1
高校2年になったばかりの5月、テストが悪かったため俺は補習で少し遅い時間まで学校で勉強をしていた。
今回は珍しく、赤点を取ってしまったからだ。1年の頃は遅くまで勉強してテストは赤点回避していたが今回は家で引越しの片付けをしていて部屋がちゃんと片付けることができていなかったためテストを落としてしまった。(親が転勤で家を売ってしまったからだった)
なのでこの時期まで片付けが長引いてしまったのだ。
勉強が終わって外に行くため靴箱に向かう。
「勉強疲れた」
誰に言う訳でもなく独り言をつぶやく。
5月と言えど暗くなるのがまだ早い。
暗くなった廊下を早足で歩く。
階段を降りればすぐ靴箱に着く。すぐ靴を履き替えて上履きをロッカーにしまう。靴箱から玄関に出る。グランドの方を見るとチラチラと部活終わりの生徒がいる。そのまま歩くと学校の門に着く。そこからチラチラとこちらを除く影が見える。またか、と思いつつ無視する訳にも行かないので声をかける。
「ジロジロ見てどうしたんですか?」
「お前を待ってたんだよ」
「俺を?」
どうせまたいじめてくるに決まってる。だけど俺に力がないから無視して帰る訳にも行かない。
他にも2,3人こちらに向かって歩いてきてる。
俺はいつも教室で1人。友達もいないスクールカースト最下位の俺ならいじめやすいと考えたのだろう。
3人の取り巻きが集まってくる。
「よぉ、こんな時間までお勉強ですか?バカは大変だね〜」
周りの人達が笑ってくる。だけどここでムカついたとこでボコされるだけなので黙ってバカにされてるのを聞き流してるだけだ。
「ちっ、反応ねぇとつまんねぇな」
リーダー格のクラスメイトがそうつぶやく。
学校で嫌われているのは1年の時に調子に乗って色々やらかしてしまったためこうして色んないじめを受けている。ある時は、机に落書きや椅子が汚れていたり。ある時は黒板に俺の悪口が書かれていたり、ある時は靴箱の上靴が切り裂かれていたり。ある時は……というふうに色んな形でかつ分かりにくくいじめてくるのだ。こうして呼び出された日には暴力とか振るわれる。担任の先生も先生で見て見ぬふりするので味方はいない。いや、いたにはいた、けれどその友達だった人もいじめられて今現在は不登校状態だ。俺も1度は学校休もうと思ったが親に心配をかけたくないため渋々行ってる感じだ。
「なんか言えよ」
無視していたらみぞおちを殴ってきた。やり返したい気もあるけどやり返したらやり返したで数の暴力だ、勝てるわけもない。部活帰りの生徒も見て見ぬふりして早足に去っていく。誰も助けてくれないのだ。
そのまま顔以外の場所。服で目立たないところを沢山殴ってくる。
「反撃してこいよ?できねぇだろうが」
周りの人がケラケラと笑ってくる。だけど反撃できないのは事実だ。運動が得意でないのは事実だし相手も3人いるため反撃しても軽くあしらわれる。
そもそももう高校生活は諦めている。だからもう虐められてても無視を一貫してる。無視していると相手もつまらなくなって辞めるだろうと思っていた。
だけど今日は少し違った。いじめっ子の1人がカッターナイフをチラつかせる。さすがに使わないだろうと無視していたらカッターをリーダーに向けて投げていた。
「いい加減無視されるのも飽きたしこれ使ってもいいよね?目立たない場所にしてやるから」
周りのやつもケラケラ笑ってくる。
「2年になってからひとり暮らし始めるんでしょ?なら親にバレる心配もないよね?」言いつつ刃先をこちらに向けてくる。逃げ場もないから逃げられない。
「や、やめてください…お願い…します」俺は消え入りそうな声でそう言う。だけど刃先がどんどん近づいてくる。
「聞こえねぇなーもっとはっきり言えよ?」わざとらしくそういういじめっ子のリーダー。
内心で絶対聞こえてただろとも思いつつさすがにもう交わせない。
「交わせるものなら交わしてみなよ」
笑いながら近づいてくる。交わせないのわかってるくせに。
「やめて…ください。」
「辞めるわけないだろ?」
少しばかり抵抗してもやっぱりやめてくれない。
「お前ら服ぬがせ」
「OK」「了解」
服が脱がされていく。さすがに服を切り裂かれるといじめがバレてしまうと思ったのかいじめっ子達が服をぬがせてくる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あの後色んな場所を切られて殴られたりで身体がボロボロだ。切られた場所が痛いし殴られた場所もじんじんしていたい。今までは殴られるだけだったけど今日は少し違った。死にたいという気持ちを抑えるため楽しいことを考える。考えようとしたがさすがにきつかった。あの後いじめっ子ぐるも死ね死ね連呼してきた。さすがに気分を切り替えるのは無理だった。
中学の時は友達も沢山いてリアルも充実していた。だけど高校入って色々変わった。
1年の時は友達を作ろうと必死だった。同じ高校を受験した友達とはクラスも離れた。そして1年の時は力もないくせに色んな人を影でいじめていた。さすがにやりすぎだと思っていたけど命令されて渋々いじめて傷つけていた。だからバチが当たっても仕方ないと思った。だから2年になったら幼なじみの女の子としか関わらないようにしていた。だがそれが問題だったんだろう。幼なじみは俺以外にはあまり話していなかった、それに嫉妬した人達が俺をいじめるようになりついには幼なじみの女の子にまで手を出すようになった。幼なじみはだいぶ顔が可愛くて美少女くらいの顔、俺は普通の顔。釣り合わないのに仲良くしてたのが気に食わなかったみたいだ。そして幼馴染の子はしまいには性的暴行まで加えられるようになりそれで不登校になった。(もちろん未遂だ)その前に俺がみつけて庇った。その時の幼馴染の表情は今でも覚えている。震える手震える身体、思い出したらムカムカしてくるが数には勝てない。力もない。力が欲しい。けどそう簡単に力が手に入る訳でもない。いっそ親もいないし不登校にでもなろうかなと模索までし始めた。いくら気分を明るくしようとしたが無理だ。
