西征
建武五年(西暦二十九年)冬、斉の平定を大司馬呉子顔に委ね、文叔は魯を経由して雒陽に帰還する。途中、魯で孔子を祀り、さらに雒陽南郊の太学に行幸した。
臨月のお腹を抱えた陰麗華を気遣いつつも、文叔は開いたばかりの太学を見回す。
「まだ戦争も終わっていないのに、太学どころじゃないと君は思う?」
馬車の中で問いかけられ、陰麗華は未完成で、掘っ建て小屋のような粗末な宿舎が軒を並べる、殺風景な太学を見た。
「……さあ、でも、文叔さまも、お兄様も太学で学ばれた。孔子さまの道を学ぶのは士大夫には必要なことなのでしょう?」
「長安の壮麗な太学も、明堂も辟雍も赤眉の賊に焼かれてしまった。天子は天下を治めると同時に民を教え導く存在でなければならない。これが孔子の道だ。いつかは太学は作らないと」
この時期、天下統一の道筋などまだカケラも見えていないが、文叔は早くも孔子の教えに基づく国の未来を見据えていた。
「たとえどれほどの時がかかったとしても、僕は必ず、平和を取り戻してみせる」
そう、誓う文叔の横顔を見上げ、陰麗華はそっと寄り添った。
「ええ。信じております」
陰麗華は、雒水のほとりの茫漠たる場所が、いつか壮麗な儒教の都へと変わる姿を幻視したーー
この年の冬、元の信都太守――雒陽に呼び戻され、阿陵侯をもって奉朝請となっていた任伯卿が薨じた。
かつて、劉子輿を名乗っていた邯鄲の王郎に追われ、文叔は厳寒の河北を彷徨い、行き倒れ寸前で任伯卿の守る信都郡に辿りつき、命を拾った。あの時、伯卿が信都の城門を開いて迎え入れてくれた恩を思い、文叔は遺族に手厚く酬いた。阿陵侯の爵位は子の仲和が継承したが、文叔にはもう一つ、気がかりがあった。
「あの時の赤ん坊も、もう、大きくなっているだろうな」
雒陽南宮、千秋万歳殿の陰麗華の堂で、水入らずで寛ぎ、陰麗華の臨月のお腹を撫でながら、文叔が言った。足元には狗の柳が丸まっている。
「あの時の赤ん坊?」
子麗の眠るゆりかごを揺らす手を止め、陰麗華が尋ねれば、文叔が頷く。
「僕らが信都に着いたとき、任伯卿の女房は赤子を産んだばかりだった」
「その時に赤子でしたら、今はもう、五、六歳にはなっていましょう」
「任伯卿の女房は後妻で、仲先の以前の女房だったんだ」
「……朱仲先どのの?」
ちょうど、建義大将軍朱仲先は黎丘で賊の秦豊を捕らえ、雒陽に戻ってきたところであった。
文叔は控えていた宦官の鄭麓に命じて、伯卿の後妻、胡寧君とその子を、朱仲先の元に送り届けるよう手配する。
しかし、横でやり取りを聞いていた陰麗華は眉を顰める。
「朱仲先どのはおひとり身のようですが、以前の奥様と、奥様が再婚して産んだ子供とを送りつけられても困惑なさるでしょう。奥様のお気持ちだって……」
陰麗華の言葉から咎める空気を感じ取り、文叔が凛々しい眉を寄せ、ようやくいい感じに伸びた髭を撫でる。
「仲先は、僕たちと反乱を起こす時、寧君を実家に帰した。でも、寧君はその時身籠っていて、ぐずぐずしているうちに宛では官憲が李家や朱家の関係者を捕らえ始めたので、宛の吏だった任伯卿は彼女を守るために、自分の妻だと届け出て命を助けたんだ。……その後、伯升兄さんが殺されて、兄さんの部下だった仲先も死んだと思い、伯卿は寧君を連れて信都に赴任したんだ。だから、寧君のあの子は実は仲先の子なんだ。……もちろん、伯卿も知っている」
「……そんなことが……」
目を瞠る陰麗華に、文叔が微笑んで見せる。
