15転生悪役令嬢(本ヒロイン)牡蠣打ちする
生前の里奈は可愛いものが大好きだった。
そして生まれ変わってもやっぱり可愛いものが大好きである。
やはり世界一の推しは前世も今生もやっぱり『ドキ☆キュン魔法少女リーナ♡貴方のハート狙い撃ちしちゃうぞ☆』の悪役令嬢だったソフィアで決まりである。
なんてったって見た目可愛い上に仕草も愛らしい。
――控えめに言っても最高だ。
ソレに比べてゴブリン・メイジだろうが、ごく普通のゴブリンだろうが、どっちにせよ全然かわいくもなければ麗しくもない。
寧ろ臭くて気持ちの悪い魔物なんかとはお近付きになりたくはないリナである。
ゴブリンメイジと目が会った時、まず最初に頭に過ったのが
『気持ち悪い。
臭そう。
女の敵!』
で。
向こうが熱烈にリナのことを欲してくれたとしても、当然全力でNO THANK YOU! である。
「こっち見てる・・・」
涎を垂らして目を爛々とギラつかせ、物欲しそうな下卑た笑いを見せ、舌なめずりをするゴブリンメイジ・・・
不快以外のナニものでもないリナ。
次に浮かんだのが
『ヤロウ!
ヌッコロシてやるッ!』
彼女は、今日はまだ一発も魔法は使っていなかった・・・
××××
「フンッ!!」
ソフィアたん譲りの身体強化で周りの騎士と自分自身の筋力を200%アップにすると、
「ㇷンッ!」
普通のゴブリンはどうあれ、ゴブリンメイジは魔法攻撃が効かないのが有名である。
魔法の攻撃を反射してしまう厄介な存在で魔術師泣かせとも言われている。
「リナッ!
アイツに魔法は効かんッ!」
小隊長が慌てて止めようとしたが、瞬時に全長10×10メートル程度の岩が、出口付近に出現したゴブリン達の頭の上にそのまま落ちた・・・・
「「「「「アレ?」」」」」
ゴブリン達は悲鳴を上げる間もなく瞬時に下敷になりどうやら絶命してしまったようである・・・
×××
因みに。
彼女の得意な岩石落としは、周りに魔法だと思われがちだが単純に物理攻撃である。
急に北の塔に連れて来られた彼女が一番最初に覚えたのは、何処からか大きな岩を任意の場所に動かすという、転移魔法だった――
彼女は自分を跳ばす転移魔法は使えないが対象物を視線の先に引き寄せる事は得意なのだ・・・
概念で岩を生み出し攻撃するのは魔法だが何処からかテレポートさせるのは攻撃ではなく、ただの物理法則による落下とみなされる為ゴブリンメイジには反射出来なかったようである。
今回の岩はフジツボとかワカメとかがくっついているので多分何処かの海の中の岩である。
場違いに磯の香りが周りに漂う・・・
「大丈夫ですッ!
物理攻撃ですから」
いかにも
『やってやったぜッ!』
といういい笑顔で小隊長に答えるリナに周りの皆が脱力した。
「そうか。
アレは物理だったか・・・」
力なく小隊長は呟いたが、団長はリナの頭をよくやったと言わんばかりにヨシヨシしていた・・・・。