気がつけばビルの最上階まで来ていた。だけど勇気が出なくて虚しくなりビルをおりる。
「少しだけ真奈の家寄るか」
真奈とは幼なじみの子だ。だけどその判断が間違っていた。そのまま家に帰ればよかったが暗くなった気分を紛らわせるために幼なじみの家に向かう。
「そういえばここら辺最近通り魔が出るんだっけ。はぁ、もう嫌だし刺されないかな」
暗い気分はなかなか収まらない。
そんなこんなで裏路地のあまり人通り少ない道を歩く。そんな時だった。後ろから走ってくる足音が聞こえてくる。まさかとは思ったがさすがにそんなわけないと思いつつ後ろをむくと包丁を持った男がこちらに向かって走ってくる。
気がついた時には遅かった。
「ぐっ、はぁ」血が口からとび出てくる。刺された場所が熱い。血が止まらないのがわかってくる。
意識が遠のいていく。
今日は嫌な目にあってばかりだ。カッターや殴られたりで、傷が沢山つけられた。さすがに一通り少ない道を選んだのが間違いだった。
もう一度でいいから初恋でもあり幼なじみの顔がよぎる。だけどもう意識が朦朧としている。刺された場所からはとめどなく血が溢れていく感じがする。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
たまたま散歩をしていたら暗い顔をしながらビルに入りそして諦めたかのように出てくる少年を見て何を思ったのだろうか。金髪青目の少女は彼の後を追いかけようと薄暗い路地裏について行く。その後ろをナイフを持った男が全力で走ってくるがそれを軽くジャンプでかわす。まずい、と思った瞬間追いかけていた少年にナイフが突き刺さっていた。
(ちっ、かわすんじゃなかった)
軽く舌打ちをしつつ刺して逃げようとした男を後ろからものすごいスピードで追いかける。追いつくと足をひっかける、転けそうになるからだを何とか耐えつつ足をひっかけてきた少女に男はナイフを突き出して突き刺す。が、少女は平然と立ち上がり突き刺さっているナイフを投げ捨てる。その部分の血がみるみるうちに回復してく。男がえっ、という顔をしながらも、その一瞬を少女は見逃さなかった。一気に距離を詰め身体を目にも止まらぬ早さで殴る。気絶したのを確認すると先程の少年の元に行くため戻る。
(あの男はあとは警察に任せる)
少年の元に駆けつけると、
(意識がないか、仕方ない、そのままほおっておくと数分で死ぬだろう)
と思い口から牙が現れ少年の首筋に噛みつき血を啜る。そうこの少女は吸血鬼だ。
しばらくすると少年の傷が回復していく。
たまたま見つけた少年には申し訳ないがそのまま私の計画を手伝ってもらうとしよう。と、内心思いつつ生徒手帳をみつけ名前、住所を確認するとそのまま家の方向へおぶりながら走る。サイレンの音が聞こえたからだ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
奇妙な夢を見た気がする。男に刺されて死んだ、はずだった。いや死ぬはずだった。
重い瞼を開ける。そこは自室のベットで横には知らない女が寝ていた。時間を見るとまだ夜の2時半だった。状況を整理しようにも刺された後どうなったか分からない。ほんとに刺されたのだろうか、と思いつつ、なんだか身体に違和感を覚える。髪が腰近くまである。あれと思いつつ俺は下を確かめると本来あるべきものがなかった。上を確かめると少し小さいが膨らみが少しある。少し声を出してみる。いつもより高い声がする。もしかしてと思い洗面所に向かうと本来の顔とは違い銀色の髪、そして赤い目の美少女がたっていた。顔を触ると鏡の中の少女も俺と同じように顔を触る。首を傾けると鏡の中の少女も同じように首を傾ける。胸を揉むとやっぱり鏡の中の少女も同じように胸を触っている。1度状況を整理するため寝室で寝ている少女の元に向かうとその少女は既に起きていた。
俺はどういうことか確かめるため少女に話しかける…前に少女は口を開いた。
「おお、成功だ」
???となった。
状況が分からない。
「どういうことですか?」
「君は私の眷属の吸血鬼になった」
え??吸血鬼?確かに牙が生えてるのがわかる。
けど一向に状況が湧いてこない。
???みたいな顔をしてると続けて話してきた。
「復讐したい相手がいるんだろ?反撃もできるようになったと思うぞ?身体に刻まれた傷を見ていじめられてることにも気がついたよ。吸血鬼になったんだ力もそれなりにある」
「じゃあこの身体は?」
男だったのに何故か女の子になっていた。
「男の吸血鬼は少ないんだ。たまに女の子になる吸血鬼もいる、とだけ言っておくよ」
全く分からなくなってきた。どうして男から女になるんだ?
「そうだ、自己紹介まだだったね。私の名前はエレンだ。好きに呼んでくれて構わないよ。私の目的も話しておこうかい?」
「俺の名前は優太だ。目的はまた今度でいい。今日は色々ありすぎて疲れたから寝る生き返らせてくれてありがとう」
彼女が名乗ったので俺も渋々名乗った。生き返れたのも彼女のおかげなのでお礼も言っておいた。
あいにく明日からテスト休みなのでゆっくり休むことが出来る。その間にやることもあるみたいだとエレンは言ってた。
これからゆっくり投稿していきます。初めての投稿なので誤字脱字感想などありましたらお気軽きコメントください。よろしくお願いします