「君も知っているとおり、仲先は一途で、しかも頑固だ。仲先があれから妻帯していないのは、まだ奥さんに心が残っているせいだ。でもあの性格だから、周囲がお膳立てしてやらないと一歩を踏み出せない」
陰麗華がしばらく沈黙し、それから眉尻を下げる。
「……驚きましたわ。別れた女房に未練タラタラな人が、他にもいらっしゃったなんて」
「だてに親友をやっていないからね。……似たもの同士ってことかな?」
陰麗華が笑った。
「他の方を寄せ付けなかった仲先どのは、どなたかよりもご立派でいらっしゃるわ」
「あいつは寄せ付けなかったんじゃなくて、誰も寄ってこなかったんだよ」
「そんなことないでしょう、どっかの誰かさんじゃあるまいし」
二人、顔を見合わせて声を上げて笑い、足元の柳がふわあと、欠伸をした。
――もちろん、朱家ではひと悶着あったらしいが、結局、収まるべきところに収まった、という報告を受けた。
建武五年十二月、西州大将軍を名乗る隴西の隗囂が恭順の意を示し、息子を人質として送ってきた。
ほぼ同じころ、九原では武帝の曽孫を名乗る劉文伯が、匈奴の後押しを受けて漢帝を自称し、五原、朔方、雲中、定襄、鴈門の五郡を奪った。蜀では公孫述が独自の元号、龍興を建てて成都に割拠している。
まだ、天下の趨勢は定まらない。
翌、建武六年(西暦三十年)の二月に大司馬呉子顔が斉を平定し、東方の憂いが去ると、文叔は西――公孫述討伐へと舵を切る。
建威大将軍耿伯昭ら七将軍に命じ、隴を経由して蜀討伐を決めた。そして中郎将・来君叔を使者として隗囂の元に送り、ともに蜀を討伐すべく璽書を下した。しかし、隗囂は逡巡し、決断を迫る来君叔と睨み合いになり、交渉は決裂。隗囂はますます怒り、帰途に来君叔の殺害を謀るが、来君叔は危ういところで難を逃れた。
結局、隗囂は反し、隴を経由して蜀に向かっていた耿伯昭、蓋巨卿らは緒戦で隗囂軍に大敗する。隗囂は三輔(長安)にも攻撃の手を伸ばすが、こちらは征西将軍馮公孫、征虜将軍祭弟孫が撃破した。
建武七年(西暦三十一年)三月、公孫述より朔寧王に封建された隗囂は、八月には安定郡で馮公孫、祭弟孫と再び兵を交える。
翌建武八年(西暦三十二年)正月、中郎将の来君叔は征虜将軍祭弟孫と略陽攻略に向かう。祭弟孫が道中に病を得たので帰し、来君叔は精兵二千余人と山道を切り開いて進み、直接に略陽を急襲、囂の守将を斬り、城を奪取する。心腹を奪われたに等しい隗囂軍は、数万人で略陽を奪還すべく包囲した。包囲戦が長引いて漢軍は矢も尽き、建物を壊して得た木材を武器に、応戦死守するに至る。
ここにおいて、建武八年閏四月、皇帝・劉文叔は、ついに隴への親征を決断した。
雒陽から天水まで、七百八十キロ。途中は峻嶮な山道も経る上に、陰麗華は第三子を妊娠中で、掖庭令の陸宣が、陰麗華の従軍に大反対した。
「今度ばかりはどうか――お子ばかりか、陰貴人様のお命に関わります」
床に頭を擦り付けて懇願する陸宣を見下ろし、文叔は眉を顰め、髭をせわし気に引っ張って、しばし無言であった。
「そんなによくないのか」
横から朱仲先が言い、陸宣が顔を上げ、必死の形相で訴えかける。
「いついかなる時も、出産は命懸けでございます。今までの運がよかったのです!」
文叔はぐっと唇を引き締め、考え込む。陰麗華は建武四年五月に第一子の皇子陽、建武五年の末に第二子となる皇子蒼を出産した。そのどちらの出産もつつがなく、母子ともに健康ではあったが、今回は陰麗華の悪阻が重い。陸宣は、長時間馬車に揺られるなんて、とてもではないが許可できないと言う。
