「は、話? い、いえ、聞きました。臥牀の上で横になって、陛下の思し召し通りにしろと……」
はあーと皇帝は深い溜息をつくと、言った。
「なあ、お前、今からでも考え直さないか? せっかくの処女を、こんな三十過ぎの妻子持ちに捧げることはない。雒陽には独身のいい男が山ほどいるんだ」
「い、いえ、わたくしは陛下にお仕えしたいです! お慕いしております!」
「今夜がほとんど初対面だろ、いつお慕いするんだ。嘘も大概にしろ」
「いえ、ずっとお慕いしております! ですから、是非、ご寵愛を。きっと男児を生んで見せます!」
皇帝はいかにも面倒臭そうに帳台まで移動し、腰を下ろす。手招きされて唐小娥が続いて寝台に上り、横になる。
「皇后はいろいろ言うが、もう皇太子もいるし、お前に子供が生まれたところで、単なる予備だぞ?」
「予備だなんてそんな……陛下の御子を授かれましたなら、こんな栄誉はございません!」
「栄誉ねぇ……」
唐小娥が自分で帯を解き、襦衣を脱ぐのを無感動に眺めながら皇帝が呟く。さきほど、下婢によって磨き上げられた若い体は、十分に魅了的に映っているはずだ。
皇帝はじっと唐小娥の身体を見つめていたけれど、自分からは触れようとしない。
しばらく、無言の時間が過ぎる。どうしていいかわからず、帳台の天井を見上げていたけれど、何もしてこない皇帝が不安になり、唐小娥はそっと身体を起こす。
「陛下……?」
片脚を臥牀に乗せ、その膝に頬杖をつくようにして唐小娥を眺めていた皇帝が、呆れたように言った。
「お前、寝てるだけでどうやって私を満足させるつもりだ? それとも、私が自らお前に襲いかかるとでも?」
「え、でも全部お任せすればいいって、長秋宮様も……」
皇帝はふっと鼻で笑って、肩を竦める。
「あの女でさえ、初めての時は私の気を引こうとあれこれしてきたのに、お前はまるで死んだ魚だな。若くて処女なら寝ているだけで喜んで飛びつくと思ったのか?」
「え、じゃあ、何をすれば……」
文叔は慌てて起き上がって取り縋ろうとする唐小娥の白い手をすり抜け、立ち上がると帳台の脇の紐を引き、鈴を鳴らす。
すぐさま現れた宦官の鄭麓に、冷酷に告げた。
「帰る」
「は」
予測していたのか鄭麓は皇帝の袍を抱えていて、素早く着せ掛けると、帯を結んで皇帝は速足で部屋を出ていく。
豪華な臥牀の上には、なすすべもなく呆然とする唐小娥が一人、取り残された。




