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23大切な人 〜スタン&リナ視点〜




 俺達転移魔法が使えるグループは13時ピッタリで天井が崩落したのを確認してから洞窟内に突入した。


 魔術を使えない仲間は洞窟の崩壊に巻き込まれる恐れがあるため外で待機だ。


 俺達の目的は、集落にゴブリン以外が居ない事を目視確認するのが目的だ。


 崩落に巻き込まれなかった連中(ゴブリン)は出口を目指して走っていくが、認識阻害の魔法(ジャミング)を使ってる俺達魔術師達には全く気が付かない。



 尤も俺達自身もお互いの姿すらハッキリ認識できないんだがな。


 コレがこの魔法の欠点でもあるんだが・・・



 洞窟が崩落すればこいつらが洞窟にかけてたジャミングは恐らく消える。


 これだけデカいもんを隠すようなジャミングは魔法陣を壁や床に描いて魔石を使う事で発生させるのだが、得てして魔法陣は図形のズレに弱いからだ。




 ×××




 村の中は陽の光が結構入ってきていて明るかった。


 土埃が舞う中、落ちてきた天井の下敷きになり潰された連中や建物の残骸がはっきり見えた。



「デカイ穴が開いたもんだ・・・って、オイ」



 天井の穴を見ようと思って真上に視線を動かしたら、俺の目に映ったのは天井の穴じゃなくてそこから落ちてくる人影だった。



 ――ゴブリンじゃない!


 あの金髪はリナじゃねえかッ!



 夢中で墜落を防ぐために風魔法で下から彼女の体を持ち上げる。



 ――間に合えッ――



 俺は夢中で跳んだ――




 ××× 




 「どうして落ちてくるんだよ」



 ――目の前でスタンさんに溜息を吐かれた。


 え、なんで私お姫様抱っこされてんの?


 え、ここ空中?




「え。


 スタンさんが、ななななぁんで?」



 ――会えて嬉しいけど、なんでいるの? 



「大丈夫か?」


「は、ハイ」


「お前って、空中障壁作れなかったっけ?」


「風と水の上位魔法が苦手で・・・


 出来ますけど、あんまりびっくりして発動しませんでした・・・」



 ――ああ、今私顔が赤くなっちゃってる!


 絶対に赤い! 



「心臓に悪い」



 ギュって抱きしめられた・・・



 ――こんな状況だけど・・・


 嬉しい~!!


 きゃあああ~!


 どうしよう~~!!


 嬉しい~~ 抱きついていいかな~~!?


 いいよねッ?



「助けてくれてありがとうございます・・・」



 そ~ っと背中に腕を回したら彼がもう一回溜息を吐いた。



「良かった。


 間に合った」


「ホントにありがとう・・・」



 その続きは言えなくて。



 だって彼の唇で私の唇が塞がれてしまったから・・・



 ――え、え、え、どうして?


 何がどうしたの? 



 驚きすぎて目を閉じるなんてことはできなくて・・・

 


「おまえさ、キスしてる時に目ぇ開けたままなの?」



 眼鏡の奥でちょっと怒ったような照れたような彼の青い目が瞬いたのが見えた・・・



「だって、急だったからびっくりして・・・」



 驚きすぎて心臓が口から出そうッ!!


 コラ心臓止まれッ!


 ああ止まっちゃ駄目だッ!


 落ち着け私ッ!!



「そうか。


 じゃあもう一回していいか?」


「ひゃいッ!?


 もう一回?!」



 そう言ってスタンさんの顔がすっごく近づいてきたので、今度はちゃんと目を閉じた・・・



 ――え~と、いいのかな~


 今、私って仕事中じゃなかったっけ・・・




 ×××




 「お前を好きだって自覚した途端に死なれたかと思って、心臓が止まるかと思った・・・」



 唇が離れた時に、泣きそうな顔で抱きしめられてそう呟かれた。


 ああそれは私も嫌かもと思わずコクコク頷いてしまった。



 ――え?


 好きって私を?



 ・・・ 言ったよね?


 思わず自分のほっぺたを抓ったら痛かった。



 ――ホントに本当みたい・・・


 え~!


 嬉しすぎて昇天しそう。






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