朱仲先も陸宣の肩を持った。
「今回は無理だ。陰貴人が妊娠していなくても、幼児二人を連れて行くなんて。戦争だぞ? 物見遊山じゃないんだ」
皇子陽――子麗は数えで四歳のやんちゃ盛り。これまた馬車の旅をさせるのはきつい。
「そこらの近場や、真っ平な河北ならばともかく、関中を通り過ぎて隴の山を登らせる気か?」
朱仲先の言葉に、文叔は眉を寄せ、俯いた。
「……以前、河北に行く時に妊娠中の麗華を連れて行かなかったせいで、大変な目に遭わせてしまった。僕はその二の舞になるのが怖い。陰麗華を雒陽に残していって、何かあったら……」
朱仲先が文叔の耳元に顔を寄せ、声を潜める。
「……長秋宮を疑っているのか?」
「それは……ないと思う。不安ではあるが。だが胸騒ぎが収まらない」
「じゃあ、いっそ、親征をやめろ。隗囂ごとき、来君叔殿が何とかしてくれる」
「このまま形勢が定着すれば、我々に不利だ。隗囂の背後には公孫述がいるんだぞ?」
長安の赤眉政権が潰えた後、前漢の朝廷の宦官たちは歴代伝来の遺物を抱えて蜀の、公孫述政権を頼った。宮廷儀礼の本流は、実は西に流れている。
「隗囂も公孫述も、どうせ僕は雒陽から出てこないと思ってる。――本気で、ぶっ潰す気があると態度で示さないと、あいつら舐め切っているんだ」
文叔の将軍たちは戦巧者が多いが、しかし最強はやはり皇帝・劉文叔自身である。昆陽で百万の兵を一万弱で破った伝説はまだ、生きていた。
文叔はギラギラした黒い目で朱仲先を睨む。
「もう、即位して八年、挙兵して十年になる。――いい加減にケリをつけたい」
文叔は自ら出陣することに拘り、断腸の思いで、陰麗華と子供たちを残していくことを決断した。
「陛下も、常識を取り戻されたようでよかったわ」
出陣の日、却非殿の前殿まで見送り出てきた陰麗華と子供たち二人を前に、皇后の郭聖通が言った。
「陽、蒼も、こっちにお座りよ。英もホラ、そんな隅っこにないで」
皇后の隣にいた皇太子の彊が、異母弟たちに声をかける。数えで八歳の彊は、穏やかで優しい性格、七歳の第二皇子の輔は、とても頭がいいと評判だった。隅っこで控えめにしているのは、許美人となった雪香の産んだ第三皇子の英。母親似の色白の美少年である。第四皇子の陽は異母兄に呼ばれてパタパタと走っていき、同い年の異母弟、郭聖通所生の第五皇子・康と手を繋いで皇子の列に連なる。陰麗華の第二子にして第六皇子の蒼は、まだ足元もおぼつかないので、乳母が抱いて隅に控え、やはり同様に乳母の手に抱かれた郭聖通所生の第七皇子・延と並ぶ。第三皇子の英と同じ年の、第一公主・義王は、皇子たちの列の後ろに、大長秋・孫礼の指示で宦官が導いていく。
「太子、あなたはもっとこちらの、目立つ位置に」
皇后・郭聖通は皇太子である長男、彊を何かと別扱いしようとするが、控えめな皇子は迷惑そうであった。
「母上、僕は弟たちと一緒でいいですから」
「何を言っているの、あなたは特別なのだから」
前年の五月に大司空に就任した李次元が、コホンとわざとらしく咳払いして、ざわつく後宮のあたりを注意する。
「陛下が出立なさいます。そこ、お静かに」
皇后・郭聖通が居住まいを正し、陰麗華も背筋を伸ばした。玉座から子供たちの様子を見ていた文叔が、視線を動かして、その目が陰麗華を捉える。
鎧の上に朱の軍袍を肩脱ぎにして、凛々しく武装した歴戦の皇帝からは、武威が溢れていた。殿上から庭を見下ろせば、皇帝の乗る車駕の周囲には真紅の漢の旌旗が翻る。
