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第32話 後悔

アルフォート目線です!

自分がレシアスに抱く感情が恋だと分かった時、私は酷く動揺した。

何せ私はなんで自分が恋をしていることに気づいたのか分からないほど、今までの人生はそういったものに関わりのない人生だったのだ。

だからこそ私は動揺して、けれどもそれは少しの間だけの話だった。


ーーー レシアスが私の婚約者としてこの場所に送り込まれていることを思い出した時、今度私の胸に湧き上がったのは歓喜の感情だった。


もちろんその事実があるからといって、私はレシアスに自分との婚約を迫るつもりはなかった。

けれども、レシアスが私の婚約者としてこの場所に送り込まれてきたということは、私とレシアスとの婚約を外部が妨げることが出来ないことを示している。


そしてその外部の状況に、まるで私は自分の背中を押されているかのような錯覚を感じたのだ。

それはただのこじつけでしかないだろう。

しかし、そうとわかりながらそれでもレシアスを諦められそうにない自分に気づいて、その時私は思わずある言葉を漏らしていた。


「あぁ、もう自分でも抑えられないな」


それは今までの人生の中、感じたことのないほど強い感情を胸に抱きながら私が漏らした言葉。


そしてその言葉と共に私は、レシアスには決して決断を急かさないことを決意した。

レシアスはまだ人間に対して恐怖を覚えている。

その恐怖が和らいでからではないと、レシアスの心を掴むことはできない。

いや、それどころかレシアスに不要な恐怖を抱かせるだけだと、悪夢にうなされる姿を見た私は理解できた。

だから私はしばしの間はこの恋心を封印しておくつもりだった。


………そう、つもりだったのだ。







◇◆◇







時はレシアスへの問題発言の後。


「………やってしまった」


レシアスの部屋の側、昨夜の決意を思い出した私はさらに落ち込むこととなった。


「………何故私はいきなり昨夜の決意を破ってしまったのだ」


けれども言い訳ではないが、私は本当にレシアスに自分の気持ちを告げるつもりなど無かった。


……そう、自分は誰にも受け入れられないと、そんな風な顔をするレシアスの姿を見るまでは。

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