かつては君と
ワンコは敵軍の中から一人を見据える。
「いるんだろ、ニニ」
特に隠れる意思はなかったようで、ワンコの言葉に反応し、髪の上半分が赤く下半分の青い奇抜な髪色の少女は現れた。
「はぁい、そんなにワンコはニニちゃんに会いたかったの?」
「いや、この場で一番厄介なのがお前だと思っているだけだ。ニニ、私は本当に恥ずかしいぞ。ルーク様からセブンズと言う誇り高き役職を与えられ、それに値する充分な実力も兼ね備えているお前が謀反など」
「どっちかと言えば謀反はそっちの方な気がするんだぁい。ってそこまでワンコが人を褒めるなんて珍しいんだぁい」
「私は最初からお前を認めている。実力だけで言えば本来セブンズに相応しいのは私とお前、それにゴローぐらいのものだと思っている」
ワンコはそう言い終わると左手に革の手袋を装着する。勿論、その手袋はワンコのスキルによって切れ味を付加され、触れるだけで肉を切り裂く厄介な代物へ変異している。
「……実力にも色々あると思うんだぁい」
ニニはそう反論し、ワンコへの迎撃態勢をとる。
「お前を速攻で倒し、看護師長を殺し、この場を制圧させてもらうぞ」
「ニニちゃんにはニニちゃんの守りたいものがあるんだぁい」
「……分かっている。ナナキだろ? お前はあいつが死んでから様子が変だった。だがな、私だってお前だって仲間が死ぬのなんて慣れっこだろ? この戦いでだって多くの者が死ぬ。だが、それはみな目的のためだ。それを成す為に死ぬのだ。そんな覚悟もなくお前は今そこに立っているのか?」
「……ニニは今も昔も理想論を現実にするために戦って来たんだぁい。そして、ルークさんの理想はニニとズレてしまった。それだけだぁい」
ワンコはその言葉に対してもう何も言わない。
後は結果だけがそこに残る。
間違いなく単純な戦闘能力で言えばこの二人はセブンズ№1と№2。その二人が今雌雄を決する時が来た。




