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異世界から来た奴がモテモテチート過ぎてウザい  作者: 痛瀬河 病
最終章 誰もが欲しいものへ手を伸ばし、勝者は只一人
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鬼か魔王か

 ルークと最後の一人の転生者が鬼々の方へ向かう。全身を汚れたモップのように毛で覆われた転生者は両手を前へ伸ばすと両手の毛が伸びていき鬼々を拘束する。


「オマエ、この世界の汚れか? なら、オデ掃除する」


(ルルルは汚染され続ける前の世界で世界の滅びる最後まで唯一掃除を続けた伝説の掃除人。全身モップ人間の様々な汚れを掃除するために習得したそのトリッキーな技の数と威力は絶大だ)


 当然、鬼々は歌で弱っていても物凄い腕力でその身体に絡まるモップの太い糸を振り払おうとするが、ルークが更にモップを伝って時間外(オーバー)労働(タイム)で体力を奪い弱らせていく。

 ルルルのモップは触手の様にうねうねと複数に別れ、振りほどく鬼々に何重にも巻き付いていく。


「うっざい」


 しかし、何本巻きつけようと土台はルルルの二本の足だ。鬼々は釣りの要領でルルルの身体を巻き付くモップを絡めとることで浮き上がらせた。ルルルはその時点で回避でも落下への備えで着地の準備をするでもなく残ったモップを一か所に集め巨大な拳を作る。


「汚れは根元から断つ」


 そして、その巨大なモップの拳を鬼々にお見舞した。


「……魔王を甘く見ないで」


 鬼々はそれに返す拳でモップの拳を爆散させる。ただのパンチ。それが鬼々の魔王の拳となればこれほどの威力を持つ。


「くっ、ここで引くな! 弱っているのは確かなんだ」

「誰が弱ってるって?」


 ルークの言葉に鬼々が反応し、部屋が揺れた。


「今の鬼々はもう鬼の力は失なっちゃったけど、この魔王の力がある。全知全能、世界を統べる力だよ」


 それはまるでルークのお株を奪うように、天井から、床から、続々と人が現れてくる。


「……アレだ。アレが厄介なんだ」


 真っ先にそう呟いたのは神崎だ。

 先ほどまでルークたちより先に交戦していたものとしての体験。その恐ろしさは知っている。


「さぁ、みんな起きて、またお客さんだよ」


 そこにいたのは鬼々によく似た者たち。


「……知った顔がいくつかあるな」


 そこでようやくティグレが口を開いた。


「あいつらは全員、鬼族だ」


 ルークは背後のティグレの言葉が嫌と言う程耳に染みた。




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