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 リナが肉体強化とロックフォールの発動と同時に消音の結界を張っていたので洞窟の中の村には異変はないように見える。



「気づかれなくてよかったです~。


 皆さんの身体強化も勝手にやったんですけど心配なかったですね」



 同時に3つの魔法を発動できると言うのは、かなり卓越した技術だ。


 やはり彼女のヒロインとしてのスペックは伊達ではない。



「どうしましょう?


 予定通り北の砦に帰りますか?」



 岩陰から村を伺いながら団長以下全員に声を掛けるが、



「その必要ないかも」



 鈴を転がす様な美しい声がした。



「え?」



 振り返れば大きな岩の上にしゃがむソフィアの姿が。


 隣にはジャパンテイスト『サムライ姿』の殿下が立っている。



「ソフィアたん!


 殿下も!


 ・・・って、何やってるんですか?」



「あ?


 ああごめんなさい。


 この岩肌に美味しそうな牡蠣が張り付いてたのよ~」



 何故かソフィアの両手には軍手、その右手には牡蠣打ちが・・・



「私、牡蠣大好物なのよねッ!


 ほら見て、プリップリで美味しそう~♡♡」



 ・・・ソフィアにいい笑顔で返された。


 ――そして殿下はいつものように片眉を上げていた。




 ××××




 「王宮騎士団と辺境伯兵団そして冒険者ギルドの精鋭が北の砦に集合してるが、この場を離れるのは得策ではないだろう」



 シルファ殿下の言葉に、



「そうねぇ。


 村がここまで大きくなるのに気がつけなかったくらいに巧妙に隠せてたんだから、結構な魔力を持ったゴブリンメイジが居たんでしょうね」



 そう返しながら確保した牡蠣を亜空間収納にポイポイ放り込む王太子妃ソフィア。



「ここを皆が離れた途端にまた目眩まし(ジャミング)が働いて見つからなくなる可能性があるわね」


「メイジの一人はその岩の下敷になっておりますが・・・」



 団長が非常に言いにくそうに指さした。



「あら。


 でも一体とは限らないわ。


 これだけ大きな村ですもの。


 複数いると考えたほうが良さそうよ」


「そうだな」



 シルファ殿下が頷いた時に探査魔法(サーチ)の蛍のような光が現れた。



「丁度帰ったようですな」


「映像を見てからだな・・・」




 殿下の言葉にその場の全員が頷いたのだった――





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