最後のターン
光がその場を包んだ。
【能力名】
異世界転生
【LEVEL】
LEVEL10(神域)
【スキル詳細】
・異世界から死ぬ間際の人間のこの世界に呼び出すことが出来る。
・呼び出した人間と異世界の情報は大まかにだが頭に流れ込む。
・発動条件、スキル保有者が死ぬほどピンチに陥るたびにレベルが上がり、LEVELが一つ上がるごとに一人を呼び出せる。
ただし、複数回ピンチに陥っても一人異世界から呼び出すまでは次のLEVEL上昇は行われない。
・????????????????
↓
・十回目、最後の異世界転生は異世界から呼び出した九人を生き返らせる。発動時に生きている者に関しては適用外。
そして、五分後。
この世界に呼び出した彼等彼女等を元の世界へ返還する。
予想外、意識外の攻撃に神崎は反応出来なかった。
いや、予想し意識していても反応出来なかったかもしれない。
それはこの世界に来てから初めてフィジカル面では敵わないと白旗をあげた相手だから。
「五分ならワタシでもお前を抑えておける」
死角からの一撃とはこのことを言うのだろう。何故なら、彼女は先ほど死んだはずだからだ。
「指示、を出す前に、動いてくれて、助かるよ……強華」
フラフラのルークは死んだはずの彼女にお礼を言った。
神崎の頭の中にメッセージが流れた。
『貴方はこれから四分四十八秒後に元の世界へ強制送還されます』
脳内にはタイマーのイメージが浮かび上がり、それが刻一刻と時間を刻んでいく。
「神崎くん、元の世界に、返して、あげよう」
最後の異世界転生にて強華が蘇った。
そして、恐らく各地でこれまで死んだ異世界転生も蘇っているのだろう。
ルークは最後の最後、本当の最後で神崎の無力化に成功した。
強華の力はこの世界に来た時と同じステータスまで戻っている。
つまり今までホイホイ国での鬼々戦でのダメージで力の八割程度しか出せなかった強華ではない。フルパワーで肉弾戦に持ち込めば彼女の力は神崎にも拮抗する。
「試練は、いくつも、やって来る。後はお前、か」
ボロボロのルークは最後の壁を見据える。
そう、神崎を抑えたからと言ってまだ目の前には油断ならない強敵がいるのだ。
「鬼々にあの娘を当てたらよかったんじゃないの?」
「いや、強華では、お前には、勝てないよ。以前、実証、済みだ。相性の問題、もあるがな」
「なら、ルークは鬼々と相性がいいんだ?」
「相性以上の、壁があるな」
神崎は強華が全身全霊をかけて五分抑える。
そうすれば元の世界に強制送還されて最早ルークに手出しは出来ない。
だから、あと残った敵はただ一人だ。
「俺、も、全てを、賭けるかな」
「まだ賭けてないものがあったの?」
ルークの最後のターンはまだ終わらない。