黒い瞳に射抜くように見つめられて、陰麗華は慌てて口角を上げ、笑顔を作る。
文叔は立ち上がると、一人、カツカツと床の磚を鳴らして陰麗華に歩み寄り、その頬にそっと口づけて耳元で囁いた。
「すぐに戻る。……体に気をつけて、子供たちを頼んだ」
「ええ……文叔さま、いえ、陛下もお気をつけて。ご武運を」
陰麗華から身体を離し、文叔の整った顔に蕩けるような笑顔を見せ、それから皇后には目もくれずに子供たちに向かって手を挙げると、颯爽と階を降りていく。殿の廂に並んでいた諸将が一斉に続いた。
文叔の背中を見送ってから、陰麗華がちらりと横目で郭聖通を見れば、その頬は蒼白になり、引きつっていた。
――寵愛の在りかをありありを見せつけていった皇帝に、周囲も妙に気まずい。
陰麗華が無意識にまだ目立たない腹を撫で、ため息をつく。文叔のいない雒陽宮はきっと、針の筵だ。
そう下を向いていた陰麗華の耳に、大きなざわめきが聞こえて、ハッと顔を上げる。
「慮外者、切り捨てるぞ!」
「待て、大事ない!」
見れば、馬車に乗り込もうする皇帝の近くで、一人の文官が羽林騎たちに取り抑えられていた。
「光禄勲の郭子横です」
殿上で見送っていた李次元が言う。
「いったい何事?」
皇后が身を乗り出し、陰麗華も不安で両手を胸に当てて覗き込む。
「子横は親征に強硬に反対していました。……今は雒陽を動くべきでないと」
李次元が階を途中まで降りて状況を確認する。
郭子横が見送りの列から飛び出すと、皇帝の車の前に立ちはだかり、佩刀を抜いて馬の胸懸を切って抗議したのだと。
「行ってはなりませぬ、陛下! 行ったら大変なことになりますぞ!」
羽交い絞めにされ、佩刀も取り上げられて、しかし、郭子横は唾を飛ばして叫んでいる。別の兵が馬に異常がないか確認し、慌てて予備の胸懸に付け替える。
皇帝の親近で剣を抜くなど、一歩間違えれば大罪である。が、そこは戦乱の時代でもあるし、出陣の間際に高官を処罰するなど縁起が悪い。文叔は李次元に手を振って、「なんでもない」と合図した。
「咎めるな。郭子横は忠義に篤い男だ。私と国を案じてくれているのだ」
文叔は郭子横を咎めず、だが、断固として出陣を命じた。
「あの無礼な男は処罰せずともよろしいの」
郭聖通が不快げに柳眉をそびやかすが、李次元は首を振る。
「陛下が咎めるなとの仰せです。命を張って諫言する忠臣は貴重です。彼を処罰すれば、臣下は諫言の口を閉ざしてしまう。それに――」
李次元は相変わらず年齢不詳の美貌を少しばかり歪める。
「何か、根拠があってのことかもしれない。後で、私が事情を聴いておきます」
罰俸と謹慎を命じられた郭子横は、大司空李次元に問われ、ため息をつく。
「もう、禍は起きてしまい、今さらどうにもなりません。雒陽の守りを固めるしか……」
「雒陽が、危ないと貴殿は言うのか?」
郭子横は白髪混じりの眉を寄せ、眉間の皺を深くする。
「どうにも――悪い気が漂っておりますよ。後宮も……よくはありません」
「後宮?」
何の話だと今度は李次元が眉を寄せる。郭子横が肩を竦めて見せる。
「天象ですよ。……あなたの、父君も天官(天文学)に詳しかったと聞いていますが」
「まあな。……私も少しばかりは齧っている」
「月が、房宿(さそり座)に接近して蝕を起こしている。――後宮で問題が発生する兆しですな。それから近場で反乱が起きるかもしれません」
「後宮……反乱……」
