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異世界から来た奴がモテモテチート過ぎてウザい  作者: 痛瀬河 病
最終章 誰もが欲しいものへ手を伸ばし、勝者は只一人
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君とまた対峙する

 そこにいたのはホイホイの王、人類の代表者ニアリスだった。

 ルークの身体には回復スキルの持ち主だろうか、二人の女性が触れていて、身体のダメージが回復していくのを感じる。


 ルークは上半身を起こせるまでに回復していて、直ぐに身体を起こした。


「キャッ」


 それに驚いた回復スキル持ちの一人の女性がルークの身体から手を放す。


「まだ立ち上がれるほど回復はしていないようですね」


 ニアリスはルークの様子を見て笑った。

 ルークにとってそれは全てが理解不能で不気味な事だった。


「……何が目的だ?」

「目的ですか? お飾りのお人形にそんな大層なものはありませんよ」

「ぐっ」


 ニアリスは以前ルークに言われた罵詈雑言の一部を意趣返しとばかりにルークへ送った。

「この国へは神崎様と来ていたのですが、あの方の傍にいては我々は足を引っ張るばかりなので残党の掃討に尽力をしていました」


 ニアリスは獣族の国ハクアへ来た経緯を話した。

 神崎の目的はルークを殺すことと魔王となり正しき世界へ導くこと。そして、個の国で起きている獣族と亜人族の戦争には必ずルークが顔を出すであろうと当りを付けて赴いたこと。


「あんな奴の予測通りに動いてしまったのが、何とも癪に障るな」


 ルークはフラフラの身体で必死に立ち上がろうとする。


「えい!」


 ニアリスはルークの上半身を片手で可愛い声をあげながら軽く押した。

 するとルークはあっけなく転んでしまう。


「まだ無理ですよ。一時的に自然治癒能力は向上させていますからもう少しここにいるのがおススメですよ」

「……何が目的だ。今なら俺が簡単に殺せるんだぞ」

「礼嗣様はそれを望まないでしょう。そして、貴方はどうせまた上階の地獄に戻るんですよね? それならここで殺す必要はありません」

「ふん、どうせ死ぬからってことか」

「はい、礼嗣様があなたを殺すでしょう」


 ニアリスは満面の笑みでルークに返した。


「……お前変わったな」

「いいえ、変わっていませんよ。貴方が人形としか見ていなかった私にも血が流れ、息をして、意思があっただけの話です」

「ふん、お飾りが偉そうに」

「偉そうではありません、偉いんです」

「そうだったな。俺の椅子を奪い取った憎らしい女だった」

「返してあげましょうか? 貴方が礼嗣様に謝罪し、仲直りして、罪を償い、これから誰も殺さず、私と礼嗣様の掲げる誰もが幸せになれる世界作りの為に力を貸してくれると言うのなら、私はいつでも今の地位をルーク様へ差し上げますよ」

「注文が多すぎる上にどれ一つ叶えたくないな」


 ルークの身体に力が戻るのを感じた。

 最低限の自然治癒が終わったようだ。


 ルークは立ち上がる。

 それでも勿論死にかけで、立っているのがやっとだ。

 現状は何も好転していない。


 ルークは後方に多くの兵を待機させているニアリスを睨みつける。

 そして、拳銃を水平に構えた。



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