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異世界から来た奴がモテモテチート過ぎてウザい  作者: 痛瀬河 病
最終章 誰もが欲しいものへ手を伸ばし、勝者は只一人
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魔王の再利用

 残り一分十三秒。


「……ルーク、ごめん」


 浮かれる空気の中に祝福ではない言葉が混じった。

 そこには地面に伏す強華の姿があった。

 そして、当然立っているのは神崎だ。


「強華、お前はよくやった。結果を残した。俺の目的はこうやって達成されたわけだからな。俺には本当に勿体無い女だよ」


 ルークは賛辞の言葉を惜しまずに落ち着いたまま動揺を見せない。

 神崎など最早問題ではないと言うように。


「……後、一分程度か。強華との別れもある。早く決着を付けようじゃないか」

「それだけの時間があれば僕は君を殺せる」


 ルークは戦いを楽しむ気はない。

 一瞬で終わらせる気だ。


 両手を広げる。


 背後の肉片が形を成していく。


「姉妹で復活だ」


 リオン、シオン、この魔王の間で死んだ二人の命を魔王の力により復活させる。


「「ここは?」」

「シオン! そこの神崎を殺せ」

「あれ? ルー君? お姉ちゃん何してたんだっけ? まぁ、いっか殺そ」


 ルークは更に手を目の前の死体にかざす。


「知っているか、神崎? まぁ、俺もなってみてわかったんだが、魔王が生き返らせた魂は自我があるが、それとは別に魔王には逆らえない」


 むくりと起き上がったそれは最強。

 それはいまルークが殺した最強。


「おはよう、鬼々。神崎を殺せ」

「……ちっ」


 鬼々は明らかに面白くなさそうにしながらも身体は神崎の方を向き臨戦態勢をとる。


「こいつらは間違いなく今の俺より強いよ。お前よりも強い。それが二人も。世界最強だよ。ただ、そいつらは俺が生き返らせた。だから、俺に逆らえない」

「お姉ちゃんは元からルー君に逆らったりしないよ」

「……ちっ、一番面白くない事態になってるじゃん」


 シオン、鬼々。

 それぞれを相手にするのも勝利するのも至難の技なのに、それを同時、しかも制限時間付。詰んでいる。


「殺せ‼」


 ルークの合図とともに二人が神崎に襲い掛かる。



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