似た者同士
「つまりアナタは空っぽってことだね」
「そうだよ! でも、僕は間違っていない‼ 世界が皆幸せになる道を僕は選んだんだ‼」
神崎の攻撃の圧が上がっていく。
神崎の息が上がっていく。それでも、それでも攻撃は止まない。
なぜ自分が向きになっているのかもわからない。
強華はその嵐の中、神崎へ思いつぶつける。
「ッ、アナタは薄っぺらい。ルークに比べて言葉にどこか心がこもっていなかった。それは結局他人に決定を委ねたからだよ」
神崎の耳にその言葉がやけに深く沁みた。
雫が湖面に落ちる様に深く深く広がり腑に落ちる。
振り払うように頭を振った。
「いや! そんなこと、 ……そうか」
だけど、一度腑に落ちてしまうとどこまでも落ちていく。
それと同時に心は落ち着いていくのだ。
強華は拳を固く握った。
あんな世界に戻るくらいならここでルークの為に死んだ方がいい。
強華は自ら神崎の水柱と炎の柱の中に飛び込んでいった。被弾覚悟で突撃していく、皮膚は焼かれ、水圧で骨が軋む。だが、それでも掻い潜った。これで強華の最も得意とする近接戦に持ち込める。
「……きっと君と僕は同じだったんだ」
神崎の言葉が強華の耳を優しく犯す。
「僕は見ず知らずの大多数の他人へ君はルークへ決定を委ねてしまったんだね」
神崎も拳を固く握った。
「ありがとう、君の言葉で自分が少しだけ見えたよ」
強華も悟った『あぁ、同属嫌悪か』だから、ワタシはこいつが嫌いだったんだと。
「さぁ、時間がない。正解のない間違い同志の戦いを始めよう」
残り二分二十八秒。




