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『ドキ☆キュン』は攻略ゲームとしては王道っていうかテンプレ的な作りの三人称視点ゲームで、主人公リーナのキャラメイキングは無く、運営の考えたキャラクターをまんま使うヤツ。
その代わりネットのサーバーに繋いで課金ガチャでアクセや髪型やコスチュームを引いて当たったやつに着替える事もできるっていう携帯ゲーム機でやるヤツだった。
ま、言い換えれば着せ替え人形的に好きな衣装に変更できるのは、主人公のリーナだけだから私にはつまらなかったけど、それが好きな子は課金してゲーム会社を潤してる信者もいっぱい居たのよね。
ま~、ルート的には逆ハーエンドもある微妙な15Rだったから私の友人とかは全ルートを隈なくやりつつ課金もお小遣いを貰う度に全額注ぎ込んでた。
足りないってバイトまでして・・・
そんなのを見てたし、私は結局2ndは興味が湧かなくてほぼやらなかったのよね。
だってソフィアたんが出てこないんだもん。
でも、ま、親友は2ndも楽しそうだったからソレはそれでいいんだけど・・・
ガチ課金勢でカード破産した子達もいたらしいし、自分の推し攻略対象以外認めないって、SNSでも炎上してたから社会問題として取り上げられてて、ちょっとゲームガチ勢って怖いなとも思った覚えがある。
『リーナにお金あんなに使い込んだのにっ!』
て、逆恨みされる可能性だってあるし・・・
前世と今生は違うからって言って通じる人と良いんだけど。
「郁ちゃん位のライト課金勢ならいいけど・・・・」
思わず溜息を吐きながらそう呟やいた。
「えッ? 郁?
それ前世の私の名前?」
目の前のソニアさんがギョッとして此方を向いた・・・
「え?!」
急にソニアさんがスタンさんに視線を向けて首を傾げ、
「・・・ 広田恒樹?」
前世の旦那の名前を小さく呟いた・・・
「え、ソレ前世の旦那の名前」
思わず小声で返してしまう。
「「・・・・・・」」
お互いの視線が絡まって。
「ひょっとしてソニアさんって、郁ちゃん?」
「え?
ひょっとして里奈?」
「「えぇええええぇッ!」」
二人してお互いを指さして絶叫した。
スタンさんはギョッとして私を落としかけ、レオナルドはその場で両耳を塞いだ。
――因みに未だ全員仕事中である。
仕事しろ。
はい、ソニアさんの中の人は本編にチラッと出てきた郁ちゃんでした。




