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異世界から来た奴がモテモテチート過ぎてウザい  作者: 痛瀬河 病
第五章 破滅と混沌の世界へようこそ
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森が騒めく

―獣族の国ハクア


 チェスマンは優雅に午後の一服を嗜んでいた。


「ふむ、欠損率が二割を超えましたか。思っていたより敵の兵力は高いようですね」


 チェスマンの落ち着きからは想像も出来ないが今は大戦の真っ只中なのだ。


「亜人族も頭が変わったばっかりなのに大した統率力だね。人族はとにかく数の暴力だ。あいつら本当に一致団結したんだ。それに一部やばい奴もいるみたい」


 ドラゴも落ち着いた様子で戦況を言葉に出してまとめる。


「ライオ、オオカ。そろそろ君たちの出番かもね」


 チェスマンとドラゴから一歩引いた位置で控えていた四老獣の二人は静かに頭を下げた。


「君たちは生まれ変わりました。存分に暴れてきなさい」

「「はい、仰せのままに」」


 そう言い残すと二人は部屋から出ていった。


「三割を超えたらポーンの使いどころですかね」

「だね、良い具合に散らばり始めたよ。ここへの侵入オオカとライオが防いでくれるだろうしね」


 獣の森ハクアは大きな森だ。

 一見、乱雑で規則性のない深い森に見えるが、実は円周上に三層のエリア分けがされている。


 一層目は敵の侵入を防ぐための兵士たちの迎撃エリア。

 普段は食料を確保するために作物を収穫したり、森に棲む魔物を狩ったりしているエリアでもあるが、ひとたび侵入者を迎撃する時には迷路のように入り組んだ森が地の利を与え獣族の兵士たちだけにアドバンテージのある別の意味で最高の狩場となる。


 二層目は獣族の一般人、つまり非戦闘員の住居スペースとなる。

 一層目と明確に壁のような物があるわけではないが、木々や崖、川などによりある程度出入り口の数が限定された空間となる。

 国外の初見の者が辿り着くにはかなりの時間を要するだろう。

 ちなみにルークの欲しがっているトリニティの鉱山はこのエリアにある。


「キング、今のところ敵軍は一層目までなあんですよね?」

「そうみたいだね。でも、このままだと二層目に侵入されるのも時間の問題かな。うちの軍もチェスマンのお陰でかなりパワーアップしてるけど流石に二種族相手だし単純に数の差がきついね」

「仕方がないですね。それも計算通り。まぁ、勝ちは見えている戦いです。後はルークがやって来るかどうかだけですよ」


 ドラゴとチェスマンの二人が会話している一室は場所で言えばハクアの三層、最も深いエリアになる。

 ここは分かりやすく権力者、貴族、宝物庫、食糧庫などが眠るエリアだ。しかし、他国に比べれば獣族は自由で地位や権力に固執する者が少ないので二層と大きな違いはないかもしれない。あくまで比較的力のある者の居住区のようなものと考える方が自然だ。


 二人の意味深な会話の最中に一人の兵士が慌ててやって来た。


「ドラゴ様‼ 亜人族、人族共に別ゲートから二層目への侵入を許してしまいました。今からでは住民の避難が間に合いません‼ いかがなさいますか⁉」

「……ふーん」

「そて、そろそろジェントルな私たちもお仕事の時間ですかね」


 伝令を告げにやって来た兵士に対し無反応は二人はゆっくりと立ち上がり、盤面を次の局面へと進めようとしていた。




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