李次元は遠くを見るような目をした。
「貴殿も、陰貴人の擅寵に批判的な立場か」
「……事情は存ぜぬが、正妻と妾の間に差を付けぬのは、混乱の元でござる。陰貴人は近頃、千秋万歳殿に住まいを移し、千秋殿さまなどと称されるとか」
「ああ、以前は陛下の宮におられたが、後宮に下がられた」
李次元が言えば、郭子横がフンと鼻を鳴らす。
「千秋殿と長秋宮、よう似ておりますな。昔、長安の未央宮では皇后の住まいが椒房殿、それに次ぐ昭儀の住まいが椒風殿と申したとか」
「……偶然だ。陛下にそのような意図はない」
「意図がなかろうが、穿った見方をする者はござる」
李次元は沈黙する。
「長秋宮は糟糠の妻、陛下が河北で王郎に追われた時、郭氏の縁で十万の兵を得た。――だが今は、陰貴人に寵を奪われている」
「それは――」
李次元は陰麗華こそ、劉文叔の最初の妻であったと知っているが、それは公にはされていない。
「陛下は南陽に気を使い過ぎている。南陽の陰貴人を寵愛して河北の郭皇后を蔑ろにし、先年も舂陵郷を章陵県と改め、永代、徭役を免除の恩典を与え申した。他の地方は不満がくすぶっておりますよ。……特に、雒陽のお膝元でな」
郭子横に事情を説明できない李次元は、眉を顰めたまま沈黙を貫くしかなかった。
皇帝の軍が隴に至れば、隗囂の下にいた河西大将軍の竇融が、隴西、金城、天水、酒泉、張掖の五郡の太守を率いて皇帝に降った。その軍も併せて隗囂を討ち、隗囂軍は潰えて西城に奔る。文叔は呉子顔と岑君然を派遣して隗囂を包囲させ、自身は上邽を攻撃した。
しかし七月、皇帝が不在の雒陽の膝元、潁川郡で反乱が発生する。さらに河東郡の守兵が呼応して反旗を翻した。
「なんだと! 潁川と……河東?」
留守を預かる大司空李次元は立ち上がり、皇帝に急使を送り、雒陽の守りを固める。
「……郭子横の言っていたのはこれか」
雒陽城内には流言飛語が飛び交い、すぐにも賊が雒陽の城壁を越えてやってくるのではと、京師の民衆はパニックに陥る。
「落ち着かせろ、そんなに簡単に雒陽は落ちぬ!」
李次元もまた大司空になる前は前将軍として戦場に赴いていた。自ら武器を取ることにためらいはないが、しかしながら現在、雒陽には圧倒的に兵が少ない。
――皇帝親征のために軍が出払い、京師の治安維持を掌る執金吾・寇子翼も、皇帝に従って隴に出征している。
送った早馬が到着するまで数日。そして折り返しの者が雒陽に辿り着いた時、すでに八月に入っていた。
走り込んできた使者が告げる。
「陛下は即刻、上邽から軍を雒陽に返すと決定なさいました」
潁川の反乱を聞いて、文叔は手にした杯を床に投げつけて叫んだという。
――恨むらくは、郭子横の言を用いざりしを!
呉子顔:呉漢。大司馬。
任伯卿:任光。もとの信都太守。
朱仲先:朱祜。建義大将軍。
耿伯昭:耿弇。建威大将軍。
来君叔:来歙。中郎将。皇帝劉文叔の従兄。
蓋巨卿:蓋延。
馮公孫:馮異。征西将軍。
祭弟孫:祭遵。征虜将軍。
李次元:李通。大司空。
郭子横:郭憲。光禄勲。
寇子翼:寇惇。執金吾。
隗囂:隴を支配。
公孫述:蜀を支配。
劉文伯:匈奴の後押しを受けて漢帝を名乗る。本名は盧芳。
文叔の子供たち(建武八年段階) *史実で誕生年がわかっているのは、①彊と④陽だけです。
①彊(皇太子) 母:郭皇后
②輔 母:郭皇后
③英 母:許美人
④陽(子麗) 母;陰貴人
⑤康 母:郭皇后
⑥蒼 母:陰貴人
⑦延 母:郭皇后
公主:義王 母:故魏宮人




